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スポーツ 2018.7.11

【F1イギリスGP 無線レビュー】不運に見舞われながらも、母国のファンの前で力走を披露したハミルトン

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 スタート直後のターン3でルイス・ハミルトンのマシンがスピンした瞬間、シルバーストンは悲鳴に包まれた。コクピットの中のハミルトンも同じだった。

ルイス・ハミルトン(以下:HAM)「あぁ~、クソッ! クルマが壊れたと思う。右リヤにダメージがあると思う」

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メルセデス(以下:MGP)「了解、チェックしているところだよ。タイヤ内圧は問題ない」

 キミ・ライコネンとの接触はタイヤとタイヤで、奇跡的にダメージはなかった。しかし最後方から追い上げを始めたハミルトンは、当初はマシンにダメージがあるかもしれないと弱気だった。それをレースエンジニアのピーター・ボニントンが冷静に励ます。

 彼にとってもここは母国グランプリであり、ハミルトンにとってどれほど重要なグランプリであるかも充分すぎるほど理解している。

HAM「フロアの半分は失っていると思う、間違いない」

MGP「ダメージはあるかも知れないが、データ上ではそれほどロスは見えない。まだチェックしている」

 4周目には12番手、5周目には11番手とハミルトンは中団グループを次々とパスしていく。それでもまだハミルトンの心は不安だった。

MGP「君は良くやっている、バトルし続けろ。ポイントを獲れるところまで挽回しよう」

HAM「みんな本当にゴメン……」

MGP「問題ないよ。落ち着いていこう、気にするな」

HAM「リヤエンドにダメージがあると思う」

MGP「まだやれるよ」

HAM「リヤタイヤが保たないかもしれない。どれだけ走れるか分からないよ」

MGP「我々は常にモニターしている。(空力による)荷重の数値は全てOKだ」

 6周目、ハミルトンはケビン・マグヌッセンを抜いて10番手、ポイント圏内まで復帰した。すでにテレメトリー上でマシンにダメージがほとんどないことははっきりしていた。それを聞いてハミルトンも安心し、集中力を取り戻した。

MGP「P10だ。ポイント圏内に戻ったぞ」

HAM「どれだけ荷重が減っている?」

MGP「2%だ。SAI(カルロス・サインツJr.)は2秒後方、ペースは36.0」

 ハミルトンには首位セバスチャン・ベッテルと2位バルテリ・ボッタスのラップタイムが伝えられ、チームとしても首位争いを諦めてはいないという意志が伝えられる。9周目にはボニントンが改めてマシンのダメージがないことを伝えた。ハミルトンは10周目にニコ・ヒュルケンベルグを抜いて6番手、つまり3強チームの争いに復帰した。

MGP「VET(ベッテル)33.3、BOT(ボッタス)33.7。セクター3でパープル(最速タイム)。フロアのダメージは小さそうだ。レース展開は強力だ。落ち着いていこう」

HAM「(上位勢とは)どのくらい離れている?」

MGP「次はRIC(ダニエル・リカルド)で12秒前方。とても上手くトラフィックを抜けたよ。(ピットインまでの周回数は)ターゲット+2だ」

 13周目にはライコネンがピットインし、20周目を迎えると首位ベッテルもタイヤに苦しんでピットインし、ハミルトンの目の前でコースに戻ってきた。ベッテルと首位を争う僚友ボッタスもピットインしハミルトンの後方に戻ったため、チームはハミルトンに新品タイヤのボッタスを先行させるよう指示した。

MGP「ピット出口でVETと争いになる。ターン3はまだ黄旗だから注意しろ」

HAM「タイヤはまだグッドだ」

MGP「了解。BOTが2.3秒後ろだ、ホールドアップするな」

 23周目に「タイヤが少しドロップし始めた」とハミルトンが伝えると、25周目にピットイン。ここから最後までミディアムタイヤで走り切る戦略だ。フェラーリはライコネンが2ストップ、ベッテルは1ストップを目指すがタイヤマネージメントはメルセデスAMG勢よりも厳しく、逆転のチャンスはまだある。

MGP「残り29周、ノーマルアウトラップでいけ」

HAM「僕のポジションは?」

MGP「今P6。まだまだやれる。RAI(ライコネン)は33.4、10秒前方だ。彼は2ストップ作戦だと思われる」

 ハミルトンはファステストラップを刻みながら前を追いかけていく。しかし32周目にマーカス・エリクソンがターン1でクラッシュしセーフティカーが導入されると、フェラーリ勢とレッドブル勢がピットインし新品のソフトタイヤに履き替えたのに対し、メルセデスAMG勢はステイアウト。

 ポジションはボッタスとベッテルに続く3番手に浮上したが、ハミルトンには1週間前のオーストリアでの悪夢が蘇った。中古のミディアムで新品のソフトと戦うことに不安の色を示した。それを再びボニントンが冷静にフォローする。

HAM「新品タイヤの連中となんて戦えないよ」

MGP「ずっと君がコース上で最速だった。諦めるな、結果はすぐそこだ。このタイヤは充分に最後まで耐える。路面温度も下がってきている」

HAM「タイヤは何周違うんだ? このタイヤじゃ(VETは)抜けないよ」

MGP「タイヤエイジの差は大きくない。君のペースはすごく良かった。デグラデーションもすごく良かった」

HAM「第1スティントのタイヤは良かったけどこのタイヤはそれほどじゃない」

MGP「データ上ではとても良いよ」

HAM「OK」

MGP「残り15周だ」

 レースは再開直後にサインツとロマン・グロージャンのクラッシュで再びセーフティカー導入。これで新品タイヤのメリットはやや削がれ、ミディアムタイヤのライフも助かり、メルセデスAMG勢にとっては幸運だった。

HAM「パワーについて何か情報はない?」

MGP「データ上は特に問題はないよ。残り10周、あとは(無線を控えて)君に任せるよ」

 残り10周、ボニントンはコース上での四つ巴の激しいバトルを予想し、ハミルトンが集中できるよう無線交信は控えると伝えた。

MGP「後ろはRAI、ギャップは1.2秒」

HAM「グリップが低い!」

MGP「OTボタンを使ってもいいぞ」

 再開直後の後続ライコネンのDRSの有無を伝える無線以外は最小限に。ボッタスがタイヤのタレに苦しみ後退してからは、ベッテルとの一騎打ちになった。しかし元々が僅差のフェラーリ対メルセデスAMGで、ソフトタイヤとミディアムタイヤでは勝ち目はなかった。

 結果は2.264秒及ばず2位。地元14万大観衆の前で優勝が絶対と自ら使命付けていたハミルトンはこの結果に項垂れたが、ボニントンはハミルトンを賞賛し励ました。

MGP「よくやった、ルイス。本当に素晴らしいドライブ、素晴らしいリカバーだった。P2だ。素晴らしい努力だ」

 そして最後にこう言った。

MGP「勝利はまた次にとっておこう」

 来年のイギリスGP、ハミルトンはこのチームに残りボニントンとともに雪辱の勝利を目指すに違いない。



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