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世界GP王者・原田哲也のバイクトーク Vol.7 「走り出したら止まりたくない派です」

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世界GP王者・原田哲也のバイクトーク Vol.7 「走り出したら止まりたくない派です」

気ままな走りが今はお気に入り

1993年、デビューイヤーにいきなり世界GP250チャンピオンを獲得した原田哲也さん。虎視眈々とチャンスを狙い、ここぞという時に勝負を仕掛ける鋭い走りから「クールデビル」と呼ばれ、たびたび上位争いを繰り広げた。’02年に現役を引退し、今はツーリングやオフロードラン、ホビーレースなど幅広くバイクを楽しんでいる。そんな原田さんのWEBヤングマシン連載は、バイクやレースに関するあれこれを大いに語るWEBコラム。第7回は、愛車となったセローと、バイクに乗るトレーニングについて。

世界GP王者・原田哲也のバイクトーク Vol.6 「レースのタイヤ選びと、趣味のタイヤ選び」

TEXT:Go TAKAHASHI

公道はのんびり、熱い走りはサーキットで

昨年10月に買ったセロー250。忙しくてなかなか乗る機会がありませんでしたが、先日ようやくナラシがてら房総お花見ソロツーリングに行って来ました。ひとりなので気ままなものです。僕は走り出したら止まりたくない派なので、止まったのは市原PAでトイレに寄ったのとコンビニでパンを買った時ぐらい。のんびりとことこ走り続けました。

ツーリングと言っても完全ノープラン。気の向くままに行きたい方に行くだけで、どこに着くかは自分でも分かりません(笑)。目的地を決めちゃうと、出発と同時にゴールが見えてしまうから、何だか面白くないんですよね。マスツーリングだとそうはいかないけど、ひとりの時はできるだけ自由に走りたいんです。今回も、千葉県道182号線(もみじロード)を通ったり、アッチに行ったりコッチに行ったり……。とにかくゆっくり景色を楽しみながらのライディングです。

やっと乗れたセローですが、すごく気に入りました! とにかく軽くて小回りが効くし、もちろんオフロード走行も余裕でこなせるから、「あ、あの細道に入ってみたら面白そうだな」と思ったら迷わず入っていけます。Uターンも苦じゃないので、「とりあえず行ける所まで行ってみよう」という楽しみ方ができるんです。高速道路はちょっと苦手で、80km/hで走ってたら軽自動車にあおられましたが(笑)、一般道ではまったく不満ナシ!「これ以上パワーいるの!?」って感じです。

パワーと言えば、もみじロードをのんびり走っていたら、ものすごい勢いで走っているバイクが結構いて、ちょっと残念でしたね……。危ないのはもちろんだし、まわりからどう見られているかも考えてほしいものです。ヘルメットを脱ぐと皆さんいい大人なんだから、走りも大人になってもらいたいな、と。パワーのあるバイクで気持ちよく走りたいなら、ぜひサーキットに行っていただきたいと思います。走り専用のクローズドコースで気兼ねなく思いっ切り走るのは爽快ですよ! 公道はのんびりと、熱い走りはサーキットで楽しみましょう。

今回のナラシツーリングで、走り慣れていたはずの地元の千葉でも、まだまだ行けそうな所、入って行けそうな道があることが分かりました。これからセローであちこち冒険してみようと思ってます。どんどん新しい発見ができそうで、刺激的ですね! これはいいストレス発散になりそうです。……僕はもともとストレスを感じるタイプじゃないけど。レーシングライダーなんてワガママだし、好き放題やってきましたからね(笑)。

バイクに乗ることが、一番のトレーニングになる

―― アルゼンチンGPに続いてアメリカズGPでも2位に入ったロッシ選手。肩を組むのはケビン・シュワンツさんで、普段はトライアルなどを楽しむことでも知られている。

さて、MotoGP第2戦アルゼンチンGPは、マルク・マルケスがぶっちぎりで圧勝しましたね。フリープラクティスから調子が良さそうでしたが、今年のホンダはトップスピードがかなり上がっているようです。ただ、このままマルケスが調子よく行けるかどうかはまだ疑問。これからドゥカティが得意とするコースになれば、昨年のような接戦が見られるはずです。

すごかったのはバレンティーノ・ロッシ! 40歳で2位表彰台はあり得ない。レースに向けてコツコツ努力している彼だからこその成績だと思います。バレンティーノはしょっちゅうバイクに乗ってトレーニングしてますよね。やっぱりバイクに乗ることが一番の練習になるんです。もちろんバイクに乗るっていうのは常にケガのリスクがつきまとうんですが、ハイリスク・ハイリターンを狙うしかないのがMotoGPの現状です。

僕が現役の頃は、今のMotoGPライダーほどバイクに乗ってのトレーニングをしていませんでした。ただ、テスト回数がものすごく多かった! アプリリア時代は何だかんだで毎週のようにムジェロに行ってテスト走行をしてましたから、ライディングの機会は今のMotoGPライダーの比じゃなかったと思います。月2回のレースの合間にテストしてたら、それはもう、ほとんどバイクに乗りっぱなしって感じですよね。しかもテスト走行ということはレーシングマシンをレーシングスピードで走らせるわけですから、最高のトレーニングになっていました。

ジムなどでウエイトトレーニングもできるのに、なぜバイクに乗るのが1番なのでしょうか? まず、乗ることでしか鍛えられない筋肉があること。そしてもっとも大事なのは、神経系も鍛えられるということです。簡単に説明すれば、いくら筋肉があっても、ライディングに適した動きができなけば意味がない、ということです。

バイクの動きにどう反応するか、バイクをどう動かすか。ライディングするには、筋肉と脳がうまく連動しなければなりません。しかもバイクの速さに対応できなければならないので、これはなかなか日常領域で鍛えることは難しいんです。だから、筋トレ+神経系のトレーニングが同時にできる、「バイクに乗ること」が1番ってわけ。

え? 僕が今セローで走っているのもトレーニングの一環かって? 全然!(笑)ひたすらのんびりリラックスの時間ですからね。これから林道にも分け入ってみたいと思ってますが、目玉を三角にするのではなく、自由気ままに楽しみたいと思っています。

―― ナラシが進みはじめたセロー250。これからどんどん楽しみが広がりそう!

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