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「ダウンフォースはF1マシンと同等レベル」ダラーラSF19プロジェクトリーダーが語る新型マシン開発背景

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「ダウンフォースはF1マシンと同等レベル」ダラーラSF19プロジェクトリーダーが語る新型マシン開発背景

 スーパーフォーミュラの2019年からの新型マシン『SF19』のシェイクダウンテストが7月3日に富士スピードウェイで行われ、午前セッション後にはJRP(日本レースプロモーション)の倉下明社長と『SF19』の製作を受けもったイタリア・ダラーラアウトモビリ社のSF19プロジェクトリーダー、ファビオ・グリッパ氏が登壇。SF19のこれまでの開発について振り返った。

 SF19はSF14の『クイック&ライト』のコンセプトを踏襲した、まったく新しく開発されたマシンながら、速さ、オーバーテイクのしやすさ、そして安全性に加え、「SF14のパーツを多く流用できるように」(JRP倉下社長)コストパフォーマンスも配慮されたマシンであることが会見で明らかになった。

F1&LMP1テイスト満載のスーパーフォーミュラ次期マシン『SF19』が富士スピードウェイでシェイクダウン

 また、SF19の発表と同時に2019年のスーパーフォーミュラの開催概要の一部も明らかになり、来期もヨコハマタイヤの2スペックが継続され、エンジンは年間2基の使用から、年間1基の使用基数となり、コストパフォーマンスのさらなる効率化が進められることになった。

 現在のSF14で使用されるOTS(オーバーテイク・システム)や、F1で今シーズンから採用されているハロ(コクピット保護デバイス)のSF19での搭載については現在も検討中であるとして、今後の発表を待つことになる。

 SF19の諸元は全長/全幅/全高/ホイールベースが5,233/1,900/960/3,115(mm)となっており、SF14の5,268/1,910/960/3165(mm)と比較すると、全長は35mm短くなり、横幅は10mm細くなっている。この中で特筆すべきはホイールベースが50mm短くなっていることか。見た目の印象もそうであるが、SF14よりも胴が短く締まったフォルムとなった印象でマシンのバランスがさらによく見え、回頭性に優れたイメージを想像させる。

 SF14とは共通パーツが多いというが、マシン重量はSF19の方が軽いとのことで、フロントタイヤが左右それぞれ10mmずつ幅広になったことと合わせて、コーナリング速度は今まで以上に高まることは間違いなさそうだ。

 SF19の開発の経緯については、今回の発表会でダラーラのSF19開発リーダー、ファビオ・グリッパ氏が解説したので、その抜粋を記す。

「SF19をデザインするにあたっては、日本の精神性、日本の心、ピュア・レースという日本を表現するアグレッシブなレースになるようなテーマでデザインをしました。ピュア・レースのフィロソフィーをもとに、現在の安全規定に沿って(剛性を上げる必要があり)世界的にフォーミュラカーの重量は重くなっているのですが、その安全規定を満たしながら、SF19は現在のF1マシンよりも80kg軽く製作できたことを誇りに思っています。その安全規定と重量を達成させるために、このカウルの中はすべて見直して、あらゆる最新技術を投入して軽く製造することができました」
F1の最新トレンドのUシェイプウイングを採用し、フロントウイングはSF14よりもフラップはひとつ増
「SF19は現在の安全規定に沿って、まずはノーズが低く作られています。ノーズを低くすると、フロントのダウンフォースが失われます。その失ったダウンフォースを取り戻すために、まずはモノコックの高さを上げ、ナロー(細く)にすることで対応しました。細くなったモノコックによって、ダラーラのエンジニアは苦労してチャレンジすることになりました。これまで以上に狭い中に、メカニカルのすべてのものを入れなければならなくなったからです」

「マシンの外観ではフロントウイングに現在のF1のトレンドでもあるUシェイプ(上からみてフロントウイング前端がU字型になる)ウイングを採用しました。SF14よりもフラップはひとつ増えています。フラップはひとつ増えるわけですが、ドラッグを増やすことなく、ダウンフォースを獲得することができました」

「ポッドウイングの採用によって、前方からもエアフローが車体に沿って後方を流れることになり、空力効率とパフォーマンスを向上させました。リヤウイングは上部が後傾するデザインでエンドフラップにはLEDブレーキランプを搭載して、特に雨の日など視界の悪い時の視認性をアップさせました」

 ダラーラはハースF1のマシン製作を受けもっているが、F1マシンとの比較でSF19のダウンフォースレベルはどのくらいなのか、という記者の質問に対して、「ダラーラはハースF1のマシンデザインや開発を担当しているわけではなく製造を受けもっているだけですが」と前置きしつつ、グリッパ氏は以下のように答えた。

「スーパーフォーミュラとはレギュレーションが異なり、現在のF1はダウンフォースを減らしている状況になります。ディフューザーも大きなものを搭載することはできません。ですので、正確に比較することはできませんがSF19のダウンフォースレベルはF1マシンと同等程度あるのではないかと思います」

 まさに、国内最高だけでなく世界最高峰レベルのフォーミュラカーと言えるSF19。今週末のスーパーフォーミュラ第4戦富士でデモランが予定されており、その後は国内で4回予定されているメーカーテストにて熟成が行われることになる。その素性、そしてパフォーマンスはいかほどのものなのか。2019年のスーパーフォーミュラがますます楽しみになる。

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