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開幕戦鈴鹿で繰り広げられるホンダ、トヨタのスーパーフォーミュラ新旧エース対決。負けられないふたり

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開幕戦鈴鹿で繰り広げられるホンダ、トヨタのスーパーフォーミュラ新旧エース対決。負けられないふたり

 スーパーフォーミュラ2018年シーズンがいよいよ、今週末の鈴鹿で開幕を迎える。今季は期待の若手ドライバーが多く参戦。FIA F2帰りの松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に、FIA F2と並行参戦する福住仁嶺(TEAM MUGEN)の若手ホンダ系ドライバー、そして3年ぶりのスーパーフォーミュラ復帰を果たす平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)に、本山哲監督と二人三脚でB-Max Racing teamからデビューする千代勝正。

さらにブラジル人で史上初のF1チャンピオンとなったエマーソン・フィッティパルディの従兄弟にあたるピエトロ・フィッティパルディがスーパーフォーミュラに参戦するなど、個性豊かなドライバーラインアップがまずは今季のスーパーフォーミュラの見どころになる。

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 このなかでも福住はFIA F2と合わせて、今季の成績次第ではF1参戦に必要なスーパーライセンスを取得できる可能性がもっとも高く、ホンダF1、そしてトロロッソ・ホンダの次期ドライバー候補のひとりともいえる存在になる。

 また、今年の参戦ドライバーの顔ぶれで注目したいのが、ホンダ、トヨタ、各メーカーの「次期エース」バトルだ。

 ホンダは山本尚貴、トヨタは石浦宏明、中嶋一貴がスーパーフォーミュラでのエース格と認知されいているが、ホンダ若手の福住と松下が山本にどう挑み、そしてトヨタの若手筆頭の平川が石浦、中嶋一貴のポジションにどんなプレッシャーをかけるのか。スーパーフォーミュラのファンとしてはこの若手たちとベテラン組の戦いは、今季の大きな見どころになる。

 奇しくも、山本と福住は同じTEAM MUGENから参戦する。

「(山本)尚貴さんは僕がSRSのスクール(鈴鹿サーキットレーシングスクール)の時の先生で来ていたときに接点があります。あとはサーキットで会うくらいでレースをしたことはありませんでした。でも、今では同じチームでクルマに乗って感じたことをお互いに話し合ったりして、すごくいい関係を築いてもらっています。尚貴さんは今回の鈴鹿を得意としていて、そのデータを僕も見ることができて比較できるので、すごくいい環境にいると思っています」と、山本との関係を話す福住。

 福住にとっては、チームメイトがホンダのエース格の山本で、クルマは昨年ピエール・ガスリーが使用した15号車となるたため、山本、ガスリーと常に比較されるプレッシャーの高い状況での戦いとなる。

「そこはもう、レースはこういう世界ですから。あとはやるだけなので」。福住の表情からも、開幕戦といえども過度な緊張や不安は感じられない。それよりもむしろ、福住にとっての敵は体調管理か。前週のバーレーンでのFIA F2から帰国したばかりでこの金曜日の時点でも、まだまだ時差ボケが抜けきらないという。今季の福住はまずはFIA F2との移動による時差ボケが最初の戦いになりそうだ。

 一方の山本尚貴も、もちろん簡単にチームメイトに負けるわけにはいかない。その山本は、今シーズンのスーパーフォーミュラの大きなポイントになる全戦2スペック制になるソフトタイヤの使い方について、難しい見解を示す。
「ソフトタイヤは本当に使い方が厳しいですよね。でも、先日の鈴鹿テストではその厳しいなかでもうまく使えているチームがありそうでした。ソフトタイヤをうまく使えるポイント(セットアップ、ドライビング)を見つけないと、キツイ戦いになるでしょうね」と金曜走行後に話す山本。

「ソフトタイヤと路面コンディションの関係を見極める時間もタイヤのセット数もないので、どのチーム、ドライバーもぶっつけ本番的な要素があると思いますが、いずれにしても、ソフトタイヤをきちんと使ったドライバーが勝てる展開になると思います」と、週末の展望について語った。

 開幕戦の金曜日では、持ち込みタイヤをほとんどのチームがミディアム1セット、ソフトタイヤ1セットを持ち込んできた。予選前のどのタイミングで鍵となるソフトタイヤを試して、ミディアムタイヤとのセットアップの方向性を確認するのか。ソフトタイヤの投入タイミングもドライバーごとに分かれ、各ドライバーの状況が複雑になるだけでなく、額面どおりのタイムで好不調の判断をするのが難しい状況になる。

 今季のスーパーフォーミュラは予選Q1ではミディアムタイヤの使用が義務付けられており、予選Q2、Q3で使用されるソフトタイヤでの一発タイムを、どのように出すことができるのかがまずはポイントになる。

 開幕の鈴鹿は、この金曜日時点でも気温が26度、路面温度が44度を超える暑さとなった。週末の土日は、気温が30度近くになるとも予想され、「予選では1周アタックの最後までピークグリップはもたず、セクター3くらいでタレてくるのではないか」との見方があるくらい、ソフトタイヤにはますます厳しいコンディションとなってきそうだ。

 BSフジでスーパーフォーミュラ中継のピットリポーターを務める松田次生も金曜日の時点での暑さに「タイヤが1ストップではもたず、もしかしたら日曜日は燃料を軽くしてソフトタイヤを2回履く2ストップ戦略が出てきたりする可能性もありますね。レースでソフトタイヤをどう使うのか、その見切りがすごく難しいと思います」と、今週末の展開を推測する。

 1ピット戦略ならフューエル・ウインドウ(レースを最後まで走れるタイミングでの給油と燃費)を考えると、15~18周程度をソフトタイヤで走行しなければならない。ピークが1周もつかどうかのコンディションで、どのように15周以上の周回を走らせるのか。

 一発勝負の土曜日の予選、そして戦略がドライバーごとに入り乱れる戦いとなりそうな日曜日の決勝レース。そして、ホンダ、トヨタそれぞれの陣営の覇権を争う新旧メーカー内エース対決などなど、開幕戦のスーパーフォーミュラは大げさではなく、今後の日本のフォーミュラのゆくえを占う意味でも、見逃せない1戦になりそうだ。

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