今季もF1も、サマーブレイク真っ只中。しかし連日のようにドライバーたちの来季の去就が報じられており、実に慌ただしい夏休みとなっている。
そうこうしているうちに、次の週末にはスパ・フランコルシャンでベルギーGPが開催され、シーズン後半が幕を開ける。
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前半戦を終えた段階でドライバーズランキングの首位に立っているのは、メルセデスのルイス・ハミルトン。2番手のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に対して24ポイントという大きなリードを築いている。
2014年に現行の”V6ターボ+熱&運動エネルギー回生システム”いわゆる”パワーユニット”規則が導入されて以降、毎年圧倒的な強さを誇ってきたメルセデス。昨年まで、実に4連覇(ハミルトン3回、ニコ・ロズベルグ1回)を果たしてきた。そこからすれば、現状の24ポイントリードは当然の結果と感じられる。しかしこのリードは、昨年までとは状況が大きく異なると言えよう。
その最大の違いは、マシンのパフォーマンスにある。
昨年までは、メルセデスのマシンがライバルたちよりも一歩抜きん出ていた。そのため、多少のミス等があってもその速さでなぎ倒す、そんな力強さがあった。しかし今年のメルセデスには、そんな力強さはほとんどない。
フェラーリは特に昨年から、そのパフォーマンスを急速に進化させてきた。そしてついに今年、メルセデスを上回る性能を発揮するまでになった。特にフェラーリがアップデートを投入したカナダGP以降はその差が広がりつつあり、直近のハンガリーGPでは、0.7%の差が生じていた。1周1分30秒のサーキットならば、0.63秒の差がたった1周でついてしまうという計算だ。
【ハンガリーGPの全マシンパフォーマンス】
1. フェラーリ 100
2. レッドブル 100.565
3. メルセデス 100.705
4. ハース 101.591
5. ルノー 101.606
6. マクラーレン 101.957
7. トロロッソ 102.146
8. ザウバー 102.623
9. ウイリアムズ 102.653
10. フォースインディア 103.111
※予選ベストタイム(セクター別)により算出。数値が大きいほど、マシンが遅いということを示している。
純粋にマシンのパフォーマンスだけを評価するならば、フェラーリは今季ここまでに7勝を挙げていなければならなかった。しかし、実際には4勝止まり。対するメルセデスは、4勝しかできないはずのところ、5回も勝っている。その結果、ランキングでもハミルトンがリードすることとなったのだ。
■フェラーリ、パフォーマンス数値1位のレース
7レース:バーレーン、中国、アゼルバイジャン、カナダ、イギリス、ドイツ、ハンガリー
■フェラーリ、優勝レース
4レース:オーストラリア、バーレーン、カナダ、イギリス
■メルセデス、パフォーマンス数値1位のレース
4レース:オーストラリア、スペイン、フランス、オーストリア
■メルセデス、優勝レース
5レース:アゼルバイジャン、スペイン、フランス、ドイツ、ハンガリー
この途中経過を生み出した最大の要因、それは”戦略”と”運”であると言えよう。その好例と言えるのが、ドイツGPとハンガリーGPである。
ドイツGPでは、ベッテルが悠々と先頭を走り、勝利は間違いないと思われていた。しかし降雨がその命運を分けた。
サーキットに雨が降り始めたまさにそのタイミングで、ハミルトンはピットインを行った。”いち早く雨用タイヤに履き替えるギャンブルをするのか!”と多くの人が思ったに違いない。しかしここでハミルトンが履いたのは、ドライタイヤ……この選択は明らかにミスである。雨が降りかけているのであれば、それがどう変化していくのかをしっかりと確認してからタイヤを交換するのがセオリー……もし雨脚が強くなったならば、無駄なピットインということになってしまい、大きく順位を落とすことに繋がっていたはずだ。
チームが状況をしっかりと把握し、雨が強まらないと判断したから、あのタイミングでドライ→ドライの交換を選択したのかもしれない。しかしこの後、ハミルトンに対するピットインの指示が混乱し、一度はピットエントリーに入ったものの、グラベルをまたいでコースに復帰するという事件も起きた。もしチームが状況をしっかりと把握できていたならば、そんな混乱は起きなかったはずだと思うのだが……。
結局雨脚が強くならなかったため、ウエットタイヤに交換する必要性は生じず、さらに首位を走っていたベッテルが自滅したこともあり、ハミルトンはドイツでの勝利を手にした。まさに幸運によりつかんだ勝利だった。
ハンガリーGPのメルセデスも、幸運に見舞われた。前述の通り、ハンガロリンクでのメルセデスは、フェラーリに大差をつけられていた。あくまでパフォーマンス上では。しかし、予選で雨。これはメルセデスにとっては救いの雨となり、マシンの性能差を埋めることができたことで、フロントロウを独占することに成功。決勝はドライコンディションとなったが、抜きにくいコース特性の恩恵もあずかって、首位の座を明け渡すことなく、チェッカーまで駆け抜けたのだ。
さて、まもなく後半戦がスタートするが、この幸運がずっと続くはずもない。現状では、パフォーマンスの面ではフェラーリの方が確実に先行している。これを埋め、自力で勝利することができなければ、簡単に逆転されてしまうだろう。ポイント差は24……リタイアも絡めば1戦で簡単にひっくり返ってしまう差であると共に、ベッテルにはまだ自力タイトルの可能性が十分に残されている。
ポイント上はメルセデス優勢、しかし実際のところはフェラーリ有利……そんな状況で前半戦は幕を下ろした。果たして、11月のアブダビGPを終えた時点では、どんな結末が待っているのだろうか?
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