来年からスーパーフォーミュラで導入予定の次期マシン「SF19」のシェイクダウンテストを担当しているDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの野尻智紀。野尻はテスト初日を振り返り、最終的にはSF14のレコードタイムを上回るほどのポテンシャルを秘めているかもしれないと、SF19の印象を語った。
この日の富士スピードウェイはあいにくの雨となってしまったが、大きなトラブルもなく1日で合計53周を走破。午前中は基本的なシステムチェックやマシンバランスの確認が行われ、午後にはメインストレートを一定速度で走り、ダウンフォースやマシンの姿勢に関する変化などの確認が行われた。
SF19シェイクダウンテスト、1日目は雨に見舞われるも53周走破
「午前中は一定速のテストをするための基本的なバランスどりの作業がメインでした。ただ雨ということで、(路面上に)川もいくつかありましたし、すごくマージンを持って走りました」
そう語る野尻は、現行モデルのSF14で今日と同条件(気温や路面温度など)のウエットコンディションで走行した経験がないそうで、直接的な比較は難しいとのこと。ただ、マシン完成直後にイタリアのヴァイラーノで行われた動作確認テストでもステアリングを握っており、その時の印象を次のように語った。
「イタリアのヴァイラーノではドライコンディションで走れました。強大なダウンフォースはもちろんありましたが、それを上手に使えるようになると今のクルマ(SF14)より速く走れるのかなと思います」
ダラーラ社によると今回のSF19は主にマシンのフロア部分でダウンフォースを稼ぐデザインになっており、数値上はSF14よりも大きなダウンフォースを発生させているとのこと。ただ、野尻は強大なダウンフォースを上手く使えるかどうかが、速さを引き出せる鍵になるのではないかと語った。
「これだけダウンフォースがあるクルマなので、より有効的にダウンフォースを使っていかないと速く走れないなと思いました。それは今のSF14でも同じことが言えると思っていますが、その辺は同じダラーラ社が作っているクルマということもあって、(ダウンフォースが強いキャラクターが)継承されている部分があります。そこから今のクルマと比べて、どれだけパフォーマンスを上げられるかは、今後(テストで)詰めていくことになると思います」
「ダウンフォースが抜けないように……とかを考えて作られていて、どういう状況でもダウンフォースを使って速く走らせようという方向性なのかなと思います。その反面、ダウンフォースの使い方が難しくて、上手に(ダウンフォースの)バランスをとるのは今まで以上に難しいかもしれません。日本のエンジニアさんやチームの皆さんが挑戦しがいのあるクルマだと思います」
「もしかしたら(ダウンフォースの)使い方とか、乗り方とかが難しいポイントなのかもしれないですし、よりシビアになるかもしれません。でもその反面、(セッティングが)決まったらものすごく速いかもしれない。その期待感はあります。多分100Rを全開でいけるんじゃないかと思っています」
まだ国内ではドライコンディションで走れていないほか、テストも1日目ということで基本的なデータ収集やマシンの姿勢変化に関する確認テストがメイン。全開アタックを行うのはまだまだ先になりそうだが、関係者たちの話を聞いていても、最終的にはSF14を上回るほどのポテンシャルを秘めているという期待感が高まる。セッション後の野尻の囲み会見でも、コンディションがマッチすれば鈴鹿では1分34秒台に到達する……という話も出た。
残念ながら、2日目も富士スピードウェイは雨の予報となっているが、今後のテストでどこまでタイムが伸びてくるのか、実に楽しみな印象を受けた。
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