2021年8月6日、ホンダのタイ法人はセダンボディとなるタイ仕様の新型シビックを発表した。タイ仕様の新型シビックで注目したいのは日本仕様にはないRSグレードがある点である。
RSといえば、日本では現在N-ONEにラインナップされているのみで、フィットやヴェゼルの現行モデルではラインナップ落ちした。そのRSがタイ仕様とはいえ、ラインナップされたのは嬉しいニュースだ。
2022年復活決定! “安くて楽しい”インテグラが体現したホンダらしさ
そこで、RSグレードを中心にタイ仕様の新型シビックを紹介し、記憶に残るホンダのRSを振り返っていく。
文/永田恵一
写真/ホンダ、ベストカーweb編集部
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■タイ仕様と日本仕様のシビックの違いは? RSの特徴を解説
タイ仕様のシビックRS。ボディサイズは全長4678×全幅1802×全高1415mm
日本仕様のシビックハッチバック。ボディサイズは全長4550×全幅1800×全高1415mm。搭載されるエンジンは182ps/22.4kgm(CVT)、24.5kgm(6速MT)
まず、5ドアセダンボディでLXとEXの2グレードが設定される日本仕様の新型シビックを見ていくと、ボディサイズは全長4550×全幅1800×1415mm、ホイールベース2735mmで、両グレードともパワートレーンはCVTと6速MT(前者はノーマル、スポーツ、ECON、後者はノーマルとECONという走行モードを持つ)が組み合わされる1.5リッターガソリンターボ(ハイオク仕様で182ps&24.5kgm)、タイヤは18インチを履く。
4ドアセダンボディとなるタイ仕様の新型シビックは、全長4678mm×全幅1802mm×1415mm、ホイールベース2733mm、パワートレーンはCVTが組み合わされる1.5リッターガソリンターボ(178ps&24.5kgm)のみで、タイヤは標準系が16インチ、RSは17インチを履く。
小ぶりのリアスポイラーが装着されている
標準系とRSの違いは以下の通り。
●エクステリア
・前後に付くRSのエンブレム
・ブラックアウトされ引き締った印象となるホイール、ドアミラー、ドアハンドル、リアスポイラーなど
・左右二本出しという形状自体は標準系と同じながら、マフラーカッターが加わるマフラー出口
・タイ仕様の新型シビックではRS専用となるレッドのボディカラー
●インテリア
・10.2インチの液晶メーター
・レッドのステッチが加わるスエード&合皮地のコンビシート
●機能面、装備
・パドルシフト
・RSのみとなるスポーツモード(標準系はノーマルとECON)
・アルミペダル
・ワイヤレス充電
といった程度で、タイ仕様の新型シビックにはRSがあるといっても、日本仕様との違いはボディタイプとタイヤサイズくらいしか大きなものはないというのが率直な印象だ。
なお、タイ仕様の新型シビックの価格は標準のEL/96万4900バーツ(約317万5000円)、上級のEL+/100万9900バーツ(約332万3000円)、RS/119万9900バーツ(約394万8000円)となっている。
いまのところ、このRSが日本でも発売されるかは未定。すでに2022年に登場することが明らかになっているタイプRやe:HEVがあるが、ぜひシビックにも歴史と伝統のあるRSも登場してほしい。
タイ仕様シビックRSのコクピット
羊の皮を被った狼なイメージ。足元は215/50R17タイヤ、7×17サイズの専用アルミホイールが装着されている
■懐かしい! 記憶に残るRSのモデルたち
■初代シビック1200RS 1974年10月
1974年10月に発売された初代シビック1200RS。ボディサイズは全長3650×全幅1505×全高1320mm
76ps/10.3kgmの1.2リッター直4を搭載。最高速度は160km/hを誇った
1972年7月に登場した初代シビックは可愛らしいスタイルをはじめとした全体的に日本車離れした雰囲気や、世界で初めて非常に厳しい排ガス規制であるアメリカのマスキー法をクリアしたCVCCエンジンの搭載などの先進性により、老若男女誰もが欲しがるクラスレスなモデルとして、当時大ピンチに陥っていたホンダの四輪部門復活に大きく貢献した。
1974年10月に追加されたスポーツモデルの1200RSは5速MTに76馬力にパワーアップされたエンジンを組み合わせ、強化サスペンションなども持ち、「ロードセーリング(軽快に走るといった意味)」の略であるRSの名に相応しい、運転して楽しいクルマに仕上がっていた。なお、初代シビックRSはのちに排気量を1.2リッターから1.5リッターに拡大したRSLに移行した。
ちなみに初代シビックRSのRSの意味がロードセーリングだったのは、「当時はオイルショックや排ガス規制によりスポーツモデルに対する風当たりが強く、ライトなスポーツモデルとすることで運輸省(当時)を刺激しないためだった」という説があるのも、有名な話である。
■6、7代目シビックフェリオに設定された4ドアのRS
■6代目シビックフェリオVi-RS 1998年9月
1998年9月のマイナーチェンジで追加されたフェリオVi-RS。1.5リッター直4、SOHCエンジンは130ps/14.2kgmを発生
1995年9月登場の6代目シビックの4ドアセダンとなるフェリオには1998年9月のマイナーチェンジで、1.5リッターエンジンを搭載し、スポーツエンジンとなる1.6リッターVTECを搭載したSiの雰囲気を持つVi-RSが追加された。
2000年9月登場の7代目シビックフェリオでもRSは継続された。5速MTもある1.7リッターエンジン(130馬力)を搭載したRSはリアスポイラーなどのエアロパーツも装着し、ライトなスポーツモデルという意味ではRSらしいモデルだった。
■7代目シビック1.7RS 2000年9月
130ps/15.8kgmを発生する1.7リッター直4SOHCエンジンを搭載したシビックフェリオRS
■2代目、3代目のフィットにRSが設定されたが現行4代目にはなし!
■2代目フィットRS 2007年10月
2010年10月のマイナーチェンジでは初代シビックRSをイメージさせるサンセットオレンジIIのボディカラーも用意。搭載されたエンジンは1.5リッター直4で120ps/14.8kgmを発生
2代目フィットで1.5リッターエンジンを搭載するスポーツモデルは、初代モデルのSからRSに昇格した。
ただ、2代目フィット前期のRSは矛盾するようだが、「ロードセーリングの略に相応しいモデルだったけど、コンパクトカーのスポーツモデルとしてはもうちょっとスポーツ性があっても」と感じるところも否めなかった。
しかし、2010年10月のビッグマイナーチェンジの際にRSはエクステリアがエアロパーツの追加だけではなくバンパー形状などもスポーツ性を感じるものとなったのに加え、初代シビックRSを思い出させるオレンジのボディカラーの設定、MTの5速から6速化、ボディやサスペンションの強化なども行われ、スポーツ性を向上。
フィットは歴代コンパクトカーとしては広いキャビンとラゲッジスペースを備えていることもあり、「ファミリーカーとしても使えるコンパクトカーのスポーツモデル」として、一気に存在感を高めた。
また2代目フィットRSには、モデル末期にMTもある1.5リッターハイブリッドが設定されたことも覚えておきたい。
■3代目フィットRS 2013年9月
搭載されたエンジンは132ps/15.8kgmを発生する1.5リッター直4DOHC
フィットRSは3代目モデルでも継続された。3代目フィットのRSもフィット自体が2代目モデルのキープコンセプトだったこともあり、正常進化という印象ながら1.5リッターエンジンは3代目モデルでフィットのエンジンがDOHC化されたこともあり、最高出力は120馬力から132馬力にパワーアップされるなど、よりスポーツ性を高めた。
また、2017年6月のビッグマイナーチェンジではRSのMTも含め、自動ブレーキ&運転支援システムのセットとなるホンダセンシングが装備されるようになったこともあり、フィットRSもコンパクトカーながら長距離ドライブへの対応力も高まっていただけに、現行フィットにRSがない点は非常に惜しい。
■ミニバンやSUVにも設定されたRS
■ジェイドRS 2015年5月
ジェイドRSには1.5リッター直4ターボ(150ps/20.7kgm)と1.5リッター直4ハイブリッド(エンジン:131ps/15.8kgm+モーター:29.5ps/16.3kgm)
ジェイドはトヨタプリウスαに似たところもあるステーションワゴン的ながら3列シートを持つ、ミドルミニバンとして2015年2月に登場した。
登場初期は1.5リッター1モーターハイブリッドのみだったジェイドだが、登場3カ月後に1.5リッターターボを搭載するRSを追加。ジェイドRSはスポーティなエクステリアや引き締められたサスペンションなどを持つ、RS化の手法に沿ったモデルだった。
2018年5月のマイナーチェンジでジェイドRSはハイブリッドにも追加され、RSは5人乗り2列シート車となったのだが、如何せん価格の高さなど、ジェイド自体の商品力が弱く、ジェイドは2020年に絶版となってしまった。
■ハイブリッドとガソリン車に設定された初代ヴェゼルRS
■ヴェゼルRS 2016年2月
2016年2月に追加されたRS。1.5リッター直4ハイブリッドは132ps/15.9kgm+29.5ps/16.3kgm、1.5リッター直4ガソリンは131ps/15.8kgmを発生
コンパクトSUVとして大成功を収めた初代ヴェゼルにもRSは設定された。初代ヴェゼルにRSが設定されたのは2016年2月の一部変更のときで、1.5リッターガソリンとハイブリッドに設定されたRSは専用のグリルやアルミホイールといったエクステリア、機能面ではパフォーマンスダンパーの追加や可変ステアリングギアレシオ、ウルトラスエード地となるシートなどが装備された。
また、ヴェゼルRSはFFのみに設定されており、この点はコンパクトSUVの中でもシティ派方向となるヴェゼルのキャラクターをよく表わしているといえるかもしれない。
現在ホンダのスポーツモデルは次期シビックタイプRが500万円近くと予想されるなど、バリエーションが少ないうえに高嶺の花となるモデルばかりとなっているだけに、フィットなどにもRSやRSに相当する手が届くスポーツモデルが加わることを期待したい。
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