YZF-R1を出す前から企画は始まってました。
何回も挫折し、試作車もいっぱい作りました。普通ではできない、矛盾だらけの開発だったんです。
普通だったら、絶対やれないですよ。日産のGT-Rと同様に、メーカーの威信をかけ、時間、コストといった制約を超越して作りえたものなんです。手作り感、ホンモノ感にも拘ったのも、ヤマハのブランドバリューを上げることが目標だったのに加え、日本のモーターサイクルの価値を引き上げたいというテーマもあったので、妥協はしませんでした。こうして完成したVMAXは、日本のオートバイが唯一作り得た独自価値、独自様式なのです。アメリカやヨーロッパのオートバイではなし得ない世界ですから、胸を張って『ジャパン・オリジン』だと言えると思います。
『牧野 浩 氏 ヤマハ発動機株式会社 MC事業部 マーケティング統括部(当時)』
「力の魂」に魅せられたらこれ以外に選択はない
圧倒的な存在感をアピールするそのマッシブな姿、エンジンは1.7リッターの大排気量。
峠道でこそ輝く!? 新型「KATANA」試乗インプレッション!
そこから生み出されるのは、全回転域で漲るトルクと爆発的なパワー。
国内仕様で151馬力、北米仕様では200馬力を発揮するといわれている。
スーパースポーツの200馬力じゃない、もっと大きな排気量が強烈なトルクで支える200馬力だ。スロットルのワイドオープンで…それが静止状態からだろうが、60 km/hからだろうが、このバイクは後輪をスピンさせながら猛然とダッシュする。
スタイル、スペックに加え、その走りでも強烈な「力」を発散させるのだ。
VMAXが、その全身で「力」を表現していることが、多くのライダー達を魅了している。
この唯一無二のキャラクターにライバルはいない。もしこの「力のカタマリ」に魅せられたとしたら、VMAX以外に選択肢は無いだろう。
またワイルドであっても各部の造形の細やかさ、仕上げの良さに抜かりはない。コスト削減を度外視した贅沢な造りの美しいバイクでもある。
それゆえにVMAXは専門のメンテライセンスを持ったYSPショップからしか手に入れられない特別なバイクでもある。
SPECIFICATION
■全長×全幅×全高2395×820×1190mm
■ホイールベース1700mm
■シート高775mm
■車両重量311kg
■エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブV型4気筒
■総排気量1679cc
■ボア×ストローク90.0×66.0mm
■圧縮比11.3:1
■最高出力151PS/7500rpm
■最大トルク15.1kg-m/6000rpm
■燃料供給方式FI
■燃料タンク容量15ℓ
■変速機5速リターン
■ブレーキ形式 前・後φ320mmダブルディスク・φ298mmディスク
■タイヤサイズ 前・後120/70R18・200/50R18
職人がひとつひとつ手作業でバフ掛けを実施
象徴的なアルミ製エアインテークは、手作業でのバフ仕上げを施した、手間のかかった逸品パーツ。
光の反射にも考慮し、バフの角度にも拘ったという。
インテーク上のバッジは、欧州仕様が音叉マーク、北米仕様は「スター」ブランドのロゴマークとなる。
巨大なV4ユニットこそVMAXのアイデンティティ
必要なパワーはエンジンそのもので確保し、YCC-TやYCC-Iといった電子デバイスでトルク特性を補ったという、最先端テクノロジーを結集した1679cc水冷65度V4エンジン。
エンジンの存在感を前面に押し出し、吸排気のフローをデザイン化したエンジンの外観デザインも、初代から受け継がれるVMAXのアイデンティティだ。
輸出仕様の200PSに対して国内仕様の最高出力は151PSとされたが、それでも十二分にパワフル。
RIDING POSITION 身長:176cm 体重:68kg
大柄なライポジで、ハンドルは少し遠め。
しかし、シートとステップとの相性がいいので街中でもスポーツライディング時でも非常に楽。
大きな吸引ダクトは長身なライダーにはニーグリップしづらいことも。
DETAILS
ヘッドライトはマルチリフレクタータイプで、バルブにはオーソドックスな60/55WのH4を採用。
上部にはポジションランプも備える。
ケース形状は、新型開発のテーマでもあった、強烈な加速に伴う空気の流れを意識して、ユニークなスラント形状を採用。
テールランプには近年の流行であるLEDを採用。
球切れの心配がなく、省電力であるなどメリットは多い。
ランプユニットは、アーチを描くような形状のレイアウトと、下に6灯のLEDを配した、上下二層のデザインとしている。
SOQI製のフルアジャスタブル正立フォーク。
チタンコーティングを施されたインナーチューブはφ52mmという極太サイズ。
ブレーキはφ320mmウェーブディスクに住友製6ポットキャリパーという組み合わせ。
タンク上のディスプレイは、オド、トリップ、時計、ギアポジション、燃料系、水温計などを表示。燃料残量が4Lを切ると燃料計が走行可能距離表示に切り替わる。メインメーターはアナログタコメーターの中にデジタルスピードメーターを組み込んだシンプルなデザイン。右上のライトは任意の回転数で点灯するシフトインジケーター。
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