タクシーを使うには近いけど、歩いていくにはちょっと遠い。そんなふうに思うことってありますよね? 特に暑い夏は少し歩いただけで汗だく…。
この問題は日本だけではありません。世界で今、「ラストワンマイルモビリティー」と言われる小型の移動手段、つまりパーソナルモビリティーが注目されています。その中で、駅やバス停から自宅までといったラストワンマイルの移動を担う主役として期待されているのが電動キックボードです。
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日本でも実証実験が続々スタート
日本でもアメリカ発の電動キックボード大手Lime(ライム)が日本に初上陸。同社は9月7日と8日の2日間、福岡市の貝塚交通公園にて実証実験を行ない、話題となりました。Limeは今後、福岡市でサービス提供を開始し、その先は日本各地に展開していくことを目指すそうで、デジタルガレージやKDDIなども出資しています。
日本ではまだあまり知られていませんが、Limeはすでに5大陸、25か国、100都市以上で事業を展開し、現在利用されている同社のキックボード数はすでに6500万台以上に達しています。日本では現在、電動キックボードは「原付」と同じ扱いとなり、運転には免許が必要で、車体を登録しナンバーも取得する必要があります。しかし、欧米の都市ではシェア自転車のように定められたエリアであれば乗り捨て可能なため、手軽に利用されているのです。特にドイツでは今年、電動キックボード利用に関する法律が定められたことで免許証なしで利用ができるようになりました。
そこで今回ドイツの首都ベルリンでLimeを体験してきました。
「電動キックボード」でベルリンの街を走ってみた
ベルリンの街を歩くと、至る所にキックボードがあります。Limeだけでなく複数社が展開しているようです。自転車よりも場所を取らず、都市部の路上に乗り捨てられてもそれほど邪魔にはならないものメリットかもしれません。
操作はとても簡単で、アプリをダウンロードして簡単な説明を閲覧、支払い用にクレジットカードを登録してお金をチャージ、あとは近くのキックボードを探すだけ。キックボードを見つけたら、車体のQRコードを読み込むか、車体番号を入力することでロックが解除されます。後は移動して乗車が終わったらアプリからロックをかけて終了です。支払い額や走った距離はメールでも通知されます。
上の写真は実際に乗車したレポート。さすがに6kmも乗るとちょっと疲れるが、1~2kmくらいの距離を乗るのなら本当に便利。スピードはMAX20km/h程度。ドイツでは基本的に車道もしくは自転車専用レーンを走る。料金は1kmで2.5~3ユーロくらいで、乗車時間と距離で加算されていくようだ。安くはないが、高くもなく、歩くの面倒だからまぁ、いいかと思える絶妙な金額設定。
気になる乗り心地ですが、すごくいいです。スピードは自転車を普通に漕いだ時と同じくらいで速すぎず、遅すぎず、加速もスムーズ。操作もアクセルとブレーキだけなのでカンタンです。重心も安定しており、バランスがいいので倒れそうになることもありませんでした。ただ、子供から高齢者まであらゆる世代で使えるかというと、ちょっと厳しいかなという印象。自転車に乗れるくらいの運動神経は必要ですし、車道を走る場合は周囲に気を配る必要もあります。
気になる安全面は?
時速20kmというと「ポケモンGO」をやるのにちょうどいいスピードだなと思ったのですが、スマホを見ながらの片手運転はもちろん、絶対NGです。というか、できない仕様になっています。おそらくあえてそうしているのだと思いますが、右手がアクセル、左手にブレーキがあるため、必然的に運転に両手が必要なのです。この辺はながらスマホが自転車でも問題になっている昨今、とても考えられているなと思いました。
サービス側は「ヘルメットの着用を強く推奨」していますが、法律で定められているわけではないためベルリンでヘルメットを被って乗っている人はほとんど見かけませんでした。正直、ヘルメットを普段から持ち歩くというのは現実的ではない気がします。衝突や転倒の危険は自転車並みにあるので、安全面での配慮はこれからの課題でしょう。実際、ヨーロッパの各都市でも歩道での通行が禁止されたり、規制が進んでいる側面もあります。
また、やはり気になるのが景観です。乗り捨て可能なので、どうしても街中にキックボードが散乱してしまいます。決められた位置に停めていくパターンだと、キックボードの快適さは生きてこないというのもわかりますが、台数が増えるに従い、ルールを設けないと様々な問題が発生するのではないでしょうか。場所によっては「キックボードの乗り捨てが禁止」のエリアもあるようです。
まだまだ議論すべき課題や規制の問題などは多くありますが、駅周辺の放置自転車などの問題もすでにあるわけで最初から否定的にとらえる必要はないと思います。実証実験を進めて行く中で、浮かび上がってきた課題を解決していくことで、日本に合ったルールを作っていければいいのではないでしょうか。もう来年に迫った東京五輪ですが、猛暑の中を観客がどう移動するのか、タクシーの数は足りるのかなどを考えると、いくら地下鉄が張り巡らされているとはいえ、近距離の新たな交通手段への対策も早急に必要な気がします。
文/石崎寛明(編集部)
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