仏ルノーは5月21日、新型「メガーヌRS トロフィーR」がニュルブルクリンク北コースでFF車最速レコードを更新したと発表した。
今回、“グリーンヘル(緑の地獄)”とも呼ばれる難コースで新記録を達成したメガーヌRS トロフィーRは、本年初頭に欧州で発売された「メガーヌRS トロフィー」をベースに、さらなる軽量化を施したモデル。パワーユニットは、トロフィーと同じ300ps/42.8kgmの1.8リッターガソリンターボだが、これ自体がスポーツグレードの「メガーヌRS」に積まれるユニットを20馬力/3kgm強化したものだから、やれるだけのことはやった仕様といえるだろう。
というわけで、ルノーのモータースポーツ部門「ルノースポール」のエンジニア達が今回力を注いだのは、徹底した軽量化。その結果、素のトロフィーに比べマイナス130kgという大幅な重量減を達成した。メガーヌがもともとそれほど大きくないCセグメントハッチであることを考えると、驚異的なダイエットといえるだろう。ほかにもエアロダイナミクスの見直しや、さらなるシャシーセッティングが施され、真のサーキットスペシャルと呼ぶにふさわしい改良が加えられている。
また、トロフィーRには、アクラポヴィッチのエグゾーストシステムやブレンボのブレーキ、ブリヂストンのタイヤ、オーリンズのショックアブソーバー、サベルトのシートなどのパーツが奢られている。
こうしたリエンジニアリングの成果として、トロフィーRは先月4日に20.6kmのコースで7分40秒100のラップタイムを叩き出した。これはホンダ「シビック タイプR」が持っていた従来の記録を3秒以上短縮するニューレコードで、ニュル最速のFF車の地位は再びルノーが得ることとなった。走行の模様はYouTubeにもアップされているから確認してほしい。
注目の実車公開はF1モナコグランプリ決勝を2日後に控えた5月24日となり、その後、本年末に台数限定で発売される予定だ。日本への導入については情報がないが、熱心なルノースポールのファンは国内にも多いだけに、是非とも販売を期待したいところだ。
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