2022年の新車販売もやはりトヨタ車の圧倒的な強さが目立った1年となった。では、トヨタ車にあってその各ライバル車にないものはいったい何なのか、渡辺陽一郎氏に細かく分析してもらった。
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカーWeb編集部、ベストカー編集部、日産
2022年も盤石だった「トヨタ車」の強さの秘訣はどこに!? トヨタ各車のライバル車に足りないモノとは?
■トヨタ車にはあるのにライバル車にないモノ? ボックスタイプミニバンの場合
ボックスタイプミニバンのベストセラーモデル、ノア(右)とヴォクシー(左)。2022年の1カ月の平均登録台数は2台合わせると約1万台に達する
2022年に国内で新車として販売されたクルマのうち、トヨタ車の割合は約30%だった(レクサスを含む)。この比率が小型/普通車にかぎると、50%まで跳ね上がる。今のトヨタ以外の日本車メーカーは、大半が軽自動車に力を入れるから、小型/普通車はトヨタの天下になった。
そこでトヨタ車に備わっているのに、ライバル車に足りないモノを考えたい。特に登録台数が多く、競争の激しいミニバンとSUVが中心だ。
ミニバンはライバル関係がわかりやすく、ミドルサイズはノア&ヴォクシー対セレナ/ステップワゴンの組み合わせになる。2022年の1カ月平均登録台数は、新旧モデルを取り混ぜて、ノアが4808台、ヴォクシーが5029台、セレナが4793台、ステップワゴンが3164台であった。基本部分を共通化したノアとヴォクシーの姉妹車を合計すると1カ月で約1万台に達する。
このなかでノア&ヴォクシーだけに備わる特徴は先進安全装備だ。例えば、電動スライドドアが開き始めた時に周囲に車両が接近すると、作動を止めて降車時の事故を防ぐ機能を採用した。衝突被害軽減ブレーキも、歩行者を含めて右左折時にも作動する。
さらに高い速度でカーブに進入したり、先行車との車間距離が短くなったりした時など、緩やかに自動減速するプロアクティブドライビングアシストも装着した。これはメリットの多い機能で、アクセルペダルから足を離してブレーキペダルを踏もうとした時に、絶妙なタイミングで穏やかな減速が行われる。
■Lサイズミニバンの場合
Lサイズミニバンの販売においてモデル末期ともいえる2022年もアルファードはひとり勝ちの状態を続けていた
Lサイズミニバンの対決は、アルファード対エルグランドだ。オデッセイは販売を終えた。
2022年の1カ月平均登録台数はアルファードが5019台、エルグランドが185台だ。アルファードも2023年初夏に次期型が登場するため、2022年から受注を停止しているが、登録台数はひとり勝ちだ。
エルグランドは2010年の登場だから、すべてが古い。アルファードにはエルグランドに設定のないハイブリッドが用意され、内外装は上質で、乗り心地も快適だ。安全装備や運転支援機能も大幅に充実している。
■コンパクトSUVの場合
カローラクロスは好敵手のホンダヴェゼルを相手に互角以上の戦いを繰り広げた。ベースはCセグのカローラのため、Bセグでフィットベースのヴェゼルよりもやや大きい
コンパクトSUVでは、カローラクロス対ヴェゼルがある。2022年の1カ月平均登録台数はカローラクロスが4923台、ヴェゼルが4228台であった。
カローラクロスが優れている特徴は実用的で、荷室容量にも余裕があることだ。後席を使った状態の荷室長は、全長が4500mm以下のSUVではカローラクロスが最も長い。
また、ハイブリッドのWLTCモード燃費は、2WDの場合、カローラクロスが26.2km/Lだ。ヴェゼルで売れ筋のZは24.8km/Lだから、カローラクロスが少し優れている。
その代わりにヴェゼルも内装が上質で、後席の足元空間はカローラクロスよりも広い。燃料タンクを前席の下に搭載したから、後席を格納すると、ボックス状の広い荷室になる。ヴェゼルも商品力が高いため、登録台数の差も小さい。実力は伯仲している。
■LサイズSUVの場合
トヨタLサイズSUVのドル箱モデルであるハリアー。洗練されたデザインの都会派SUVとして確固たるポジションを築いている
LサイズSUVでは、ハリアー対CX-60がある。CX-60は発売直後とあって販売データが出揃っていないが、直列6気筒3.3Lクリーンディーゼルターボや後輪駆動ベースのプラットフォームを採用して注目度は高い。前輪駆動ベースのCX-5とは、クルマ作りが大幅に異なる。
ただし、マツダの上級SUVでは、2023年中に登場予定のCX-80が本命だ。CX-60と同様の後輪駆動をベースにしたプラットフォームを使う。
従ってCX-60は、CX-80のショート版に位置付けられてスポーティ感覚を強めた。そのために乗り心地などが少し硬い。トルクコンバーターを使わない8速ATも、低速域/低回転域の変速で作動が粗く感じることがある。
つまり、CX-60には今後洗練すべき面が散見されるが、ハリアーは熟成が進んでいる。乗り心地が上質とはいえないが、CX-60のような硬さは感じない。ハイブリッドはノイズも小さく、加速は滑らかだ。
CX-60のようなスポーティ感覚や個性的な面白さは乏しいが、違和感を徹底的に抑え込んだ。ハリアーでは、各部のデザインから運転感覚まで洗練度が高く、人気の秘訣になっている。
■セダンの場合
Cセグのセダンであるカローラ。Bセグのセダンとして先代モデルとなるカローラアクシオも併売されている
セダンについては、トヨタにはカムリ、カローラ/カローラアクシオ、センチュリー、燃料電池車のMIRAI、SUV風セダンのクラウンクロスオーバーがある。レクサスでもLS/ES/ISを選べる。
ところが、他社はセダンが激減しており、日産はスカイラインだけで、ハイブリッドモデルは運転支援のプロパイロット2.0を含めて廃止された。ホンダでは、アコードがフルモデルチェンジを控えて販売を停止しており、現時点ではセダンを買えない。三菱もセダンはない。
スバルは新型インプレッサでG4を廃止したから、セダンはWRX S4のみになる。マツダには、マツダ3とマツダ6にセダンがあり、今ではラインナップが多い部類に入る。
このようにトヨタは、OEMを除くと軽自動車を用意しない代わりに、セダンの品揃えを充実させた。これも他社とは違うトヨタならではの特徴だ。
■ノア&ヴォクシーなど洗練されているトヨタのクルマ作りと戦略が光る!
現行型ノア&ヴォクシーのように洗練されたクルマ作りと戦略の差がライバル車との販売台数との差に出ていると筆者は指摘する
以上のように、トヨタ車対ライバル車をチェックすると、トヨタ車は全般的に洗練されている。開発段階では、他社と同じく数多くの困難や課題を乗り越えているが、トヨタ車はその苦心の痕跡を消し去ってから発売している。
他社の商品では、その苦心が時々残ってしまうが、トヨタ車の仕上がりはキレイで洗練されている。この差は顧客満足度に大きな影響を与える。
また、トヨタ車には戦略がある。例えば、ノア&ヴォクシーは従来型も好調に売られたから、膨大な保有台数を抱える。この乗り替え需要を呼び込むことも視野に入れ、前述のとおり安全装備や運転支援機能を充実させた。
ミニバンの車内の広さや走行性能は、すでに安定成長の段階に入ったから大幅に向上させるのは難しいが、安全装備と運転支援機能は今でも進化している。そこでノア&ヴォクシーは思い切り刷新して、従来型のユーザーが自分のクルマと見比べた時に「新型が欲しい!」と思えるように作り込んだ。
そのためにアドバンストパークやアドバンストドライブのセットオプションは、クラウンクロスオーバーでは上級のRSでないとオプション装着できないのに、ノア&ヴォクシーは価格が一番安いノアXを除いた全車にオプション設定した。
高価格車のクラウンクロスオーバー以上に装備を充実させ、乗り替え需要を呼び込む戦略だ。またノア&ヴォクシーは大量に販売されるから、安全装備を充実させると事故防止の効果も大きい。
その点でホンダは、CR-Vやシビックを一度廃止して、その後に復活させた。CR-Vは復活させた後に再び廃止している。オデッセイも狭山工場の閉鎖に伴って廃止したが、社内や販売会社には存続を求める意見が根強く、販売店によると「2023年の秋に中国製の輸入を開始する」という。ホンダは場当たり的で、トヨタに比べると戦略性が低い。
この違いを生み出したのは、トヨタの販売体制だ。日産の店舗数は全国に2000箇所少々、ホンダも2100箇所を少し超える程度だが、トヨタは2倍以上の約4600箇所に達する。しかもトヨタの販売会社には、メーカーの資本に依存しない独立した地場資本が多い。
そのためにトヨタでは、開発や生産を受け持つメーカーと、販売会社の立場が対等だ。商品開発も販売現場の理解を得やすい顧客指向になり、それが充実した販売網との相乗効果で売れゆきを伸ばしている。つまりトヨタ車の特徴は、好調な売れゆきを支える国内販売網の違いに基づいているわけだ。
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