7月1日にタイ・ブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットで行われたスーパーGT第4戦の決勝レース。この戦いにGT500クラス5番手から臨んだRAYBRIG NSX-GTは、レース序盤、ウエイトハンデと燃料流量リストリクターが足かせとなりポジションダウン。またイレギュラーの緊急ピットインも強いられたため、ポイント圏外の11位に終わった。
64kg(47kgのウエイトハンデと燃料流量リストリクター径の調整91.8kg/h)というハンディキャップを背負いながら、前日の予選ではクラス5番手を確保したRAYBRIG NSX。
しかし、ジェンソン・バトンが担当した第1スティントでは5周目にWedsSport ADVAN LC500に交わされると、翌周にはカルソニック IMPUL GT-R、さらに8周目にはWAKO'S 4CR LC500と次々に交わされていってしまう。
バトンは「とても難しかった。ペースが良くない上に燃料リストリクターが効いていてタフだったよ」と、レース序盤をふり返る。
「ホンダNSXとBS(ブリヂストン)の組み合わせが全体的に苦労していたようだ。あっという間に10番手まで落ちてしまったよ。ただその後に17号車(KEIHIN NSX-GT)を捕らえられたのはうれしかった。ピットストップする前は9番手だったんだ」
「今回は多くのチームがピットストップでトラブルに見舞われていた。僕たちも問題がなければ7位くらいにはなっていたんじゃないかな」
「ナオキ(山本尚貴)にも伝えたけど、コーナリング時のムービングが酷かった。それに燃リスが効いていてアクセルを踏んでもパワーが出なくて。タフだったよ」
バトンから25周目終わりでステアリングを引き継いだ山本は「自分のスティントではなんとか挽回できると思っていた」と言うが、その数周後に緊急ピットイン。タイヤ交換などは行わなかったが、これで上位争いからは脱落することになった。
「クルマにちょっとした不具合を感じたのでもう一回ピットに入ることになりました。今回のレースではそれがすべてでしたね」と山本。
「ピットアウト後のペースは悪いものではなかったので、1回のピットストップで済ませていればポイントは獲れたのかな思います」
「クルマの調子自体は良かったので問題なかったです。自分のスティントで違和感があったのでピットに入ることになったのですが、ピットアウト後のクルマはまったく問題なかったので、自分の判断ミスだったのか、ピットでのちょっとした作業での改善なのか、まだ答えは見つけられていません」
2度目のピットを終えた山本は1分26秒台前半から1分27秒後半のタイムで周回を重ね、11位でトップチェッカー。ポイント獲得にはわずかに届かなかった。
■第5戦はシリーズ最長500マイル、「流れを見極めたい」とバトン。婚約の質問に笑みも
第4戦タイは厳しい結果に終わったが、ランキング上位のKeePer TOM'S LC500やMOTUL AUTECH GT-Rが大量得点を逃したこともあり、依然としてチャンピオン争いには名を連ねている状況だ。
迎える第5戦はシーズン2度目の開催となる富士スピードウェイでの1戦。またレース距離も500マイルと今季最長で争われるため、ハンデが重いチームにも上位入賞のチャンスが高い1戦でもある。
バトンは「5月の富士ではホンダ勢全体として厳しい戦いを強いられた。ホンダ最上位は8位で僕たちは9位だった。難しい週末になるだろうけど、レースは長いし、今回のようにどんな人でもミスはするものだ。流れを見極めたいね」とコメント。
山本は「まだレースが終わったばかりなので具体的な目標は立てられませんし、今回のレースの全体像も見ていないので分からない部分が多いのですが、次の富士でのレースまでに見直せるところ見直して、また頑張りたいなと思います」と善戦を誓った。
ちなみにバトンは先日、長年付き合ってきたガールフレンドのブリトニー・ワードさんと婚約を発表。今回のタイ戦は婚約発表後、初のスーパーGT戦となった。
「彼女との婚約を発表できてうれしいよ」と笑みを浮かべるバトン。
「ただ、特に大きな変化はない。フィアンセは僕がレースに臨む姿勢、レースを愛していることを理解してくれているんだ」
「僕は今後もレースに関わり続ける。それができなくなるまではね。彼女も活動をサポートしてくれるよ」
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