6月19日にホンダは「レッドブル・グループ)とレッドブル・レーシングに対して、2019年から2年間、パワーユニットを供給することについて合意した」と、発表した。
フランスGPを訪れていた山本雅史モータースポーツ部長に、合意までの経緯と、今後について尋ねた。
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まず発表では『契約』という言葉ではなく、『合意』という言葉となっていた点だ。
「6月19日の発表は、いわゆるMOU(Memorandum of Understanding)、覚書を交わしたということです。本契約を締結させるには詳細を煮詰めていかなければならず、非常に時間がかかります。『夏休み明けぐらいまでかけてやりましょう』ということをマルコさんと話しています」
次に『2019年から2年間』という点だ。
「契約期間の2年間は、レッドブルもホンダも同じ考えで、2021年からレギュレーションが変わるので、まず現行のレギュレーションで2年間一緒にやりましょうということです」
続いて、なぜ、合意した相手が『レッドブル』だけでなく、『レッドブル・グループ』も追加されていたのかだ。
「われわれはMotoGPでもレッドブルと仕事しているし、当然トロロッソもレッドブル・グループの一員です。そういう中で、レッドブルとトロロッソに対して違いがなく、同じ条件で仕事をするには、レッドブル・グループとも契約することを選択しました」
また今回の発表ではダブルワークス体制がとられると予想されていたが、『ワークス』という言葉は一切使用されていなかった。
「われわれもその点は議論しました。そこで明確になったことは、われわれはレッドブルとトロロッソの個々に別々の開発は行わないということでした。レギュレーションで許される範囲でレッドブル・テクノロジーに軸足を置いて、同じ仕様、同じパフォーマンスのPUを、効率よく2チームに供給するということでした。そうなると、ワークスとかセミワークスという言葉を使うのは適切ではないという結論に達しました」
レッドブルがルノーからホンダにスイッチする大きな理由として、ワークス体制を希望しているのではないかと言われているが、レッドブル側はそのことを了承しているのだろうか。
「レッドブル側もこの件は了承しています。マルコさんは『すべて同じPUのほうがデータをたくさん収集できるからいいよね』と。トロロッソからは『いまと条件が変わらないよね』ということだけしか、言われていません。同じ仕様のPUにすれば、レッドブル・テクノロジーを通して、冷却系などのデザインもより精度が高くなると思います」
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