3月17日、六本木ヒルズアリーナで開催された「Red Bull Toro Rosso Honda DAY in TOKYO」は、トロロッソ・ホンダがコラボレーションを組んでから日本で催される初めてのイベントだった。昨年限りで名門マクラーレンとの提携を解消し、2006年に誕生したトロロッソと、そのパートナーとなるホンダを、日本のファンがどのように迎えるのかが注目された。
このイベントは参加無料だが、ステージの前に参加するためには整理券が必要。主催者側は500枚を用意し、イベント開始の2時間前となる12時ごろに配布する予定で準備していた。
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この日の東京は、前日までの春のような暖かさから一転して、冷たい北風が吹き付ける肌寒い天候となり、最低気温は3.1℃。そんな中、整理券を求めて一番乗りのファンが乗り込んだ時刻は深夜3時。予定していた500枚の整理券はあっという間に配布されただけでなく、その5倍となる約2500人ものファンが詰めかけた。
そんな熱いファンの心をさらに熱くしたのが、トロロッソ・ホンダを代表して登壇したピエール・ガスリー、ブレンドン・ハートレー、フランツ・トスト(チーム代表)、ホンダ山本雅史モータースポーツ部長の4人だった。通常、この手のイベントというのは、事前に準備した台本に沿って、発言もあまり脱線することなく、淡々と進められる傾向にある。
ところが、この日のトロロッソ・ホンダのイベントでのトークショーやQ&Aで発せられた言葉には台本ではなく、自分たち自身の言葉で語られていたような真摯さが感じられた。
たとえば、スーパーフォーミュラとF1との違いについて質問されたガスリーは次のように答えた。
「たしかにF1は950馬力に迫るくらいハイパワー。スーパーフォーミュラは550馬力ぐらいなので、トップスピードはかなり違うけど、ダウンフォースという面ではスーパーフォーミュラも結構あったので、F1に乗る前に1シーズン走ってみて、F1に行くためにすごくいい練習になった」
通常、この手の質問に対して、具体的に数字を出して回答するケースはほとんどない。でも、それではファンはF1とスーパーフォーミュラの違いがわかりづらい。実際、ガスリーが語った数字は、現時点でのホンダの正確な馬力だとは考えにくいが、たとえ正確な数字でなくとも、このようになんらかの数字を出されれば、ファンもイメージしやすいというものだ。
またハートレーとのQ&Aでは、こんなユニークな質問が飛んだ。
Q:もし今年モナコGPで優勝すると、昨年のル・マン24時間制覇に続いて2冠に輝きます。今年はもうひとり、別のF1ドライバーも2冠を狙っていますが、モナコGPのほうがル・マンより先に行われるので、あなたのほうが先に2冠ドライバーになれます。意気込みを聞かせてください。
もうひとりのF1ドライバーとは、昨年ホンダPUを搭載したマクラーレンでドライブしていたフェルナンド・アロンソである。この質問には昨年、ホンダを批判し続けたアロンソへ対する皮肉が込められていることは容易に想像でき、場内からも拍手が起きた。だが、昨年からこの件に関しては、ホンダは沈黙を貫き通しており、回答する者にとっては難しい質問だった。
ハートレーもそのことを認識しており、「そうなればいいけど、正直、今の自分にはモナコGPで優勝できるだけの力はない。もちろん、いつの日か優勝できる日が来たらいいけどね」と、あえてアロンソの名前を出さない模範回答を示す。
と、ここで、その答えを横で聞いていたガスリーが「フェルナンド(アロンソ)に負けるなよ」とツッコミを入れて来た。すると、Q&Aは堰を切ったようにアロンソの名前を出し合う展開に。
ハートレー「フェルナンドが同じことを狙っているのは知っているよ。でも、彼にはもうホンダ・エンジンはないからね」
司会者「でも、あなた(ハートレー)がモナコGPで優勝すれば、フェルナンドよりも先に2冠になるんですよ」
ガスリー「でも、モナコGPで勝つのは僕の方が先だよ!!」
これには詰め掛けた2500人のファンも大爆笑。こうした明るいノリが、その直後にサプライズを演出する。それは、ハートレー車の名前をツイッターで募集し、当選者を日本GPに招待するというプレゼント企画だ。
いままで日本で行われてきたF1チームの開幕直前イベントの中で、もっともファンとの距離が近く感じられたイベントだったと感じた。
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