車輪の付いたエンジン付きの乗り物で楽しむ遊園地のゴーカートもモータースポーツだ
突然、「モータースポーツを始めよう!」と言われて、あなたはまず何をイメージするだろう。多くの人がレースをすることをイメージするだろう。また最近ではWRCでのトヨタの活躍によって、「ラリーもいいかも」と思うかもしれない。それはそれで正解である。しかし今回は、モータースポーツとはもっと手軽にできる、というところから話を進めていきたい。モータースポーツを始めるにあたって、誰もがまず思うのは、大前提として運転免許を取得している、クルマを持っている、さらに突き詰めていけば競技ライセンスが必要である、ということになるのではないだろうか。それは正解である。さらにヘルメットやグローブ、レーシングスーツなど装備も必要であると思ったならば、それは正解中の正解、まさに大正解である。
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だが「そんなもの一切必要ない」と言ったら、多くの人が「うそでしょ?」と答えるのでは?それはモータースポーツとは、ひとつの形態に限られたものではないからだ。極端な話、遊園地のゴーカートだってモータスポーツのひとつだし、ジムカーナや近頃流行りつつある、オートテストのようなタイムトライアルだって、モータースポーツのひとつ。また自家用車でサーキットを走ることだって、たとえタイムや順位を競わなくても、それはモータースポーツであるからだ。
要はエンジンのついた乗り物で楽しむ、競うことのすべてがモータースポーツなのだ。かといって、峠や高速道路を走ることを、あえてモータースポーツと呼ばないのは、閉鎖されていない公道を走るからであって、危険も伴うため。自分にいくら腕に覚えがあろうとも、ブラインドコーナーの向こうから対向車がセンターラインを割って来たら、果たしてどれだけの人が安全に回避できるだろうか。ならば、ラリーの場合は……と思う人もいるかもしれないが、SSと呼ばれる競技区間は許可を得てクローズドされた場所に限られ、SSとSSをつなぐリエゾンと呼ばれる非競技区間では、あくまで道交法が厳守され、制限速度を守って走らなくてはならない。ラリーは公道も用いるモータースポーツではあるものの、ルールや秩序を厳守しなくてはならないというのを、いい機会であるから頭の中に入れておいてほしい。まぁ、せっかくこういうコラムを書く機会をいただいたのだから、そんな難しい話はもうここまでにしよう。これから、モータースポーツのさまざまな楽しみ方を紹介していきたいと思う。
まずはレンタルカート にチャレンジしてみよう!
免許がなくてもモータースポーツができるとは、本当の話である。それがレンタルカート。先に述べた遊園地のゴーカートをイメージしてもらった上で、より本格的なものと考えてほしい。文字どおりコースの所有するマシンを、レンタルして走らせるというものだ。時間貸し、または周回数ごとコースによって違いはあるかもしれないが、リーズナブルな金額で走ることが可能である。走行するために必要な安全装備は、ヘルメットやグローブ、肌を露出させない長袖のシャツ(長ズボンは自身で用意)も貸し出してもらえるところがほとんど。
外から見た印象では、遊園地のゴーカートほどではないにせよ、そんなに速いという印象は受けないだろう。また、上手な人ほどスムーズに走らせるから簡単かな……、と思うかもしれないが、実際に走らせるとビックリするはず。まず思った以上に速いと。これは目線の低さによるもので、体感速度は実際に出ている速度の3倍とも。風景が驚くほど流れて見えて、そう感じさせるのだろう。
そしてハンドルが重い。しかも、ほんの少し切っただけで、コーナーを曲がってしまう。これは、パワーステアリングはおろか、補助装置の一切が取り付けられていないからだ。慣れないうちは、間違いなくほんの数周で、腕がパンパンに張ってしまうはず。だが、その分、路面の状態を把握しやすく、慣れれば慣れるほどに最小限の舵角(ハンドルを切る量)で走れるようになってくるだろう。もちろん、ひとりで走ってどこまでタイムを詰められるか、あるいは基準タイムにどこまで近づけるか楽しむのもいいが、貸切にしてしまえば数名でのレースも可能。競い合う楽しみを感じられるようになったら、あなたはもうモータースポーツに、どっぷりハマったも同然だ。
ところで、どこに行ったらレンタルカートに乗れるのか、そう思った方もいるに違いない。これが簡単!インターネットで「レンタルカート 」と検索すればいい。併せてお住いのエリアを入力すると、これがびっくりするほど、全国いたるところにあって、東京23区にも存在する。モータースポーツというと移動にはクルマが欠かせないという印象もあるが、その”シティカート”は京成関屋駅から徒歩5分。本当に免許がなくても行けるというわけ。しかも、ナイター設備が整っていれば、21時ぐらいまで営業しているコースも多く、ヘルメットやグローブも貸してくれるから、仕事帰りにぷらっと手ぶらで楽しめるのだ。
また通常、身長が140cm以上あれば、子供でも乗ることができるし、中にはキッズカートも準備しているコースもあるので、自分で楽しむだけでなく、”子供をレーサーに”と思っている親御さんの英才教育第一歩としてもいいかも!
シティカート TEL03-3882-0027http://www.precision.co.jp/citykart/
(レポート:秦 直之)
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