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ピーク時よりも30%以上減少! 「卒車」に悩まされ新車の売れない日本の販売現場の危機

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ピーク時よりも30%以上減少! 「卒車」に悩まされ新車の売れない日本の販売現場の危機

 日本は新車販売台数もその内訳も良い状態ではない!

 いまや新車販売の主要市場は中国をはじめとする新興国となっている。世界第一位の市場となった中国の2017暦年締め年間販売台数は約2800万台、2位のアメリカは1700万台、そして約523万台と急激に台数は落ちるものの、日本市場は世界第3位の規模となっている。しかしインドの2017暦年締め新車販売台数が約401万台となっており、インドに抜かれて第4位に日本が落ちるのは時間の問題とされている。

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 そんな日本市場での過去最高となる新車販売台数は1990年の777万台だ。2017年が約523万台なので、2017年は1990年比で約67%まで市場規模を落としていることになる。そして単なる台数だけでなく、その内訳にも注目してもらいたい。1990年の乗用車総販売台数に占める軽自動車の割合は約15%だったのが、2017年では32%までアップしている。いまの国内新車販売は軽自動車が支えている部分が多いともいえよう。

 1990年比で67%まで市場規模を落としているが、その内情もかなり深刻である。1990年でも“新古車”などと呼ばれた登録済み未使用車はあったものの、登録後にキャンセルになった車両など、かなりレアな事情で生まれていた。しかしいまは販売台数の上積みのために、軽自動車やコンパクトカーあたりをメインに当たり前のようにディーラー名義などで自社登録(軽自動車は届け出)が行われ、登録済み(軽自動車は届け出済み)未使用車が中古車市場に溢れている。

 さらにカーシェアリングやレンタカーなどへのフリート販売も増える一方である。つまり台数ベースでの市場規模の縮小以上に、その中身もかなり“行儀のよくない”状態となっているのである。

 若者のクルマ離れと卒車の両面で苦しむ新車販売現場

 いま新車販売現場では、“卒車”といってもいい動きに悩まされている。

 残価設定ローンは、3年や5年後などについて残価率を設定し、当該車両の残価を算出して、その分は支払最終回に据え置きし、残りを分割して払っていくことで支払い負担を軽減するもの。支払最終回分の精算は、当該車両の返却や、再ローンで支払い続けることもできるが、同じメーカー系ディーラーで代替えすることでも精算することが可能となり、代替え客の囲い込みを狙って設定されている。

 しかし現場では、「とくに年配の方は車両を返却して、自動車自体の所有をやめるひとが目立っています」とのこと。いまどきの若年層は収入面や価値観の違いなどから、都市部を中心に“クルマ離れ”が顕在化しており、顧客の“高齢化”による、まさに“卒車”がディーラー経営を直撃しているのである。ローンの完済だけでなく、車検到来のタイミングや免許更新時期や免許証の返納などにより、とにかくクルマの所有をやめるひとが目立っているのだ。「運よく新車に代替えしていただいても、『これで最後だな』などと冗談交じりに話されるお客様がおられますが、こちらはある程度覚悟はしてしまいます」とのこと。

 とにかく、新車販売は今後明らかに好転することはまず望めない。ユーザーの高齢化による“卒車”が、若年層をメインとする新規ユーザーの流入よりはるかに多いのだから、ディーラーの管理顧客は減る一方となる。販売台数の伸び悩みだけでなく、顧客自体が減少していくところで問題は深刻さを増している。いまどきはどのディーラーも“他メーカー車の車検入庫大歓迎”などとしているが、それは管理顧客の減少傾向が目立ち、管理顧客の入庫数だけではやっていけないためである。

 さらに世の中のクルマへの興味も薄れている中、日本車を中心に最近のクルマは壊れにくくなっているので、平気で10年以上乗り続けてしまうケースも目立つ。“故障して走らなくなったから購入する”といったパターンも珍しくないので、新車の販売苦戦傾向は今後も続くだけでなく、より深刻化していきそうである。

 少子高齢化状況が改善の兆しすら見えないなかでは、人口減少傾向にも歯止めはきかないので、新車販売は出口の見えない苦戦傾向に入っていると言っていいだろう。

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