現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ホンダ初のカブ=F型[’52年製造]が走行〈映像も収録〉

ここから本文です

ホンダ初のカブ=F型[’52年製造]が走行〈映像も収録〉

掲載 更新 7
ホンダ初のカブ=F型[’52年製造]が走行〈映像も収録〉

ホンダコレクションホール20周年#03

「カブ」の名称は小熊を意味する英語から

ホンダ初の製品・Model A(A型)[’47年製造]の動態走行〈映像あり〉

カブF型は自転車の後輪に取り付ける6kgの補助エンジンで、ホンダのオートバイ躍進の基盤を築いた機種。「白いタンク、赤いエンジン」の愛称で親しまれ、デザインでも人気を博したという。販売方法もユニークで、書類や取り付け金具などを含めたエンジン一式を33×33×60cmの段ボールに箱に収めて自転車店に直販するという方法で、全国にホンダ販売網を築き上げるきっかけとなった。なお、愛称「カブ」の由来は、自由奔放に走りまわる小熊を意味する英語から来ているらしい。

―― 【HONDA CUB F 1952年5月】カブF型のエンジンは、ピストンバルブ・横断掃気式の2ストローク単気筒で、シリンダーはアルミダイキャスト製のバレルに鋳鉄製のスリーブを圧入した進歩的な設計だった。■空冷2ストローク単気筒 50cc 1.0ps/3600rpm 車重6kg(自転車を除く)

ドリームE型よりフレンドリー

ホンダで初めて「CUB」を名乗ったのが‘52年のカブF型。とはいえそれはバイクではなく、自転車に装着する50ccの補助エンジンの名称だった。ホンダの代理店が全国に20店程度しかなかった時代、約5万軒の自転車店にダイレクトメールを送り、販売を募るなどの戦略で大ヒット。全国にホンダ販売網を築く契機にもなっている。

自転車同様にペダルを漕いでスタート。この時点ではクラッチを切っておき、速度が乗ったらクラッチを繋いで押し掛け的にエンジン始動。あとはレバー式のスロットルで回転数を調整しながら走る。変速機はない。最高速度は35km/hで、これが後に原付一種の制限速度を決める基準になったとされる。正味5分以下という、短くも貴重な試乗時間で得た印象は、見た目は完全に自転車なのに、エンジンをコントロールしながら走るその世界はバイクそのもの……ということ。大きめにレバーを開ければグッと押されるように加速するなど、意外なほどの力強さも見せる(後に60ccも追加された)。左カーブでは左側ペダルを持ち上げ、バンク角を確保するなどの操作は必要だが、カブF型は65年も前の乗り物とは思えないほど普通に走るのだ。

僕はやはり‘50年代初頭の製造で、ノンストップで箱根を登りきった逸話を持つホンダドリームE型に乗ったことがあるのだが、違和感のあるライポジに、各部から発する豪快なメカノイズ、シフトやブレーキ操作に対するギクシャク感など、その走りはいつ何時も気が抜けないスリリングなものだった。当時、かなりの高級車だったハズのドリーム号だが、同世代の乗り物として比較した場合、カブF型の方が格段にフレンドリーだったと感じる。 ※テスター:マツ(ヤングマシン)

―― ハンドル右側のスロットルレバーを操作してパワーをコントロール。タンク容量は2Lだ。この個体の自転車部は山口自転車工場製。後に「オートペット」などのバイクも手がけ、一時は4大メーカー同等の規模を誇った。

―― エンジンはケースとヘッドについている2ヵ所のブラケットで搭載する。ドリブンスプロケットは、後輪を外すことなく取り付けられるように分割されており、同じように分割されたリング状の金具でスポークを挟んで取り付けるようになっている。

●撮影:長谷川徹 ●取材協力:本田技研工業/ホンダモーターサイクルジャパン ※2018年7月16日、ツインリンクもてぎの南コースでホンダコレクションホール開館20周年記念イベントが開催された。いつもの動態確認テストはレーサーなどが多かったが、今回は20周年記念ということで市販製品特別走行が実施され、ホンダの黎明期から現在までのエポックメイキングなバイクが走行を披露した。

こんな記事も読まれています

F1、ドライバー守るヘイローを軽量化へ。次世代マシンの重量削減目指し、入札を開始
F1、ドライバー守るヘイローを軽量化へ。次世代マシンの重量削減目指し、入札を開始
motorsport.com 日本版
米子道の“支線”が延伸へ! 鳥取で建設が進む「もう一つのタテ軸」北条湯原道路とは?
米子道の“支線”が延伸へ! 鳥取で建設が進む「もう一つのタテ軸」北条湯原道路とは?
乗りものニュース
“ランエボ”がお手本!? “不評の電気自動車”がついに「エンジン車顔負けの走り」を実現! ヒョンデの高性能BEV「アイオニック5 N」驚きの実力とは
“ランエボ”がお手本!? “不評の電気自動車”がついに「エンジン車顔負けの走り」を実現! ヒョンデの高性能BEV「アイオニック5 N」驚きの実力とは
VAGUE
1日約600人が試乗! 足掛け20年続くバイクの祭典は教習所主催で「まるごと」楽しめる
1日約600人が試乗! 足掛け20年続くバイクの祭典は教習所主催で「まるごと」楽しめる
バイクのニュース
トヨタ「5速MTミニバン」現る!? 斬新「天才タマゴ」 アルヴェルにはない「エスティマ」の特徴とは
トヨタ「5速MTミニバン」現る!? 斬新「天才タマゴ」 アルヴェルにはない「エスティマ」の特徴とは
くるまのニュース
ポルシェ『911』改良新型、5月28日デビューへ…初のハイブリッド搭載
ポルシェ『911』改良新型、5月28日デビューへ…初のハイブリッド搭載
レスポンス
ホンダ軽商用EV[N-VAN e]先行受注するなら一考の余地あり!! ビックカメラとENEOSでんきで割安の電気料金サービスが全国の[ホンダカーズ]でスタート!
ホンダ軽商用EV[N-VAN e]先行受注するなら一考の余地あり!! ビックカメラとENEOSでんきで割安の電気料金サービスが全国の[ホンダカーズ]でスタート!
ベストカーWeb
新規格NA軽自動車が熱いバトル!「東北660選手権」2024年シーズン開幕戦をクラスごとにレポートします
新規格NA軽自動車が熱いバトル!「東北660選手権」2024年シーズン開幕戦をクラスごとにレポートします
Auto Messe Web
業界唯一の「10V型有機ELディスプレイ」を搭載した最新の「ストラーダ」を体験できます! パナソニック オートモーティブブース出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
業界唯一の「10V型有機ELディスプレイ」を搭載した最新の「ストラーダ」を体験できます! パナソニック オートモーティブブース出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
LE VOLANT CARSMEET WEB
V-STROM800用【ヨシムラ】「Slip-On R-77Jサイクロン EXPORT SPEC 政府認証」が10万4500円から!  
V-STROM800用【ヨシムラ】「Slip-On R-77Jサイクロン EXPORT SPEC 政府認証」が10万4500円から!  
モーサイ
まだ買えるぞ!走る宝石「MVアグスタ」の世界限定300台車「スーパーヴェローチェ98」その妖しい魔力に魅入られる
まだ買えるぞ!走る宝石「MVアグスタ」の世界限定300台車「スーパーヴェローチェ98」その妖しい魔力に魅入られる
モーサイ
アウトドア最強のワゴンはこれだ! ハイスペックな4wayアウトドアワゴンが登場【車に積みたいアウトドアアイテム】
アウトドア最強のワゴンはこれだ! ハイスペックな4wayアウトドアワゴンが登場【車に積みたいアウトドアアイテム】
月刊自家用車WEB
後部座席用のスマホホルダーは簡単便利! タブレット用もラインナップ
後部座席用のスマホホルダーは簡単便利! タブレット用もラインナップ
月刊自家用車WEB
フェルスタッペンがチームメイトに? もし実現するならラッセル「大歓迎!」
フェルスタッペンがチームメイトに? もし実現するならラッセル「大歓迎!」
motorsport.com 日本版
ホンダ、ビックカメラやENEOSとEV自宅充電の支援サービス開始 N-VAN e:向けに
ホンダ、ビックカメラやENEOSとEV自宅充電の支援サービス開始 N-VAN e:向けに
日刊自動車新聞
トラックの洗車時間を劇的に短縮! エムケー精工の最新洗車機
トラックの洗車時間を劇的に短縮! エムケー精工の最新洗車機
レスポンス
日産「新型スカイライン」は伝統の「丸目4灯テール」採用!? 新たな「V38」に期待大! まさかの「スカイライン“e-POWER”」登場か
日産「新型スカイライン」は伝統の「丸目4灯テール」採用!? 新たな「V38」に期待大! まさかの「スカイライン“e-POWER”」登場か
くるまのニュース
【リコール】ヤマハ アクシスZ 計44,488台
【リコール】ヤマハ アクシスZ 計44,488台
バイクブロス

みんなのコメント

7件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村