全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦富士の決勝レースが行われ、ニック・キャシディ(KONDO RACING)が優勝を果たした。
前日までの荒れた天候が嘘のように、晴れ渡った7月8日の富士スピードウェイ。路面温度は40度と、非常に高まった。上位勢の多くがソフトタイヤを履いてのスタートを選択。一方後方勢はミディアムタイヤを履いてグリッドについた。
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17番グリッドのトム・ディルマン(UOMO SUNOCO Team LeMans)は、フォーメーションラップに出て行く際にエンジンストールを起こしたが、メカニックの作業によりエンジン再始動。隊列に加わることができた。
ポールポジションにつけたのはニック・キャシディ(KONDO RACING)。キャシディはスタートでコースを横断するように後続のマシンを牽制。なんとかポジションをキープする。2番手には石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が上がり、3番手には絶好のスタートを決めた関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がジャンプアップ。関口は一時先頭の2台に並びかける、抜群の伸びだった。以下山本尚貴(TEAM MUGEN)、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)と続く、10番手スタートの松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が6番手まで浮上してみせた。
レース序盤、ミディアムタイヤ装着で最上位につけたのは、7番手の国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)。8番手平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)もミディアムタイヤを履いていた。それ以降のマシンでソフトタイヤを履いたのは大嶋和也(UOMO SUNOCO Team LeMans)とダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)の2台のみ。ただ、彼らのペースはミディアムタイヤ装着勢に比べると圧倒的であり、次々にオーバーテイクを成功させて行く。
先頭のキャシディと2番手石浦は1秒程度の間隔をあけてレースをコントロール。3番手関口はトップ2台について行くことができず、徐々にその差を広げられていってしまう。
9周を終えたところで、伊沢拓也(NAKAJIMA RACING)や小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、トム・ディルマン(UOMO SUNOCO Team LeMans)らがピットイン。たまらずペースの速いソフトタイヤに交換する。これで彼らは周回遅れとなってしまう。また、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)も10周終了時点でピットインし、こちらもソフトタイヤに交換した。11周目には国本、塚越広大(REAL RACING)らもピットイン。各チームともソフトタイヤが正解だと判断したようで、早々に全車がソフトタイヤを履くという状況になった。
14周目、先頭を行くキャシディは、ピットストップを終えたばかりのマシンの隊列に追いついてしまう。ただ、新しいソフトタイヤを履いている上バトル中であり、そう簡単に抜いていくことができない。そればかりか、キャシディはタイヤ交換を終えたマシンに差をつけられ始めていく。一方タイヤを交換した中で最も前を走ることになった国本は好ペースで飛ばし、タイヤ未交換組との差を縮めていく。
3番手を走っていた関口は、24周を終了したところでピットイン。平川の後ろ、10番手でコースに復帰する。つまり国本、平川に先行を許してしまった格好だ。
27周目、中嶋がターン1で山本をオーバーテイク。3番手に上がる。中嶋に抜かれた山本はすぐにピットインし、ミディアムタイヤを装着。関口の後方でのコース復帰となった。
28~29周目、山下健太(KONDO RACING)と伊沢が抜きつ抜かれつのバトルを展開。観客を沸かせた。
30周を走り終えた段階で、ティムトゥムもピットインを行う。コースに戻ったティクトゥムは、首位キャシディの目の前でコースに復帰。キャシディはこれに引っかかってしまい、石浦の攻撃にさらされることになってしまう。両者揃ってオーバーテイクシステムを発動させたが、キャシディはなんとかポジションを守ることに成功した。
ソフト→ミディアムと交換したマシンは、軒並みペースに苦しむ。そのため、上位2台はタイヤ交換のタイミングに悩む。
KONDO RACING、P.MU/CERUMO・INGING共にピットストップの準備を整える中、キャシディが35周を終えた段階でピットイン。一方で石浦はステイアウトを選択。前が開けた石浦はオーバーテイクシステムも使い、一気にペースアップし、ピットストップでの逆転を狙う。
なかなかピットに入らない石浦。ただ、実質的に首位を争うキャシディの方がペースが上回り始める。そして40周を走り終えたところで石浦もピットへ。石浦は一瞬ストールしかけたが、大きなタイムロスなくコースに復帰する。ただ、先にターン1に入っていったのはキャシディ。石浦はキャシディの3秒後方でのコース復帰となった。
中嶋は42周を走り終えた時点でピットインし、6番手でコースに復帰。大嶋は44周目を終えたところでピットに入り、これで全車がタイヤ交換を終えたこととなった。大嶋は7番手でコースに復帰。また国本がこの時点で3番手に浮上、P.MU/CERUMO ・INGING勢がトップ3中2台を占めることとなった。
一時4秒近くまで開いたキャシディと石浦の差。石浦はペースを上げ、その差を3秒以下にまで縮めるが、それ以上縮めることは叶わず……結局再び差が開いていくことになる。
54周目、10番手を走っていた山下健太は、ジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM’S)に仕掛ける。しかし、コカ・コーラ・コーナーで両者接触。山下はコース外でマシンを止めることとなった。
その山下のチームメイトであるキャシディは、石浦に4.2秒の差をつけてトップチェッカー。ポール・トゥ・ウインで自身の初優勝を飾ると共に、チームに久々の優勝をもたらした。2位には石浦、3位には国本と、P.MU/CERUMO・INGING勢が表彰台のふたつを占めた。4位平川、5位中嶋、6位関口、7位大嶋という結果。ポイントリーダーの山本は、8位に入って1ポイントを持ち帰った。
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