1985年第6戦デトロイトGPでの優勝できっかけを掴み、終盤3戦は完全に波に乗ったウィリアムズ・ホンダFW10B。新設計のホンダエンジンが高いポテンシャルを発揮し始めた。(写真:金子 博)
シーズン中盤から波に乗り、終盤には独走状態に
1985年に登場したウィリアムズ・ホンダFW10は、当時、時代のトレンドとなっていたカーボンコンポジット製モノコックを採用、ホンダも第5戦カナダGPからボア82.0mm×ストローク47.3mmの新仕様エンジンを投入するなど、大幅なパフォーマンス向上が図られた。
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新仕様エンジンの投入は、2戦目の第6戦デトロイトGPで早くも成果を挙げる。ケケ・ロズベルグがここでシーズン初勝利をあげ、直後の第7戦フランスGPではロズベルグが第2期初となるポールポジションを獲得、さらには第8戦イギリスGPでロズベルグが連続ポールを達成。第13戦ベルギーGPではこの年から新加入していたナイジェル・マンセルが2位、ロズベルグも4位というリザルトを残した。
続く第14戦ヨーロッパGP(イギリス・ブランズハッチ)から、ウィリアムズもシャシをFW10Bに進化させると、その勢いはさらに加速。ついにマンセルが悲願のF1初優勝をあげ、ロズベルグも3位に入った。さらに次戦 南アフリカGPではマンセルがポールトゥウィンで2連勝。ロズベルグも2位に続き、ウィリアムズ・ホンダにとって初の1-2フィニッシュとなった。そして最終戦第16戦オーストラリアGPでは、ロズベルグが優勝してウィリアムズ・ホンダは3連勝を飾ることになる。この3戦のパフォーマンスは圧巻だった。
ウィリアムズ・ホンダFW10は、この年16戦4勝、ポールポジション3回を記録。コストラクターズランキングは3位、ドライバーズランキングでもロスベルグが3位、マンセルが6位に躍進している。ウィリアムズ・ホンダFW10/FW10Bは、その後のホンダ黄金時代の到来を告げるモデルと言えるだろう。
前年1984年9月のイタリアGPから、総責任者に桜井淑敏(よしとし)が就任し、テレメーターシステムを開発し、経験や勘ではなく、すべてのエンジニアがデータを共有できるようにしたのも大きかったのだろう。
ウィリアムズ・ホンダFW10
Williams Honda FW10(1985)
エンジン:Honda RA165E(第5戦カナダGP以後)
●形式:水冷80度V6 DOHCツインターボ
●排気量:1498cc
●ボア×ストローク:82.0mm×47.3mm
●圧縮比:未発表
●最高出力:800ps以上/11200rpm
●燃料供給方式:PGM-FI
シャシ:Williams FW10
●デザイナー :パトリック・ヘッド
●車体構造:カーボンファイバーモノコック
●ホイールベース:2794mm
●トレッド前/後:1803/1626mm
●サスペンション:ダブルウィッシュボーン+インボードスプリングダンパー
●タイヤ前/後:12-13/16.3-13インチ
●燃料タンク:220L
●トランスミッション:ウィリアムズ/ヒューランド製6MT
●車体重量:540kg
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