昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は、昭和48年発売のトヨタ パブリカ・スターレットだ。
ヤングにウケたスタイルと、したたかな走り
トヨタ パブリカ・スターレット 1200ST:昭和48年(1973年)4月発売
マイカー時代の呼び水となったパブリカは、昭和44年(1969年)3月に初めてのフルモデルチェンジを敢行した。2代目パブリカは若さを売りにし、エンジンも1.2Lが主役となっていた。
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このパブリカの後継モデルとして開発されたのが、KP47型パブリカ・スターレットだ。1973年4月にデビューしたこのモデルは、ロングノーズ&ファストバックの砲弾型フォルムを特徴とするバレットウエッジを採り入れ、当初は2ドアモデルのみが発売された。この切れ味の良いスタイリングを手掛けたのは、ジウジアーロだと言われている。
また、若者向けパーソナルカーとして売り出したパブリカ・スターレットは、セリカと同じように“フリーチョイスシステム”を導入したことも注目に値する。
エクステリア、インテリア、エンジン、トランスミッションを、好みに応じて18種類の中から選ぶことができた。メイングレードのSTにはゴージャスなG、ラグジュアリーなL、スポーティなSと3タイプのインテリアが用意され、SRにはラリーカーの雰囲気が漂うRインテリアが設定されていた。
XF、ST、SRの3種類の外装と、D、L、S、G、Rの5種類の内装を組み合わせられるシステムが、若者にウケた。
エンジンは993ccの2K型4気筒 OHVと1166ccの3K型の2本立てだ。STには3タイプのチューンがあり、シングルキャブ仕様の3K型は最高出力68ps/6000rpm、最大トルク9.5kgm/3800rpmを発生。2バレルツインキャブの3K-B型は最高出力77ps/6600rpm、最大トルク9.6kgm/4600rpmの高性能を誇った。なお、レギュラーガソリン仕様の3K-B型は74ps/9.5kgmという性能だった。トランスミッションは4速または5速MTと、2速ATが用意されていた。
そして、このパブリカ・スターレットはレースの世界でもライバルのサニーとしのぎを削ってトップ争いをした。
KP47型パブリカ・スターレットのレース用には16バルブDOHCの3K-R型エンジンを積むモンスターマシンが存在した。トヨタワークスの手により、OHVの3K型にDOHCヘッドを組んだこのエンジンは、最高出力190psを誇った。
1973年にデビューウィンを飾った後は1974~1976年、1978年の富士GC(グランチャンピオン)マイナーツーリングのチャンピオンカーに。A12型エンジンをフルチューンしたサニーとのライバル対決が話題を呼んだ。
パブリカ・スターレット 1200ST 主要諸元
●全長×全幅×全高:3790×1530×1310mm
●ホイールベース:2265mm
●重量:755kg
●エンジン型式・種類:3K-BR型・直4 OHV
●排気量:1166cc
●最高出力:74ps/6600rpm
●最大トルク:9.5kgm/4600rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:155SR12
●価格:62万8000円
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