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プロドライバーに聞く「同乗走行した時にチェックすべきドラテクのポイントとは」

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プロドライバーに聞く「同乗走行した時にチェックすべきドラテクのポイントとは」

日頃の運転にも役立つスムーズな荷重移行

 ドライビングスキルを磨きたい、スポーツドライビングのコツを掴みたい。クルマの運転技術を向上させたいと思ったら、ドライビングスクールに参加してみることをオススメする。自動車メーカーやタイヤメーカー、サーキットなどが主催しており、レーシングドライバーが個人もしくは団体として、定期的に開催しているものなど、探せば多彩なイベントが行なわれている。もちろん、習得した技術は日常走行でも役立つことばかりだ。

プロに聞く! レーシングドライバーがいう「タイヤの限界」とは

 会場も国際格式サーキットからミニサーキットやショートコース、ジムカーナ場や大きな駐車場を貸し切って行うスタイルまで幅広い。意外と敷居は低く、自分に合ったプログラムが見つけやすいはずだ。

 レッスンする内容は日常の安全運転にも直結。モータースポーツ入門としても楽しいし、スキルアップの近道として、利用しない手はない。そして、多くのドライビングスクールでは、プロのインストラクターの運転を助手席で体験できる「同乗走行」の時間を設けている。

 これが非常に勉強になる。もっとも慣れないうちは、同乗走行から何を学べばいいのかわからず、「うわ~(プロは)速いな~」とか、「ブレーキはここから踏むのか」とか、「ライン取りは……」と、表面的な“情報”に関心が向いてしまうかもしれない。それはそれで大事な情報で、貴重な経験といえる。だが、せっかくの機会を最大限生かすには、もっと違うところに目を向けてもらいたい。

 そこで、「プロに聞く!」シリーズの第二弾として(第一弾はレーシングドライバーがいう『タイヤの限界』とは)、一般ドライバー向けのドライビングレッスン「ワンスマ」(ワンデースマイル)のイベントを年間で70~80回も開催している澤圭太選手に、同乗走行で学んでほしいポイントをレクチャーしてもらった。

「同乗走行で、見てほしい部分ですか? それは、ずばりスムーズとメリハリのバランスですね。スムーズなのは、ドライバーの操作のスムーズさではなく、車体の挙動移行のスムーズさのこと。メリハリがあるというのは、操作の強いところと弱いところがしっかり分かれているということを知ってもらえればと思いますよ」。

ゆっくり操作とスムーズはイコールではない

 続けて「一般ドライバーの皆さんは、メリハリをつけるというと、クルマの挙動にメリハリをつけてしまうんですよ。また、ゆっくりした操作がスムーズと思っている人が多い。じつはその反対が正解なんです。最近はドラテクに関しても情報過多の時代なので、頭でっかちになるのもわかります」。

「実際に用意したコースを走ってもらっているときも、料理のレシピを見ながら材料を何グラム用意して、それを何分煮込んで、最後に○○を加えて……、といった具合に、手順と情報を追いかけているだけの運転になっている人が目立ちますね。料理でいえば、見た目上は美味しそうに見えるかもしれませんが、自分のスキルにはならないわけです」。

「だから同乗走行体験からは操作を真似るのではなく、その意図と目的を真似てほしいです。残念なのは同乗走行で、どこ位置からどのラインを通っているのかという、位置情報だけを見ている人。じつは位置情報よりもどっちを向いているかとか、クルマの挙動の状態こそが大事なんです」

操作は続いてもクルマが安定している理由

「つまり、何の操作をどれくらいで、どのようにするのか。特にどのようにやるのかがキモ。何の操作をどのくらいやるかはコーナーの入り口までなので、その先を見てほしいですね。例えばコーナリング中、ハンドル操作は止まっていません。でもクルマの挙動は安定しているはずです。操作は動き続けてもクルマは安定し続ける。この関係性にスキルアップのカギがあるんです。というわけで、同乗走行では、とにかくクルマのいい走りの状態を知ってください」。

 さらに「タイヤのグリップが限界ギリギリのときの動き、そしてタイヤが鳴き始めるスキール音を体で覚えるのが第一歩。操作のやり方を追いかけるのではなく、いい挙動とスキール音とはどういうものかを知ってもらってその上で、どういう操作をすればいいのかを、考えていきましょう」

 同乗走行で自分の愛車のいい状態、いい挙動をプロに引き出してもらって、その感覚の再現を目指す。その体伝体得のプロセスが同乗走行の真髄。ビギナーや上級者を問わず、ドライビングスクールの同乗走行にはスキルアップのヒントがたくさんあるので、ぜひ実地にトレーニングを受けてみよう。あらかじめ、疑問・質問を用意して、同乗走行中にプロに直接聞いてみるのもいいだろう。

 百聞は一見にしかずというが、プロの隣に乗ることで、長年の疑問が氷解するのも珍しいことではないし、同じプロでも一人ひとり違うドライビングスタイルを持っていたりもするので、ドライビングスクールを梯子して、その違いを体感してみるのも面白いはずだ。

取材協力:ワンスマ

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