2018 JAPANESE FORMULA 3 CHAMPIONSHIP
RACE REPORT Vol.04
第7戦/第8戦/第9戦
7月28日(土)~29日(日)
岡山国際サーキット
全日本F3第7戦:宮田莉朋がポール・トゥ・ウインで2連勝。笹原が3戦連続表彰台
7月28日(土)~29日(日)、全日本F3選手権シリーズRound 4(第7戦、第8戦、第9戦)が、岡山県の岡山国際サーキットで開催された。今大会は、1大会3レースイベントであり、公式予選で記録したベストラップタイムで第7戦、セカンドベストラップタイムで第8戦、第7戦決勝レースの順位で第9戦のスターティンググリッドを決定するという規則が適用される。台風12号が関東地方から接近、週末に天候悪化が見込まれるという状況のなか、レースウイークが始まった。
公式予選
7月26日(木)と27日(金)に専有練習走行が行われ、笹原は快調にタイムを縮めてトムス2台に迫る3番手につけ、勢いに乗って土曜日の公式予選に臨んだ。28日午前10時20分から30分間の公式予選が始まった。天候は曇りでドライコンディションながら気温、路面温度ともに前日より低下している。
1大会3レースイベントの規則で、週末に使用できるドライのニュータイヤは3セット。チームは、日曜日の2レースがウェットコンディションになりドライタイヤは使わないと予想し、ニュータイヤを残さず3セットとも予選のタイムアタックに使う作戦をとった。
まず1セット目のニュータイヤでコースインした笹原は、前日までとは異なるフィーリングに戸惑った。ウォームアップしてもグリップが十分に高まってこないのだ。結局1セット目のベストタイムは5周目に記録した1分23秒364で、順位は6番手にとどまった。
気温、路温の影響でタイヤが充分に暖まらないと考えた笹原は2セット目のニュータイヤに交換してコースイン、今度は意識してタイヤに負荷をかけ発熱を促しながらウォームアップを行い、タイムアタックを行った。結果、11周目に1分23秒016、12周目に1分23秒080を記録、順位を5番手に上げた。
笹原はピットへ戻って3セット目のニュータイヤを装着、さらにタイムアタックを続けようとした。ところがウォームアップが終わったところでコース上に停止車両が生じて赤旗が提示され、セッションはここで打ち切りとなった。結局笹原は3回目のタイムアタックができないまま公式予選を終えることになった。
この結果、2セット目で記録したベストタイム、セカンドベストタイムにより第7戦、第8戦ともスターティンググリッドは5番手と決まった。
第7戦決勝
大会組織委員会は、接近する台風12号が岡山地方を直撃するコースを進んでいることを考慮し、タイムスケジュールを変更して、当初は午後3時50分、25周で開催予定だったシリーズ第7戦を午後1時55分、18周のレースに短縮して行うことを決めた。
チームは予選状況を踏まえ、予選で用いたニュータイヤよりも前日までの専有走行で用いたユーズドタイヤ向けに振ったセッティングを行い、笹原をコースへ送り出した。
上位車両に予選でのペナルティが下された結果、笹原は4番手からスタートすることになった。スタートの瞬間、3番手スタートの#2阪口選手がエンジンストールして停止、笹原はその前へ抜け出したが加速が鈍く、後方から#8片山選手の先行を許してしまい、4番手のままレースを始めることになった。
笹原は1周目から#8片山選手の背後についてオーバーテイクのチャンスを探り始めた。しかし5周目、#8片山選手にジャンプスタートの判定が下りドライブスルーペナルティが科せられたため、笹原の順位は3位に繰り上がった。しかしこの時点で先行するトップ2車は4秒4先行していた。
笹原は追いすがったが、トップエンドでの伸びが不足気味で、背後の#1金丸選手は引き離したものの、2番手の#36坪井翔選手との間隔も少しずつ開いていった。結局笹原は2番手から8秒542の差で3位のままチェッカーフラッグを受け、第5戦から3戦連続で表彰台に上がることとなった。
第8戦決勝
大会組織委員会は、接近する台風12号の進路を考慮し、タイムスケジュールを再度変更して、28日(日)に開催予定だったシリーズ第8戦を前倒しし、27日(土)の午後5時25分から18周で行うことと決めた。
チームは第7戦での状況を分析し、トップエンドの伸びを促すためギヤレシオを下げ、それに伴って変化するタイヤへの負担を考えリヤのダウンフォースを増やすとともに前後アンチロールバーの調整を行った。
このレースでは温存したニュータイヤでスタートする選手がいたが、笹原は公式予選でニュータイヤを3セットとも使っていたため、ユーズドタイヤでスタートすることになった。ニュータイヤを3セット公式予選に投入したのは日曜日の雨天を予想し、公式予選を重視した作戦だったが、公式予選が不振だったうえにタイムスケジュールが変更された結果、作戦は裏目に出た形となった。
太陽も傾いた午後5時25分、フォーメーションラップが始まり、スタートが切られた。5番手からスタートした笹原はうまく加速、第1コーナーから第2コーナーにかけて4番手の#93大湯選手のアウト側に並びオーバーテイクしかかるが、コース外側にオーバーランしてしまい、なんとかコースに踏みとどまったものの、後続車に抜かれ逆に順位を7番手にまで落としてしまった。
笹原は6番手の#1金丸選手の背後につけ逆襲のチャンスを狙うがなかなか順位を入れ替えることができず、この間に上位に引き離されてしまった。笹原は何度も#1金丸選手に攻め寄ったがオーバーテイクには至らず、7番手のままチェッカーフラッグを受けレースを終えた。
第9戦決勝
大会組織委員会は、台風が直撃する29日(日)にはレース運営が不可能と判断、シリーズ第9戦は中止と決定した。笹原は第7戦で3位、シリーズポイント5点を獲得したが第8戦では無得点に終わった。この結果、笹原はドライバーランキング4番手を守り、ThereeBond Racingはチームランキング3番手につけ、第4大会を終えた。
ドライバーコメント
「第7戦は、とりあえず最低限の結果を出せたと思います。前のクルマのペナルティに助けられた順位だし、トップ2台のペースにはついていけなかったので、あまり喜べる結果ではありません」
「第8戦は、スタートの1コーナーですべて決まってしまいました。うまくスタートし、1コーナーまでアウト側が空いていてブレーキングで結構前まで出られたのですが、相手も外側にはらんできたうえ、外側の路面がダスティすぎて、なんとか踏ん張ろうとしたものの外へ持って行かれてしまうような状態になりました」
「7番手に落ちてからは、継続してプッシュしましたが、なかなか追い付かなくて、最後の方に何とかチャンスが来たものの、決め手に欠けてそのまま終わってしまいました。とにかく悔しい週末でした。でも第7戦で表彰台に上がってシリーズポイントを獲得したのは、レース内容は納得できなかったにせよシリーズ後半戦に向けて大きな意味があったと思います」
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