フェラーリは先日、セバスチャン・ベッテルが2020年限りでチームを離れることを発表。4度のF1王者の将来が疑問視されている。
ベッテルは2015年、レッドブルからフェラーリに移籍した。彼は2000年代前半にフェラーリに黄金時代をもたらした同郷のレジェンド、ミハエル・シューマッハーの成功を再現することを目指していたが、現時点ではまだフェラーリと共にタイトルを獲得することはできていない。
■明暗分かれた“優勝請負人”のキャリア……フェラーリに移籍したチャンピオン経験者たち
現FIA会長のジャン・トッドは、シューマッハー在籍時のフェラーリでチーム代表を務めており、シューマッハーと共に5年連続ダブルタイトルという偉業を成し遂げた。
トッドはインタビューの中で、当時のフェラーリがシューマッハーを中心にいかに団結していたかを強調し、そこが“ベッテル時代”との最大の違いであると指摘した。
「ミハエルと共に、フェラーリがひとつのチームになっていた。我々が成功を収めたのは、チームが非常に結束しており、お互いに助け合っていたからだ。それは良かった時期よりも、困難な時期の方がより顕著だった」
「全てがうまくいっている時に団結するのは簡単だが、荒れた海でこそ船員の実力が問われる」
「荒れた海にいる時、我々は同じボートの上にいた。それが違いを生んだと思う」
フェラーリ離脱が決まったベッテルが2021年のF1グリッドに残るための選択肢は限られてきており、F1引退の可能性も取り沙汰されている。
ベッテルの引退がF1にとって大きな損失となるかどうかについて尋ねられたトッドは、人々がベッテルの将来についてもっとポジティブに考えて欲しいと語った。
「セバスチャン・ベッテルはモータースポーツ界でも最も優れた才能の持ち主だ」とトッドは言う。
「(フェラーリ離脱の)発表が行なわれたが、彼は来季以降F1で走らないかもしれない。それでも他にたくさんのチャンスがあるだろう」
「我々ができるのは彼の幸運を祈ることだけだが、彼を獲得できる者は誰であれ非常に幸運だと思う」
「彼は間違いなく、まともなマシンがあればチャンピオンを獲れるドライバーだ。ミハエルが1996年にフェラーリにやってきた時、彼はそのシーズンで3勝しかできなかった。それは彼の意欲が足りなかったのではなく、シンプルにチャンピオンを獲れるマシンではなかったからだ」
「我々はじっくりとマシンを作り上げ、それ(タイトル獲得)が可能なチームにした。要は全ての組み合わせなのだ。ルイス・ハミルトンでさえも、良いマシンに恵まれなければチャンピオンにはなれなかっただろう」
「我々は(フェルナンド)アロンソを見てそれを感じて、ベッテルを見ても同じことを感じた。やはりそういうものなのだ」
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