異常なまでの盛り上がりを見せた「東名レース」の実態(1983年8月)
全長30キロの巨大な最高速ステージ!
「東名全開族と呼ばれて」1983年夏、深夜の東名高速はギャラリーが中央分離帯にまで溢れかえる無法地帯に!【Play Back The OPTION】
「東名全開族25時の狂走曲 サタディ・ナイト・ラプソディ」。なんとも、OPTION誌らしい過激なタイトルだ。
この記事は、当時、問題視されていた「東名全開族」に迫った実録レポートである。全盛期はギャラリーが路側帯や中央分離帯にまで溢れ、かなりデンジャラスな状態だったが、このステージがチューニングカーにおける最高速アタックのスタート地点だったことは紛れもない事実。
1983年8月、数百台のチューンドたちがデッドヒートを繰り広げる、全長30キロの巨大な最高速スポットの模様をプレイバック!
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東名全開族25時の狂走曲 サタディ・ナイト・ラプソディ
血潮たぎる魂、熱き全国の真の走り屋に訴える・・・
最高速時代のプロローグ
いったい、いつ頃からだったろうか? 東名最高速ランナーの噂が一部の走り屋たちの間で囁かれるようになったのは。土曜日深夜、東名上り線・海老名SAから、瀬田・東京料金所までの約30kmを全開で疾駆する。関東の走り屋/チューナーにとって、それは、密かに最高速にトライできる、限られた空白帯だった。深夜のトラック便も、その時間だけは途絶えるのだ。
ところが…、最近「見物が多すぎて走れねー」「もうアソコは終わったよ。本当に走れなくなっちゃったね」、そんな声があちこちから聞こえてきたのである。「ここのところ、ずっとSAでパトカーが張っている!」となれば、もう穏やかではない。東名ウイークエンドの空白ゾーンは、完全に変質してしまったようだ。
その実態を探るために、OPTは東名全開族の現場取材を敢行した。血潮たぎる“25時の狂走曲”、開演である。
この最高速ステージでは、「チューニングで、ナン100ps出ている」かは問題にならなかった。どんなに口でチューンの凄さを主張しようとも、走って本当に速いか否かがすべてだったからだ。要求されるのは、パワーもさることながら、確かな足まわりと、真の空力的リファイン…。
主役は、パンテーラ、ポルシェ、Z、RX-7…お馴染みな関東の最高速マシンたちである。が、その速さには確かな裏付けがあった。そのほとんどが、東名テストコースで磨き抜かれたマシンたちだったからだ。
TIME NOW! ー1983年夏ー
宴は24時を期して、幕を開けた。続々とSAに走り込んでくるクルマとともに、赤色燈を点滅させたK察車両がオープニングを彩る。時計の針と共に、パーキングスペースはみるみる埋まっていく。
いずれもノーマル車ではない。SAはさながら、真夜中のストリートカーショーの会場と化した。外車勢では、チューンド・パンテーラはもとより、ドレスアップしたAMGベンツ、コルベット、ポルシェ、ロータスらも姿を見せ、国産車もZ、RX-7をはじめ、新旧スカG、セリカ、はてはマークIIなどのセダンまでが舞台に登場する。パーキングスペースからみても、台数は軽く200台を超えた。
24時30分、6~7名のK察官が、記録ボードを手にエリアを回り始めた。片っ端からマシンのナンバーをチェックしていくためだ。それは奇妙な光景だった。K官と参集者はお互いに強く意識しあっているにもかかわらず、その存在を無視しあうのだ。異様な雰囲気の中、K官は派手な改造車を見ても、何も言わなかった。
25時。チェックもひと段落した頃、エリアは急にあわただしいエンジン音に包まれはじめる。定員乗車に近いクルマが、ひと足先にきたるべきクライマックスの観戦場所を求めて出て行くのだ。主役たちが群れをなして飛び出していったのは、そのすぐ後だった。
OPTでは、試しにコース途中にスピードガンをセットしてみたが、群走のため、計測は不能! 焦点を絞れず、苦し紛れにスピードガンがポッと表示した数字は、156km/hにすぎなかった。それはもはや、かつての最高速トライとは別種の全開ショーだった。見物車はバスストップからあふれ出し、恐るべきことには、なんと高速道路の中央分離帯にまで観客がいたのである!
26時。ガランとした海老名SAに、取り残されたようなK察車両がむなしげに、なおも赤色燈を点滅させていた・・・。1983年6月。
「命はひとつ・・・」ライトで浮かび上がる陸橋上の文字は、あまりにも象徴的だ。
瀬田・東京料金所を出て、ショーは終わった。時間にして10分余の、思えばあっけない幕切れ。ショーチャージ、東京からの往復2000円。
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コースサイドや中央分離帯は大勢のギャラリーで溢れ返っていた全盛期。この無法状態がいつまでも続くわけなどなく、80年代中盤にギャラリーを巻き込んだ大規模な死亡事故が発生し、警察の取り締まりが本格化。そのまま徐々に衰退していったのである。
【OPTION 1983年8号より】
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