7月10日、SUBARU(スバル)が新中期経営ビジョン「STEP」についての記者発表を行なった。完成検査問題に象徴される問題の膿を出し切り、企業風土を改革することで信頼を回復することを最優先事項に掲げた新経営ビジョンの内容については、多くのメディアにより報道されているだろう。筆者も、同記者会見に参加したが、ここでは、その記者会見にて筆者自身が質問した一点について、報告したい。
新社長に就任、新しい経営ビジョン「STEP」を発表した中村知美氏に質問したのは「モータースポーツ活動の価値をどのように考えているのか?」ということ。「STEP」の中では具体的にモータースポーツについて記されてはいないが、SUBARUというブランドを強化していくために、コミュニティの充実に注力するということは記されている。いまやSUVが中心となっているブランドと考えれば、モータースポーツについてのプライオリティが下がっている可能性もあり、そのあたりについて中村社長の言葉を聞きたかったからだ。
記者会見でのやり取りだけで受けた印象としては、スバルはモータースポーツを大事にしていくということだった。筆者の質問に対して、おそらくWRC復帰のようなニュアンスを感じたのだろう、中村社長はワークス活動としてのモータースポーツを進めることは厳しいという返答であったが、その一方でモータースポーツがファンづくりに欠かせないと認識していることを強調、各国の行なっているモータースポーツ活動についてはしっかり支援していきたい、という意気込みを示した。
具体的なカテゴリーについての言及はなかったが、日本でいえばスーパーGT(BRZ)、アメリカではラリークロス(WRX)、イギリスでのBTCC(レヴォーグ)といったモータースポーツに各国独自の組織において参戦している。こうした活動を支援していくということだろう。もちろんスバルの十八番といえる市販車を用いたラリー活動についても同様だろう。
しかしながら、モータースポーツをブランディングとするには常勝である必要はなくとも、勝てるという期待値を高めていくことは重要だ。今回の中期経営ビジョンにおいて描かれた商品企画のロードマップには『スポーツモデルの充実、STIモデルの進化』という文言もあった。そうした商品企画とブランディングを考えれば、モータースポーツにおける結果は重要であり、これまで以上の支援により成績を残すことを必須とする段階とも感じているが、スバルの新ボードメンバーにおいてモータースポーツが、どのように評価されていくのか、注目していきたい。
(文:山本晋也)
■新中期経営ビジョン名称「STEP」の意味
本ビジョンが大切にしている4つの要素、「Speed(スピード)」、「Trust(信頼)」、「Engagement(共感)」、「Peace of mind & enjoyment(安心と愉しさ)」の頭文字であると共に、来るべき「JUMP」に備えて着実に地力をつける期間、という意味が込められている。
■新中期経営ビジョン「STEP」ページ
https://www.subaru.co.jp/ir/management/plan/
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