Qシリーズのフラッグシップであり、ある意味、アウディのスポーツモデルのイメージリーダー的な役割も果たしているかもしれない。その存在感は強烈だ。(Motor Magazine 2020年2月号より)
アウディブランドの最高峰
スペイン領カナリア諸島のテネリフェ島で開催された試乗会。アウディスポーツ社のオリビエ・ホフマン社長は誇らしげに、ブランド史上初でもっとも贅沢なモデルを紹介した。このRS Q8だ。
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搭載されているエンジンは4L V88ツインターボTFSIで、最高出力は600ps/6000rpm、最大トルク800Nmを発生する。車重は2315kgとけっして軽くはないが0→100km/h加速は3.8秒、0→200km/h加速は13.7秒でそれぞれ完結する。ダイナミックパッケージを装着した際の最高速度は305km/hに達するが(未装着では250km/hでリミッター)、本国では1万3600ユーロ(約170万円)ほど支払いに追加しなければならない。
もっともそのパッケージにはRSセラミックブレーキやクワトロスポーツデファレンシャル、アクティブスタビライザーなどが含まれているので、どちらかと言えばお買い得感があるかもしれない。ちなみにこのRS Q8はすでにニュルブルクリンクの北コースでのアタックを終えており、7分42秒253でSUVの最速レコードを塗り変えたという。
エクステリアデザインは、RS系共通のハニカムブラックグリルを強固なフレームに囲んだオクタゴンシングルフレームで、中央にはオプションの黒色に輝く4リングがレイアウトされている。鋭い表情を見せるヘッドライトはもちろんLEDマトリックスシステムが組み込まれている。
一方、サイドビューはスタンダードの22インチに代わって23インチホイールを装備。全長が5mを超えているとは思えないほど引き締まったプロフィールを見せている。
リアに回ると大型のルーフスポイラー、車幅一杯に広がったLEDライトの輝き、左右に楕円形の大型エキゾーストパイプを擁したディフューザーなどが、ダイナミックな印象を後続ドライバーに見せつける。インテリアはドライバー正面の8.6インチとダッシュボード中央の10.1インチのふたつの大型ディスプレイから成る、見慣れたアウディのフルデジタルインストゥルパネルで、高い質感と視認性を保っている。
テストドライブのコースは、標高3718mのテイデ休火山を取り巻く国立公園内で行われた。平均の標高が2500mを超える山間道路は多彩なコーナーに富み、RS Q8の持つダイナミック性能を発揮できるには絶好の場だ。
大型SUVの常識をことごとく覆す可能性も
このセッションでRS Q8は、40対60と後輪駆動重視のセッティングを持ったクワトロシステム、8速スポーツオートマチック、ロールスタビラーザー、スポーツデファレンシャルなどから成る優れたシャシ性能をアピール。内包するポテンシャルを発揮させた。
また試乗コースの最後に用意された高速道路走行では、マイルドハイブリッドシステムによって低負荷定速走行時、さらには時速22km/h以下になるとエンジンが停止し燃費と排出ガスを抑制するエコな一面も見せてくれた︒
サイズは、スタンダードなQ8よりわずかに長い。ただし豊富なアシストシステムやカメラのおかげで狭い市街地での取り回しや駐車は思ったより難しくなかった。
アウディスポーツ社は巨大なQ8を、スポーツカー顔負けのアスリートに仕上げることに成功した。シャシそしてトランスミッション、パワートレーンは並外れたダイナミック性能に対してすべて調和を保っている。すなわち日常の使用においても、また望めばサーキットでのスポーツ走行も破綻なくこなすことができる。
もちろんそれなりの出費は覚悟しなければならないがスーパースポーツカーの性能を隠し持った美しいSUVクーペを所有して堪能することは、オーナーにとって素晴らしいプレゼントになり得る。(文:木村好宏)
■アウディRS Q8 4.0 TFSI クワトロ 主要諸元
●全長×全幅×全高=5012×1998×1694mm
●ホイールベース=2998mm
●車両重量=2315kg
●エンジン= V8DOHC ツインターボ
●排気量=3996cc
●最高出力=600ps/6000rpm
●最大トルク=800Nm/2200-4500rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=8速AT
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みんなのコメント
車文化の違いだよね。
メルセデスとBMWがどう出てくるか何もしないのか楽しみですね。
なんか三菱っぽいフロントマスクですね