2024年シーズンのF1は開幕2戦を終えて、上位をレッドブル、フェラーリ、マクラーレン、メルセデス、アストンマーティンの5チームが占めている状況。コンストラクターズランキング6番手につけるハースのニコ・ヒュルケンベルグは、そうした現状から下位5チームはポイントを獲得するために“常識”を超えた作戦を採る必要があると考えている。
第2戦サウジアラビアGP決勝でハースは、計20秒のタイムペナルティが科されたケビン・マグヌッセンを活用し、他とは異なるステイアウト戦略を採ったヒュルケンベルグを援護。マグヌッセンがあえてペースを落として後方ドライバーを抑え込むことで、大半のドライバーがピットストップを終えた中でもヒュルケンベルグはトラックポジションを実質失うことなく10番手でコースに戻り、そのままチェッカーを受けた。
■角田裕毅のレースを台無しにしたマグヌッセンの”戦略”をRBが猛批判。角田は「それでも抜いてみせないと」
マグヌッセンがRBの角田裕毅を抜き返す形で後続集団のトップに立ってブロックを行なったことから“ブロック戦略”には賛否両論あるが、最後に笑ったのはハース。今季初のポイントを獲得し、ライバルのアルピーヌ、RB、ウイリアムズ、キック・ザウバーが開幕2戦で無得点のためコンストラクターズランキング6番手につけた。
ヒュルケンベルグは、上位5チームがパフォーマンスで後方を突き放していることから、ベーシックな戦略で下位5チームがポイントを獲得することがますます難くなっていると語った。
「このレース(サウジアラビアGP)みたいに現在の上位5チームが生き残ると、トップ10が埋まることになる」とヒュルケンベルグは言う。
「だから僕はいつも、何か型破りなことやそうじゃない(理論的ではない)こと、常識を超えたことをやらなければいけないと思っている」
「自分の運気を少し押し上げて、何か違うことをして、自分でリスクを取っていかなきゃいけない。過去そうだったように、(リスクが)報われることもしばしばあった」
チーム代表の小松礼雄は、サウジアラビアGPでのブロック作戦を「素晴らしいチームワークの賜物」だと称賛し、次のように語った。
「我々は10位のために争っています。1点ですが、他8名のドライバーと争うことになりますし、チャンスを掴むためには全てが完璧である必要があります」
「(マグヌッセンが)ポイント争いから脱落していることに気がついてから、我々は素晴らしい決断をしました。ケブ(マグヌッセン)が素晴らしいドライビングで他のドライバーたちを抑えながら目標ラップタイムを記録し、ニコも完璧なドライビングでした」
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