最低地上高は9センチが見た目と実用面でのバランスが良い
どういうわけだか、むかしからクルマ好きの人間には、「ロー&ワイドなボディ+ぶっといタイヤ=カッコいい」という公式が刷り込まれてしまっている。こうした価値観からすると、車高を下げるのは、手っ取り早く愛車をカッコよく見せる手段になるので、見た目から入りたい人は、とりあえず車高を落として、ホイールを交換というのがドレスアップの定番だ。
もはや死語!? 昭和のクルマ好きが「通ぶって」使った自動車用語4選
保安基準では、最低地上高=9センチ以上という定めがあるが、これはなかなかいい数字。スポーティモデルなら、ノーマル車高から前後ともに30ミリぐらいダウンすると、ちょっと余裕を持って保安基準をクリアでき、なかなか見た目もカッコよくなる。コンビニやファミレスの駐車場などに入る際も、最低地上高が9センチぐらいあれば、あまり下を擦る心配もないので実用的。
ちなみに、保安基準では「ボディを含む構造物以外の、可動する部位」は最低地上高の対象に含まれないことになっていて、灯火類のついていないエアロパーツもそれに該当するので最低地上高は、9センチ以下になっても一応OK。なかには、コンビニに入るときにも気を使うほど、エアロが低いところについているクルマもいるが……。そこまで低いクルマは、「利便性<スタイリング=気合いが入っている」ということをアピールし、認知してもらえるメリットがあるのかもしれない。
燃費や最高速の点ではマイナスに……
もちろん、ローダウンのメリットはカッコだけではない。クルマの動的性能でいえば、車高が低いほど重心が下がり、重心が低くなればなるほどクルマは安定する。重心が低いと、ロールモーメント(ピッチングも)が減るので、加速・減速・コーナリング時の荷重移動量が少なくなり、動きが俊敏になって、オツリが来なくなる。
また低重心化は、4つのタイヤの接地性アップにも大きく貢献。レーシングカーが車高の低さを重視するのは、コース一周の平均車高を下げることによって、すべてのタイヤのグリップ力の総和を増やすため。
反対に、車高を落とすことによってトレードオフになる部分もある。ひとつは、前記の実用性。車高の低いクルマはちょっとしたギャップを乗り越えるときにも気を使うことになるので、不便といえば不便。
また、サスペンションを交換して車高を下げる場合、サスペンションのストロークが犠牲になるので、どうしてもバネレートを高くする必要が出てくる。単純にいえば、車高を落とすためにサスストロークを50ミリから25ミリに減らしたとすると、バネレートは2倍にしなければならない。結果としてサスペンションは硬くなり、乗り心地は悪くなる。
空力的には、ボディ下面がフラットで、リアにディフューザーが付いていれば、車高が下がることで、ベンチュリー効果が高くなり、ダウンフォースが増えると考えられる。その分、空気の粘性抵抗が増えるので、燃費や最高速の点ではマイナスに……。
というわけで、上手にやればローダウンのメリットはそれなりにあるが、やり過ぎればデメリットも出てくる。そこそこのところで楽しむのが一番なのだが、そこそこでは面白くないという人は、保安基準の範囲内で、ご自由にどうぞ!?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?