現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 【津川哲夫のF1新車初見チェック】光明が見えてきたウイリアムズ。それでも気になるFW43のサスペンション位置と運営面

ここから本文です

【津川哲夫のF1新車初見チェック】光明が見えてきたウイリアムズ。それでも気になるFW43のサスペンション位置と運営面

掲載 更新
【津川哲夫のF1新車初見チェック】光明が見えてきたウイリアムズ。それでも気になるFW43のサスペンション位置と運営面

 チーム内の組織変更やドライバー変更など、何かと問題の多かった近年のウイリアムズだが、今シーズンに向けてニューマシンのFW43を発表した。他チーム同様、マシンの方向性は昨年のFW42からの進化型だが、その踏襲型ながらFW43は各部が引き締まった感がある。

 ここ数年、低迷を続けてきた原因の多くはコンセプトのブレが大きかったと考えられる。特にエアロに関しては断固たるコンセプトが見えないまま、目先のトレンドを追って開発変更を繰り返してきたが、昨年後半、ようやく2年ぶりにわずかにパフォーマンスの向上が見られた程度であった。

【ギャラリー】2020年型ウイリアムズF1マシン『FW43』

 昨年のウイリアムズFW42は事実上、2年程遅れのコンセプトによる、開発の方向性が歪んだマシンになってしまった。今年のFW43では、少ないリソースとリーダーシップの欠けたチーム体制ながらも、開発陣が必死にマシンパフォーマンスを向上させようとする努力が伺え、今シーズンに若干の光明が差している。

 昨年のコース上での一番の問題点は、マシンの冷却不足にともなうメルセデスPU(パワーユニット)のオーバーヒート問題があった。ワークス程に大きなトラブルにならなかったのは、カスタマーとしての使用状況がPUに優しかったからだろう。

 今年はこのオーバーヒート対策に向けて、サイドポッドを中心にラジエター類のインターナルエアロを変更し、サイドポッドのリーディングエッジにトレンディな最新デザイン処理を施してきた。


 さらに昨年苦しんだフロントアップライトの剛性問題とブレーキの問題にも対処が見える。ただ、ロワアームをアクスルセンターよりも高い位置に設定するデザインはそのまま残されたようだ。

 このアーム周りのエアロも前後サスペンションとともにリファインされ、エンジンカバーと排熱もかなりダイエットに成功しているが、それでもエンジンカバーのボリュームはトップエンドのチームのレベルにはまだ追いついてはいない。

 もともとプライベーターとしての老舗チームでチームとしての潜在ポテンシャル極めて高いはず。人事とリソースの確保等、今シーズンもまたFW43の成果は現場よりもマネジメントの能力にかかっているように見える。




関連タグ

こんな記事も読まれています

ライズよりちょいデカで200万円!? しかもEVってマジかよ!! BYDのコンパクトSUVがお見事すぎる!! 内装もヤバいのよ
ライズよりちょいデカで200万円!? しかもEVってマジかよ!! BYDのコンパクトSUVがお見事すぎる!! 内装もヤバいのよ
ベストカーWeb
[300馬力超]爆速の軽自動車が誕生!! マツダの軽「シャンテ」にロータリー搭載が最高だった
[300馬力超]爆速の軽自動車が誕生!! マツダの軽「シャンテ」にロータリー搭載が最高だった
ベストカーWeb
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
AUTOSPORT web
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
AUTOSPORT web
イケイケなフィアット「パンダ」も大雨には勝てず…イタリアの最新道路事情を私的にレポートします【みどり独乙通信】
イケイケなフィアット「パンダ」も大雨には勝てず…イタリアの最新道路事情を私的にレポートします【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
佐藤凛太郎インタビュー:「父と同じ道を進みたい」琢磨の息子がPONOS RACINGからFIA-F4デビュー
佐藤凛太郎インタビュー:「父と同じ道を進みたい」琢磨の息子がPONOS RACINGからFIA-F4デビュー
AUTOSPORT web
小さな「万能SUV」がマイチェン 熟成のフォルクスワーゲンTクロスへ試乗 95psでも魅力的
小さな「万能SUV」がマイチェン 熟成のフォルクスワーゲンTクロスへ試乗 95psでも魅力的
AUTOCAR JAPAN
なぜホンダ「N-BOX」が日本一売れているクルマなのか? Z世代が試乗してわかった軽の枠を超えた快適性と便利さとは
なぜホンダ「N-BOX」が日本一売れているクルマなのか? Z世代が試乗してわかった軽の枠を超えた快適性と便利さとは
Auto Messe Web
アロンソのペナルティに関する再審査請求をスチュワードが却下。アストンマーティンF1の新証拠には重要性が認められず
アロンソのペナルティに関する再審査請求をスチュワードが却下。アストンマーティンF1の新証拠には重要性が認められず
AUTOSPORT web
6.5リッターV12搭載のフェラーリ新型モデル『12チリンドリ』登場。スパイダーも同時デビュー
6.5リッターV12搭載のフェラーリ新型モデル『12チリンドリ』登場。スパイダーも同時デビュー
AUTOSPORT web
ベースは極上2002 クーペ BMWガルミッシュ(2) 現代のカロッツエリアが見事に再現
ベースは極上2002 クーペ BMWガルミッシュ(2) 現代のカロッツエリアが見事に再現
AUTOCAR JAPAN
BMWガルミッシュ(1) 巨匠ガンディーニによる先取り3シリーズ 同意を得ず「密かに」製作!
BMWガルミッシュ(1) 巨匠ガンディーニによる先取り3シリーズ 同意を得ず「密かに」製作!
AUTOCAR JAPAN
充電環境もプレミアムブランドにふさわしく
充電環境もプレミアムブランドにふさわしく
グーネット
ルクレール予選2番手「マシンは良い状態で、大きな修正は必要なかった。明日は優勝を狙う」フェラーリ/F1第6戦
ルクレール予選2番手「マシンは良い状態で、大きな修正は必要なかった。明日は優勝を狙う」フェラーリ/F1第6戦
AUTOSPORT web
GW明けだけど渋滞あり! 中央道の東京区間で交通規制 NEXCO中日本が迂回呼び掛け
GW明けだけど渋滞あり! 中央道の東京区間で交通規制 NEXCO中日本が迂回呼び掛け
乗りものニュース
「信号待ち」はフットブレーキを踏む? それともギアを「Pレンジ」に入れる? どっちがクルマに優しく安全なのか
「信号待ち」はフットブレーキを踏む? それともギアを「Pレンジ」に入れる? どっちがクルマに優しく安全なのか
くるまのニュース
プラモ作りにデコチャリからデコトラ運転手という王道コース! 一時落ち着くもSNSを通じてデコトラ熱が再燃したアラフィフの日常
プラモ作りにデコチャリからデコトラ運転手という王道コース! 一時落ち着くもSNSを通じてデコトラ熱が再燃したアラフィフの日常
WEB CARTOP
“63”だからこそ得られる快感──新型メルセデスAMG GLE63 S 4MATIC+クーペ試乗記
“63”だからこそ得られる快感──新型メルセデスAMG GLE63 S 4MATIC+クーペ試乗記
GQ JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村