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スポーツ 2018.8.2

ガスリー、三位一体のパフォーマンスでハンガリーGP“Bリーグ”を制覇【今宮純のF1ドライバー採点】

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 F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。今回は第11戦ドイツGP、第12戦ハンガリーGPの2戦分だ。 

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☆ カルロス・サインツJr.


 前戦ドイツGP決勝ではペナルティによる降格で10位を失ったが、今回のハンガリーGPではしぶとく粘り4戦ぶりの入賞。光った雨の予選、ウエットタイヤで周回を重ねて得た5位は2018年シーズン、ルノーのベストリザルトだ。戦意旺盛なのが先輩フェルナンド・アロンソに似てきている。

☆☆ ケビン・マグヌッセン


「うちはウエット・タイヤのデータが無くて」とハースの富塚裕エンジニアは認めていただけに、ハンガリーGP予選9番手は彼の力量だ。レース終盤は燃費が厳しくトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーを追い込めず7位。2018年シーズンは第2戦からすべて完走中なのだ(入賞率64%)。

☆☆ ストフェル・バンドーン


 ドイツGPで深刻な“シャシー問題”を抱え、連戦のさなかチームは別シャシーに全とっかえ。その効果がハンガリーGP決勝で見られ、アロンソと入賞圏を編隊走行。49周にマシントラブルでリタイアとなったもののサマーブレイク明けベルギーで開催されるホームGPに期待をつなぐ。

■ドイツGPでは痛恨のミスでレースを落としたセバスチャン・ベッテルだが……

☆☆ フェルナンド・アロンソ


 この2連戦、初日フリー走行は“開発テスト”に専念。目前のレースではなく、これから先のために励む姿勢にチーム再建の意志が。37歳誕生日に8位入賞、ささやかながらチームと自身に4ポイントをプレゼント。

☆☆☆ バルテリ・ボッタス


 次期契約が発表されたドイツGPとハンガリーGPでは、レース展開上ハミルトンを“アシスト”することに。内心複雑な思いをのみこみ、チームのために力走。ソフトで最長55周、変調したタイヤでは最終盤に5位ダウンもやむを得ない。

☆☆☆ マックス・フェルスタッペン


 ホッケンハイムの1コーナーとハンガロリンクの4コーナーは、彼のステージだった。10KMH以上(推定)他よりも速く、自分で自分の限界を高めていた。それだけに自分ではどうすることもできないメカニカルトラブルに怒り心頭。5周リタイア直後に無線で「魂の叫び」が流れた。

☆☆☆ セバスチャン・ベッテル


 シーズン中、1度はドライビング・エラーを犯すことがある。16年マレーシアGP、17年はシンガポールGPでやってしまった。その状況はさまざまでもドイツGPの52周目のスピン、クラッシュは痛恨の結末。

 母国で勝利とポイントリーダーの座を失ったのだから。しかし連戦日程なのがメンタル面ではかえってよかったのではないか。落ちこむとか考えすぎる時間も無く、コクピットに戻れたから(ベッテルの性格を思うとそうだ)。ハミルトンはそうではない。かつての同僚ロズベルグは「一度なにかやってしまうと、ルイスはそれを引きずる性格」と言っている。“ゼロ・レース”直後の2位には2位以上の価値あり。

■ハンガリーGPで“Bリーグ”優勝を飾ったピエール・ガスリー

☆☆☆☆ キミ・ライコネン


 5戦連続8回目の表彰台はベッテル7回より多い。今季未勝利という結果は事実だがベッテルと対比すると彼は、異なる戦略や戦術を(不満でも)受け入れてレースを全うしている。最年長ベテラン、「大人のレース」である。猛暑ハンガリーGPではドリンクシステムに不備があっても昔から暑さは平気。フィンランド人は『サウナ』好きだからとか……。

☆☆☆☆ ダニエル・リカルド


 またハンガロリンクで見せてもらった、達人リカルド流オーバーテイクの極意。1~2~3コーナーにかけて彼はこうやる。1コーナーでは無理に仕掛けず、2コーナーでアウトラインから並んでいき、下りこむ3コーナーでそのままインラインをとってかわすのだ。先の先を読むリカルド流『忍びの技』――。

☆☆☆☆ ルイス・ハミルトン


 ドイツGPの14位から逆転勝ちの後、ハンガリーGPでは金曜フリー走行の絶不調から逆転PPウイン。勝因はセッティング大変更だけでなく彼自身ドライビングを修正、クリッピング・ポイントを奥に深くとるように変えていた。雨の予選ではアクセル・ワークもしなやかタッチ、デフやブレーキなど細かくコクピットで設定を変えていた(はずだ)。PPラップは誰よりもホイールスピンが少なかった。

☆☆☆☆☆ ピエール・ガスリー


 祝・ハンガリーGP“Bリーグ優勝”、第2戦バーレーンGPに次ぐ2勝目。ホンダPU(パワーユニット/エンジン)のドライバビリティ+トロロッソのトラクション+ガスリーの気迫、三位一体による成果だ。雨の予選で際立ったセクター3、フェルスタッペンに0.564秒差をつけセクター1と2の遅れを取り戻した。

 90度ターンの12コーナーと180度曲がるターン13&14の攻めこそ、三位一体パフォーマンス。スタートでフェルスタッペンに行かれてもサインツをすかさずパス。6位ポジションを堅持、オープンエアのなかウルトラソフトで最長32周は完璧なタイヤマネージメントだ。

 1位ハミルトンと同ラップの73.273秒差、セーフティカー導入はなく70周を“1周1秒遅れ”ペースで実力走破。この貴重なデータを徹底解析することが後半戦につながる。トロロッソ・ホンダ、夏のいい『中締め』だった。

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(AUTOSPORT web )

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