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佐藤琢磨、今季初優勝! ピット戦略バッチリ、20番手から大逆転|インディカー第16戦ポートランド決勝レポート

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佐藤琢磨、今季初優勝! ピット戦略バッチリ、20番手から大逆転|インディカー第16戦ポートランド決勝レポート

 インディカー第16戦ポートランド決勝は、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨が20番手から今季初優勝を果たした。

 2007年のCART時代以来、11年ぶりのレース開催となったポートランド。105周のレースがスタートするが、直後のシケイン出口でさっそく大混乱が発生した。

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 ジェームス・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン)がザック・ビーチ(アンドレッティ・オートスポート)との接触をきっかけにスピン。マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)のマシンが横転するなど、多重クラッシュが発生した。

 これを避けきれず、ポイントリーダーのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)もグラベルでマシンを止めてしまう。幸いマシンはほぼ無傷で再スタートできたものの、20番手まで後退してしまった。

 8周目にリスタートを迎え、ポールポジションのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がトップをキープ。アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が2番手に続いた。佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は16番手だ。

 快調にトップを走るかと思われたパワーだが、ギヤが入らなかったのか失速。12番手までポジションを落としてしまった。これで、逆転チャンピオンを目指すロッシに絶好のチャンスが転がり込んできた。

 ロッシは2番手のチームメイト、ライアン・ハンター-レイに対してギャップを築いていく。16周を終える頃には、そのギャップは3.4秒まで広がった。

 上位陣は30周前後で1回目のピット作業を消化。ロッシは29周目にピット作業を行い、悠々トップをキープした。最初のコーション中に燃料を注ぎ足していた佐藤は40周目までピットインを粘り、最後にピットへ飛び込んだ。どうやらピットストップを1回減らす作戦に出たようで、17番手でコースに復帰した。

 挽回すべく追い上げていたディクソンには焦りがあったのか、ピットレーン速度違反でドライブスルーペナルティ。43周目にはパワーが最終コーナーでクラッシュしたことで、このレース2度目のコーションが発生した。パワーは走行再開できたものの、この衝撃でギヤが変更できなくなってしまい、周回遅れとなってしまった。逆にペナルティを受けたばかりのディクソンにとっては追い風のコーションとなった。

 レースは47周目にリスタート。コーション中にピットへ入り、戦略を切り替えたマシンがあったことで佐藤は10番手、ディクソンは13番手までポジションを上げた。

 コーション前にハンター-レイを交わし2番手に浮上していたジョセフ・ニューガーデン(ペンスキー)は、49周目に1コーナーでロッシをオーバーテイクしリードチェンジ。ジョーダン・キング(エド・カーペンター)も、その後ろでハンター-レイを交わし3番手とした。

 トップに立ったニューガーデンは快走。対してロッシは、レッドタイヤを履いていたスタート時とは違い、ブラックタイヤを履いた第2スティントはペースが悪く、55周目にはキングにも背後に迫られてしまう。

 56周目、5番手にいたビーチが最終コーナーで単独スピン。これで3度目のコーションが出された。このタイミングでピット作業から25周以上走行していた3ストップ戦略のマシンがピットへ。これで佐藤は2番手まで浮上、ディクソンも4番手となった。トップは、ステイアウトを選択したハンター-レイだ。

 ほぼ全車の残りピット回数が1回に揃った状態で、61周目にリスタート。ステイアウトが15台いたため、ニューガーデンは16番手から前を目指す展開となった。

 トップのハンター-レイもなんとかピット回数を1回にすべく、燃費走行へシフト。一方の佐藤は燃料が保つ計算が立ったのか68周目に自己ベストを更新するなど、それぞれのマシンが各自の戦略を遂行すべく走行を重ねていった。

 ハンター-レイは走り切れるかギリギリのタイミングとなる72周目にピットイン。これで佐藤がリーダーとなった。

 すると75周目にサンティノ・フェルッチ(デイル・コイン)がスロー走行。コース上でマシンを止めてしまった。これでコーションが出ると見た各車はピットになだれ込んだ。その後コーションが出されたが、佐藤もなんとかピットに入ることができ、実質トップでコースに復帰した。前にいるのは、タイヤ交換義務があるマックス・チルトン(チップ・ガナッシ)のみだ。

 残り24周の時点からレースはリスタート、佐藤は2番手をキープした。後方ではディクソンがポジションを落とし6番手、ロッシがニューガーデンをパスし10番手とした。

 チルトンが残り20周の段階でピットインし佐藤の前が開けると、唯一59秒台のタイムでハンター-レイとの差を少しずつ開いていった。

 しかしハンター-レイも食い下がり、佐藤との差を約1秒にキープ。3番手を走るセバスチャン・ブルデー(デイル・コイン)はハンター-レイの約2秒後方だ。とはいえ、ハンター-レイはピットに入ったのが早かったため、燃料的にあまり無理ができない状態だ。

 ラスト2周でハンター-レイが一気に接近し佐藤へのプレッシャーを強めたものの、結局そのまま佐藤が逃げ切り今季初優勝。2017年のインディ500以来、通算3勝目を挙げた。ポイントリーダーのディクソンは波乱万丈のレースをなんとかまとめ、5位でフィニッシュ。8位に終わったロッシとのポイント差を、なんとか広げることができた。

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