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車のスモークガラスなぜ定着? マイルドヤンキー仕様が定番化した理由

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車のスモークガラスなぜ定着? マイルドヤンキー仕様が定番化した理由

■なぜ後席ガラスは年々濃くなっているのか?

 季節を問わずに、日射しの強い日は日焼けが気になります。また夏場の場合、強い直射日光は車内の温度を上昇させることから、熱中症などトラブルの原因です。

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 一昔前までは、外から車内の様子がよく分かるほど透明なクルマが多かったですが、最近のクルマでは後席ガラスやリアガラスが真っ黒に見えるほど色が濃くなっています。なぜ、後席の窓ガラスは年々濃くなっているのでしょうか。

 太陽から降り注ぐ日射しには、紫外線(UV)や赤外線(IR)などが含まれています。快適な車内環境を保つためには、それらが車内へ入ってこないように対策する必要があるのです。

 紫外線とは、皮膚を刺激してシミや肌の劣化や車内装備の劣化の原因といわれているものです。赤外線は皮膚や装備素材に入り込み内部で熱を発生させるといわれています。

 そのため最近のクルマでは、UV・IRカット強化ガラスを標準装備していることが多く、紫外線カット率約99%を実現しているものも存在しています。

 では、昔に比べて窓ガラスの色が濃くなっている理由とは、何なのでしょうか。大手自動車メーカーの広報スタッフは次のように話します。

――後席ガラスの色が濃くなっている理由は何でしょうか。

 ガラスの色が濃くなった理由はいくつかあると思います。ひとつは、昔に比べてガラスの性能が向上したことです。それまでの純正ガラスは基本的に後方視界を優先していました。

 そのため、基本的にはクリアなものが多かったのですが、2010年くらいからUVやIRを強力にカットするガラスが出ており、多少色が濃くなっているのです。

 また、同時期くらいから車内のプライバシーに関する意識が高まっていることから、純正装備の時点で多少濃くなっているガラスに、オプションや社外品などを付けることでより濃くなっていると思われます。

――どのようなユーザーがオプション購入されていますか。

 基本的に、純正装着されている窓ガラスはUVやIRカット機能が備わっています。ただ、車種によってはグレードによってパッケージオプションとなる場合もあります。

 また、カットフィルムのオプションは、プライバシー効果を高めることから防犯意識が高くなっている最近では、主にファミリー層が購入しているケースが多いです。

 ※ ※ ※

 実際に、UV・IRカットフィルムを装着することで、温度上昇を抑えるとともにエアコンの効きを良くするなどフィルムの有無によって10度ほどの温度差が出るという結果がでています。さらに、日光や後続車のヘッドライトによる不快な眩しさを低減することで、より安全な運転が可能です。

 また、カットフィルムを装着することで、事故などの衝撃時にガラスの破損飛散を低減するなど、二次災害を防ぐ可能性も高まります。

■窓ガラスの濃さはどこまでセーフ?

 窓ガラスが濃すぎると、法律に違反するということを聞いたことあるかもしれません。実際に、道路運送車両の保安基準 第29条3項には、次のように記されています。

「自動車(被牽引自動車を除く。)の前面ガラス及び側面ガラス(告示で定める部分を除く)は、運転者の視野を妨げないものとして、ひずみ、可視光線の透過率等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない」

 つまり、フロントガラスと運転席、助手席の側面ガラスには、視界を遮るいかなるものも貼ってはいけないのです。

 また、詳細を定める告示には、「運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係わる部分における可視光線透過率が70%以上でなければならない」と記載され、色の濃いフィルム以外にも市販品のサンシェードやカーテンを付けることも視界を妨げることとなり違反対象です。

 一方で、後席ガラスやリアガラスに関しては明確な記載がありません。そのため、純正装着ガラスやオプション品、市販品には色の濃いものが多くなっています。

 純正時のカットフィルム装着に関して、日産の販売店スタッフは次のように話します。

「日産では、オプションのカットフィルムを『クリア』と『スモーク』の2タイプから選ぶことができます。どちらもUVを99%カットしますが、IRについてはスモークタイプの方がややカット率が高いです。

 また、クリアタイプを用意している理由としては、夜間の視認性を気にする方やスモーク装着車にマイナスなイメージを持たれている方などが購入されるケースがあるためです」

※ ※ ※

 一昔前までは、濃いスモークの窓ガラスを装着しているクルマは、やんちゃな人が多かった印象ですが、最近では車内の快適性や防犯性でのメリットが高まっていることで、定着化したカーアイテムといえます。

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