Audi Team Hitotsuyama
Press release - 2018.0829 - 007
29/8/2018
アウディ 2018年IGTC第3戦鈴鹿10時間 レースレポート
Race Report
THE 47TH SUMMER ENDURANCE SUZUKA 10 HOURS
日本勢2番手となる8位でフィニッシュ
Audi Team Hitotsuyamaは、2018年8月25~26日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された「第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レース(SUZUKA 10 HOURS)」に出場しました。
「GT3マシン世界一決定戦」として今年初開催となったSUZUKA 10 HOURS(以下 SUZUKA 10H)には、国内外から35の強豪が集いました。そのなかで、Audi Team Hitotsuyamaは国内勢としては2番手となる8位でフィニッシュし、シーズン終盤に弾みをつける一戦となりました。
▱予選
3名のドライバーで戦うSUZUKA 10Hに、Audi Team Hitotsuyamaは、SUPER GTのレギュラードライバーであるリチャード・ライアンと富田竜一郎に加えて、ベルギー人のアレッシオ・ピカリエロを迎えました。ピカリエロは、2017年の「Audi R8 LMS Cup」でチャンピオンに輝いたドライバーで、2018年は日本のスーパー耐久にも参戦しています。ドライバー以外では、SUPER GT同様、WRTエンジニアのピエール・アルナードを迎えるとともに、今回はWRTのメカニック2名がチームに加わりました。
8月25日、真夏の強烈な日差しが降り注ぐ鈴鹿サーキットで、午後1時から予選が行われました。SUZUKA10Hの予選は、Q1と「ポールシュートアウト」の2段階で行われます。Q1ではドライバー3名がそれぞれのセッションでタイムアタックを行い、その合計タイムが20位以内(特別措置として今回は24位以内)のチームが次のポールシュートアウトに進むことができます。そして、ポールシュートアウトでは各チーム1名のドライバーがタイムアタックを行い、上位ポジションを確定させます。
Audi Team Hitotsuyamaでは、ピカリエロ、富田、ライアンの順でQ1を走り、それぞれ、2分3秒620、2分3秒873、2分4秒416をマーク、8番手でQ1を通過しました。そして、ポールシュートアウトはライアンが担当し、2分2秒810で、日本勢としては最上位の9番グリッドを獲得しました。
「チームとしては、Q1で上位24台に入り、最終的にトップ10入りするのが目標でした。Q1の2人目が終わったところでポールシュートアウトへの進出が確実になったので、3人目のライアンにはユーズドタイヤで気楽に行ってもらいました。ポールシュートアウトは、もう少し上が狙えそうでしたが、耐久の10時間レースですし、スターティンググリッドの順位よりも、むしろレースで乗りやすいクルマをつくるほうが大事ですので、トップ10入りしたこのポジションには満足しています」
(チーム代表 一ツ山亮次)
予選結果
P1 #28 HubAuto Corsa ニック・フォスター/デイビッド・ピレル/吉田広樹
P2 #888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racing マロ・エンゲル/ラファエル・マルチェロ/トリスタン・ヴォーティエ
P3 #28 HubAuto Corsa ダビデ・リゴン/マット・グリフィン/ミゲル・モリーナ
P9 #21 Audi Team Hitotsuyama リチャード・ライアン/富田竜一郎/アレッシオ・ピカリエロ
▱決勝
SUZUKA 10Hでは1回のドライビングスティントが最大65分(セーフティカー導入時やフルコースイエロ−運用時は70分)と規定されているため、レースの進行により9回または10回のスティントが想定されます。Audi Team Hitotsuyamaでは、ピカリエロ、富田、ライアンを3回繰り返し、もしもう1スティント必要であれば、ピカリエロかライアンにステアリングを託す予定でした。
「暗くなってからはヨーロッパ人のほうが夜目がきくというので、その時間帯はライアンかピカリエロで行こうという作戦です。そこから逆算すると、スタートはピカリエロか富田になるのですが、今回は海外勢が多く、最初から激しい戦いになりそうだったので、ブランパンなどヨーロッパのレースに慣れているピカリエロに任せることにしました」(一ツ山)
26日の午前10時、“ルマン式”でグリッドを離れた各マシンは1周のローリングラップのあと、いよいよスタート。まずはピカリエロが危なげない滑り出しを見せ、その後、一時ポジションを9番手から6番手までアップ、スタートドライバーの役割を確実に果たしました。
スタートから約1時間が経過し、30周が終了したところで、#21 Audi R8 LMSがピットインし、富田にドライバー交替を行いました。「WRTのメカニック2名が加わったことで、ピット作業にはいつも以上の緊張感と高揚感が生まれました。その効果もあってか、ピット作業でも一度もミスはありませんでした」とはチーム代表の一ツ山。コースに送り出された富田、そして、次のライアンと、3名のドライバーは着実な走りで周回を重ねていきます。上位チームがドライブスルーペナルティなどで順位を落とすなか、Audi Team Hitotsuyamaはペナルティの対象となるような行為もなく、常に10位以内、日本勢トップのポジションを維持しました。
それだけに悔やまれるのが、富田が担当する第5スティント。コースインした次のラップで、タイヤが温まりきってなかったこともあって、シケインの立ち上がりでスピン、約30秒をロスしてしまいます。これで順位を一時的に13位まで落としますが、その後は確実に周回を重ね、ライアンにつなぎました。第6スティント以降は各ドライバーともに安定した走りを見せ、スティントが3巡したところで、チームは最終の第10スティントをピカリエロに任せました。
「その直前のスティントでライアンが乗っていたので、そのまま行かせるという案もあったんですが、今回はレギュレーション上、ドライバーチェンジによるタイムロスがほとんどないので、だったらリフレッシュしたあとのピカリエロに行かせたほうがいいかなと」(一ツ山)
ピカリエロは3~4番手を走るAudi R8 LMSとほぼ同タイムの速いペースで周回を重ね、最終的には8番手でゴールしました。
決勝結果
P1 #888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racing マロ・エンゲル/ラファエル・マルチェロ/トリスタン・ヴォーティエ
P2 #43 Mercedes-AMG Team Strakka Racing ルイス・ウィリアムソン/マキシミリアン・ゲーツ/アルバロ・パレンテ
P3 #6 Audi Sport Team Absolute Racing マルクス・ウィンケルホック/クリストファー・ハース/ケルビン・ファン・デル・リンデ
P8 #21 Audi Team Hitotsuyama リチャード・ライアン/富田竜一郎/アレッシオ・ピカリエロ
チーム代表 一ツ山亮次のコメント
今シーズンのSUPER GTではなかなか思い通りのレースができずにいましたが、今日はレースらしいレースができたと思います。ドライバーやチームにミスはありませんでしたし、事前にしっかりと準備したおかげでマシンもほぼトラブルなしで10時間を走り抜くことができました。
本当は日本勢でトップを狙っていましたので、日本勢で2位、全体で8位という結果は非常に悔しいです。ただ、SUPER GTではタイヤの差によるパフォーマンスの変動がありますが、今回はピレリのワンメイクということで、全チームがイコールコンディションで勝負をしました。その状況で私たちの本来の力が見えたという意味では面白いレースができたと思います。海外からの強豪を相手にトップ10入りできたのは決して悪い結果ではないので、この勢いのまま次のSUPER GTが行われ る菅生に乗り込みたいですね。引き続き皆さんの応援をお願いいたします。
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