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グッドイヤー  ベクター4シーズンハイブリッドタイヤ チェーン規制対応は大きな魅力

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グッドイヤー  ベクター4シーズンハイブリッドタイヤ チェーン規制対応は大きな魅力

グッドイヤーから2016年8月にオールシーズンタイヤの「ベクター4シーズンズハイブリッド」が発売になり、そのお披露目、試乗イベントがあり参加してきた。ベクター4シーズンズハイブリッドは、文字通り季節を問わない年間を通して履けるという性格を持つタイヤで、ターゲット層としては、中程度の降雪地という説明があった。中程度というレベルが曖昧で、具体的なところがはっきりしないがタイヤに対する要求性能をユーザーの判断に委ねる部分が多いのかもしれない。

オールシーズンタイヤのメリットとしては、夏・冬の履き替えが不要であるため、タイヤ代は1セット分で済む。もちろんホイール代も不要だし、脱着も1回の作業で済む。また、履き替えの手間や保管の問題もクリアになるから、言うことないのだが、問題は性能ということになる。

ベクター4シーズンズハイブリッドは、「スタッドレスに近い性能、夏タイヤに近い性能」と謳っていて、どの程度の「近い性能」なのか試乗の機会を得たのでレポートをお届けする。

■試乗テスト

試乗会場は富士スピードウエイのショートコースで、コース上には散水車でウエット路面を再現した部分と、人工的に雪上を再現したものが用意されていた。他は通常のドライ路面での試乗だった。また、テストははグッドイヤーのE-Grip ecoの夏タイヤとICE NAVI6のスタッドレス、そしてベクター4シーズンハイブリッドとの乗り比べという試乗方法だった。

ただし、走行方法はすべて先導車に追従する走行で、ドライ路面での速度域でも直線で80km/h程度だったと思う。またウエットでは50km/hでコーナーに進入し、アンダーが出やすいようにパイロンを使ったセッティングになっていた。人工の雪は25km/hで進入し、ブレーキングテストをする試乗だった。

しかし、周回数は各タイヤ、1周~2周程度であり、また、テストノウハウを使ったテストはトライできず、用意されたフィールドでの判断になる。がしかし、それだけでは、タイヤの性能差を明確にはつかめなかった。また正確なレポートも難しい。唯一雪上でのブレーキテストでは夏タイヤよりは短い距離で停止したものの、スタッドレスに近い性能なのか?は判断できない。

ドライやウエットも同様で、スタッドレスよりは高性能であることはわかるものの、夏タイヤに近い性能なのか?判断しにくい。今後、実用的な環境でのテストをする機会があれば、ロードノイズのチェックも含めレポートしたい。

■チェーン規制に対応

このベクター4シーズンハイブリッドの最大の魅力はチェーン規制に対応していることだろう。従来から存在するオールシーズンタイヤには、その適応範囲の広さから魅力を感じていたものの、チェーン規制に対応していないことから二の足を踏んだ人も多かったと思う。表示はM&S(マッド&スノー)と表記されているものの、日本の規制には適合していなかったが、今回対応できたことで、文字通り一年を通して装着したままで法規的にはOKとなったわけだ。従って経済的にも、そして手間いらずの管理になるわけだ。

特に北米ではオールシーズンタイヤは一般的で逆にスタッドレスタイヤのほうが普及していない。国内の降雪地域では夏・冬履き替えることが常識ではあるものの、めったに雪は降らないが、たまに降るといったエリアでは重宝する。

ベクター4シーズンは、もちろんスキー場まで行くことも可能だし、関東近県でいえばスキー場まで雪の上を走るケースはほとんどなく、降雪直後以外はドライで走れるほど除雪レベルも高くなっている。また、スタッドレスタイヤは意外にもウエットでの排水性能、操安性が弱いことは経験的に知っている人が多いと思う。

とりわけSUVや、AWDモデルにはドンピシャな印象がある。実際、欧州のコンパクトSUVにはオールシーズンタイヤが標準装着されるケースが増えつつあるのだ。高速道路や未舗装エリア、そして雪上と目まぐるしく変わる道路環境でも安心材料として使えるというのがベクター4シーズンズハイブリッドだ。

■構造

ベクター4シーズンハイブリッドのトレッドデザインは「V字トレッドデザイン」としており、ショルダー部は剛性を高くし、安定性能を上げ夏タイヤの性能を持たせている。また、センター部は細かい溝を配し積雪路面に対応するようにトレッドがデザインされている。

特に積雪対応するセンター部は細かくサイプされているが、サイプ側面にワッフル状の凸凹を形成しブロック間が支えあう構造をしている。そのため高いブロック剛性を生み出し、路面を選ばない運動性能としている。

コンパウンドでは、専用のオールウエザーシリカコンパウンドと専用ポリマーの分子構造で、全天候に対応するゴムとしている。

ちなみに、この日用意された試乗車はプリウスHVだった。日本の代表的な量販モデルで、プリウスに装着されれば、タイヤ販売はヒット間違いないのだが、プリウスの純正タイヤには燃費という重要な役目をもっているために、果たして、どれほど影響がでるのか?そのあたりも気になった。やはり、編集部としてはSUVやクロスオーバー系のモデルにマッチし、ハッチバック、セダン系はユーザーの使い方次第でマッチできるタイヤではないか、と思う。

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