クラウンやセド・グロのライバル車ベレルも見られる
神奈川県藤沢市にオープンしたいすゞの現在と歴史がわかる記念館「いすゞプラザ」。いすゞプラザに限らず、こういったギャラリー系ではやはり展示車両の存在を無視することはできない。もちろんいすゞプラザでも魅力的な車両が多数展示されているのだが、ほかのギャラリーではまずお目にかかることができない車両が存在しているのだ。
【名車揃い!】惜しまれつつも消えた「いすゞ」の乗用車その(1)
それがこの「SKW」と呼ばれるもの。これは防衛省に納入され、自衛隊で使用されているトラックそのものなのだ。以前は「73式大型トラック」と呼ばれていたが、現在は「3 1/2t(3トン半)トラック」と呼ばれ、2011年に起こった東日本大震災でも他の車両が行動不能になるなか、最後まで稼働したという逸話もあるほどの車両である。
そんな希少車が展示されるだけでなく、実際に運転席や後部の荷台に自由に入ることができる状態になっているというから驚いてしまう。いすゞ担当者も防衛省に展示したい旨を伝えたところ、快くOKしてくれたのだそうだ。
こちらは路線バスでも馴染みの深いエルガであるが、多くのバスが各事業者カラーに塗られてしまっているため、真っ白なボディというのはなかなか新鮮。建物のなかで見るとその大きさが一層際立って見える。
いすゞがクラウンやセドリック、グロリアのライバル車種として1961年にデビューさせたのがこのベレル。車名のベレルとはローマ数字で50を意味する「el」と鈴を意味する「bell」を組み合わせた造語であり、社名の「五十鈴(いすゞ)」が由来となっている。搭載されるエンジンは2リッターのディーゼルエンジンで、日本初の量産型ディーゼル乗用車でもある。
ともすると素通りしてしまいそうなくらい普通のトラックであるエルフKRだが、このモデルはいすゞで初めてコモンレール式エンジンを搭載したエポックなモデルであり、クラッチレスMTの走りでもある「デュアルモードMT」を搭載したのもこのモデルだった。
あれ? なんでいすゞプラザにシボレーのクルマがあるの?? と思った人もいるだろうが、じつはこれ、いすゞの小型トラックであるファスターがベースになっている車種なのである。メチャメチャアメリカンな雰囲気があるかもしれないが、ファスターとの大きな違いはグリルにシボレーのボウタイマークがついている程度。元々アメリカンなデザインだったというわけだ。
希少な旧車だけでなく、バスやトラック、そして自衛隊の車両まで見られるのはいすゞプラザだけといっても過言ではない。ぜひ、みなさんも実際に足を運んで体感してみてはいかがだろか。
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