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イベント 2019.3.9

カーデザイナー永島譲二の水彩画展 アウトガレリア・ルーチェ企画展

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生粋のクルマ好きがデザイナーに

永島譲二さんは、子供の頃から新しいアメリカ車や欧州のスポーツカーを間近に見られる環境に育ち、少年時代に行動の範囲が広がってからは自ら外車ディーラーを訪れ、自動車雑誌を愛読書としていたというから、極め付けのエンスージャストであり、長じてカーデザイナーになったのも宜なるかな。しかし、持って生まれた才能とセンスがあったに違いない。

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デトロイトのミシガン州立大学の芸術学部工業デザイン科を卒業する頃にはピニンファリーナからの採用通知も届いていたが、あえてGMに入り、その傘下にあったドイツのオペルへの配属を希望した。そしてオペルからフランスのルノーへ転籍すると、サフランをデザインした。その後BMWに移籍して、Z3というモダンでありながらクラシックな趣も両立させた、それまでのBMWにはなかったデザインを持つスポーツカー生み出し、高く評価された。現在はBMWデザインを統括する立場にある。

デザイナー的見解の素晴らしさ

また、自動車雑誌誌に『名車の残像』という所謂『名車』の数々をスタジオ撮影して、毎回取り上げられた車についての論評的エッセイを連載した。その後、『駄車・名車・古車 デザイナー的見解』という、今度は写真ではなく自ら描いた水彩画といくつものイラストを混じえて、さらに広範にクルマをめぐるエッセイの連載を始め今に至っている。

『美は細部に宿る』という評語もあるけれど、その連載エッセイでは、自動車の長い(といっても100年少々だが)歴史のなかから、GMのデザインの秘密と伝統を開示してくれたり、時には傍流の車のデザインであったり、また誰もが知らない埋もれてしまった孤独な車や、そのデザインのごく細かいところを取り上げるなど多方面に渡り、とても興味深いものである。森全体も見渡しながら、一本の木の周りに共生する苔や粘菌類にまで注目するように、ごく細かいディティールまでも、ないがしろにしない人、と思わせられる。その文章は示唆に富み、自動車について書きながら、それを取り巻く我々の文化全般に筆は及ぶ。

美術批評、建築批評に比べて、自動車についての言説は、批評の領域に達せず、ほとんどが単なる商品解説に過ぎないなかで、永島譲二の『デザイナー的見解』によるエッセイは貴重だ。彼は感覚ばかりか言語でも、自動車という存在に迫ろうとする。日本的ではないロゴスの人である。

水彩画への転換

しかし、また、言葉を超えたイマージュが、その古今東西のクルマのデッサン/イラストや水彩画が素晴らしい。水彩画は、ある時、自動車デザイナーとしての技法がすべて自家薬籠中の物として到達点に立ったと自覚した時に、新しい地平を開拓するために、それまでの技法や画材をすべて捨てて、新しく始めた技法だった。そこで新たな境地に進出したのだが、その作品はロベール・ドローネーやジョルジュ・スーラのように素晴らしい。とりわけ、パリの街角に佇むプジョーやシトロエンやパナールなどが素晴らしい。その光と陰。先に挙げた画家たちのように色彩が豊かであるけれども、もっと奥行きがあり陰影がある。そして、クルマの本当の美しさを伝えてくれるかのようである。それは微妙なセンスなので、誰もがわかることではないかもしれない。しかし、彼は言葉とイマージュの両方によって、その微妙なセンスをより多くの人に伝える努力を怠らない知性と誠実の人である。

永島譲二さんはある時、述懐した、『いくらカッコよくデザインしたつもりでも、周囲の環境によってはそれがカッコ悪くも見えてしまう。そのことを教えてくれたのがパリの街だ。パリぐらい似合う車と似合わない車がハッキリわかれてしまう街は他にない』と。

今回のアウト ガレリア ルーチェの企画展では、永島譲二さんの絵画作品に合わせて、パリという美の判定の厳しい街で走り佇む、さりげない普通のクルマたちが展示されている。ここから何を感じ取るかはあなた次第ということになるのだろう。
展示車は、ルノー、シトロエン、プジョーというフランスの3大メーカーに加えて、今は存在しないパナールを含め、5台(室内)プラス1台(屋外)であるが、まさにフランスを代表するメーカーの代表的な車種が選ばれているので、この機会にキャプションでそれぞれのメーカーの簡単な歴史と車両の解説を行ってみた。

カーデザイナー永島譲二の水彩画展

開催場所:
アウト ガレリア ルーチェ
名古屋市名東区極楽1-5
TEL:052-705-6789
開催期間:2019年2月2日~4月30日
開場時間:12:00~18:00
休館日 :月曜日、火曜日(祝祭日を除く)

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(AUTOCAR JAPAN 編集部)

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みんなのコメント

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  • fxh*****|2019/03/09 21:24

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    CGの連載「駄車・名車・古車」は大好き。特にミシガン州立大学時代のエピソードはめちゃめちゃ面白かったなぁ。加えて、1960年代の末、デトロイトのデザイナー達は本気で戦前のデザインへの回帰を試みていたという証言も衝撃だった。ミカバンドじゃないけど、未来的な新しいデザインも戦前のデザインもフラットに同居しているのが、当時のアメリカ人デザイナーの感覚だったというのだ。

    また知り合いが当時在籍していたからということで、シムカやクライスラー・ヨーロッパがちょくちょく話題に上ってくるのもうれしい。

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