2024年F1第21戦サンパウロGP。決勝レースのスタート前から各所で混乱が発生し、その後レースは雨の影響で赤旗中断となった。この赤旗で明暗が別れ、ステイアウトを選択していたアルピーヌは2台揃って上位に浮上した。サンパウロGP後半を無線とともに振り返る。
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【F1第21戦無線レビュー(1)】スタート前から混乱発生「砂にはまった」「違うグリッドについた?」「君は正しい行動をした」
ランド・ノリス(マクラーレン)がピットインすべきかチームとやりとりしていた26周目前後、雨足はかなり強くなっていた。首位のジョージ・ラッセル(メルセデス)はそれをチームに伝え、ステイアウトを主張した。
ラッセル:このまま行ったら赤旗だ。もう赤旗を出すべきだ。単にコース上にとどまるのも難しい状態だ。絶対に大クラッシュが起きるよ。ターン4と……、ターン13に大きな水たまりができている。クラッシュ必至だよ。赤旗になるからステイアウトだ。
マーカス・ダドリー:わかった。ボックス、ボックスだ。
ラッセル:違うよ。赤旗になるんだって。
ダドリー:だからボックスだ。ボックスすべきだ。
意思の疎通がうまくいかなかったということか。赤旗が出るのなら、その後自由にタイヤ交換できる。ラッセルのその思いはなぜかダドリーには通じなかったようだ。首位を走っていたラッセルは、この直後の28周目にピットイン。4番手に後退する。そして2周後の31周目、フランコ・コラピント(ウイリアムズ)がターン12立ち上がりで単独クラッシュを喫し、レースは赤旗中断となった。
これでステイアウトしていたエステバン・オコン(アルピーヌ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)が1~3番手に上がった。
ダドリー:赤旗だ。
ラッセル:XXX! だからXXX、言ったじゃないか! ステイアウトすべきだって!
放送禁止用語オンパレードで、ラッセルは怒鳴りまくった。それはそうだろう。ステイアウトしていれば、そのまま首位をキープできていたはずだ(フェルスタッペンの脅威的ペースに、その後対抗できたかは微妙だが)。
6番手まで上がっていたリアム・ローソン(RB)も、同じくピットインしたために10番手に後退した。
ピエール・アムラン:赤旗だ。
ローソン:それは素晴らしい。
そして2番手だったノリスは、4番手に。フェルスタッペンに先行されてしまった。
32周目
ノリス:(赤旗中断中に)みんな自由にタイヤ変われるんだよね?
ジョゼフ:その通りだ。
ノリス:ああ~
33周目
カルロス・サインツ:リッキー、これ、新品のインターミディエイトじゃないよね。どこに行っちゃったの? おーい、聞いてる?
実際には新品インターだったようだが、担当エンジニアのリカルド・アダミから返事はなかった。その後サインツは、39周目にタイヤバリアに激突してレースを終えた。
一方、望外の2番手に上がったフェルスタッペンは、首位オコンに激しく迫っていた。
40周目
ランビアーゼ:言っただろ。1周前には薔薇色に見えても、次の周には何が起きるかわからない。レースはまだ長い。集中していくんだ。まだ29周ある。
ランビアーゼがそう伝えた直後の43周目、フェルスタッペンがオコンを攻略し、ついに首位に立った。
赤旗中断まで優勝争いをしていたノリスは、自身のミスもあって6番手まで順位を落としていた。チームメイトのオスカー・ピアストリは、60周目の時点で7番手。しかしオリバー・ベアマン(ハース)との接触事故で10秒ペナルティを科され、さらに順位を落とす恐れがあった。
61周目
ジョゼフ:ランド、後ろにいるオスカーが10秒ペナルティを受けた。なので君はできるだけ、ルクレールに近づいてくれ。
ノリス:何をしろっていうの? もうすでにこれ以上できないくらい攻めているんだけど。
67周目
アロンソ:すごくいい仕事をしてくれたメカニックたちのために、レースは完走するつもりだ。でも背中がものすごく痛い。この跳ね方は尋常じゃない。
401戦目を迎えたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、この時点で14番手。ペースは伸びず、ポイント獲得の目はなかったが、激痛に耐えながらチェッカーを受けた。
大荒れのレースを制したのは、17番手スタートのフェルスタッペンだった。6月下旬のスペインGP以来、実に12戦ぶりの勝利となった。
ランビアーゼ:ずいぶん長い時間がかかったが、待った甲斐はあったな。最高の男だよ。
フェルスタッペン:やったぜ!! なんてレースだったんだ! ひとつ言わせてくれ。シンプルに素晴らしい!
「シンプルに素晴らしい(Simply Lovely)」が口癖のフェルスタッペンは、これを自身の展開するアパレルのロゴにも採用している。
クリスチャン・ホーナー代表:17番手から1位。まさに世界チャンピオンのドライビングだった。
ランビアーゼ:2016年を凌ぐ走りだったぞ。最高だ。
フェルスタッペン:ネバー・ギブアップということだね。ハハハ。
2016年のブラジルGPでも、フェルスタッペンは雨のなか怒涛の追い上げで3位表彰台を果たした。それを超えるレースだったと、ランビアーゼは激賞した。
ジョシュ・ペケット:よくやった。ありえない展開のなか、P2だ。
オコン:ギャハハ。みんな最高だ! まさか、ここまで来れるとはね。
ペケット:ほんとに、まさかだったよ。
オコン:ピエールもよくやった。3位だ! 最高だ!
ガスリー:歴史的、まさに歴史的快挙だ。
カレル・ルース:あのグリッド順から、ダブル表彰台だ。
ガスリー:P13からP3だからね。
ルース:本当にありがとう。
ガスリー:だから最後まで、絶対に諦めちゃいけないんだ。絶対にね。
プライベートではいまだに仲違いしていると言われるオコンとガスリーだが、パルクフェルメで固く抱き合ったのだった。
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