250ccスクーターとほぼ同じサイズのダウンタウン125i
税金や保険など維持費が安く、高速道路は走れないものの、一般道の上限速度がクルマ同様60km/hとなる原付二種(50cc超~125cc)。
特にスクータータイプはオートマチックミッションで運転もラク、シート下に収納スペースもあることから、通勤やお買い物など日常の移動手段として多くの人に使われている。
【関連画像15点】巨大な125スクーター・ダウンタウン125の足着き、充実の収納スペースを写真で解説
しかし、お得で便利な原付二種で、せっかくなら一番デカいサイズのモデル、欲しくないですか? もちろん、排気量は原付二種の上限の125ccで。
とにかくデカければ、お買い物してもいっぱい荷物が積めるし、2人乗りも快適だろうし、燃料タンクも大きければツーリングだって楽しめちゃうし!?
でも、125ccまでと排気量が限られるから、そこまで車体を大きくはできないだろうし、そんなオイシイ話なんてないよなぁ……と思いきや。
台湾のバイクメーカー・キムコにあった。超巨大な125ccスクーターが。
全長2250mm、全幅780mm、全高1345mm、ホイールベース1553mm、車重178kgで「125ccスクーター最大級のボディサイズ」をうたうダウンタウン125i ABSである。
いや、ホント超デカい。
最近の国産250ccスクーターはコンパクト化路線が進んでいるが、大柄ボディ&快適装備が特徴だったビッグスクーターブーム時代の250ccスクーターとほぼ同じサイズ感なのだ。
比較用にビッグスクーターブーム当時に人気を博した車種の寸法をいくつか紹介したい。
スズキ・スカイウェイブ250(2002年モデル):全長2260mm、全幅760mm、全高1235mm、ホイールベース1590mm
ホンダ・フォルツァX(2004年モデル):全長2165mm、全幅760mm、全高1180mm、ホイールベース1545mm
ヤマハ・グランドマジェスティ(2004年モデル):全長2230mm、全幅780mm、全高1380mm、ホイールベース1565mm
ね、実際ほとんど一緒でしょ!?
むしろ全長はフォルツァやグランドマジェスティよりダウンタウン125iの方が長いという……。
ビッグスクーター並の車体を125ccで引っ張れるのか?
なぜこんなにダウンタウン125iがデカいのかというと、350ccモデルのダウンタウン350とボディが共通なのである。
ホンダPCXやヤマハNMAXのように、原付二種の125ccバージョンと軽二輪の150ccバージョンの兄弟車を展開する例はあるけど……125ccと350ccって排気量3倍くらい違うではありませんか。
なので「エンジンに対して車体が重過ぎて、マトモに走らないんじゃないの!?」ってイヤな予感がしていた、乗る前は。
そんな見立てに反して、ダウンタウン125i、フツーに走る、走る。
確かに、車体の重さを感じる場面はある。停車時からの発進──時速0→25kmの加速はやや鈍い。
日本メーカーの125ccスクーターで車体が大柄な方でいうと、ホンダPCXが12馬力で車重130kg、ヤマハNMAXが12馬力で車重127kg。
一方、ダウンタウン125iは14.3馬力あるが車重は178kg。パワーウエイトレシオを見てもそこは不利である。
スロットルを全開にすれば、エンジンの回転は一気に8000rpmくらいにはね上がるが(タコメーターがついているので確認できるのだ!)、CVTが適切な変速比になり、しっかりと加速するまでタイムラグがあるというか……。
しかし25km/hまでの「待ちゾーン」(?)を抜けると、スロットルに対し普通に車速がついてくる。流れの早い幹線道路に入っても、ついていけないということもない。
60km/hでの走行時にタコメーターを見ると6000rpmあたりを示していて、スロットルをさらに開けていってもまだまだ余力はありそうな雰囲気である(最大トルクの発生回転数は7000rpm、最高出力の発生回転数は9000rpm)。
ダウンタウン125iの乗り心地&快適性は抜群!
一方、乗り心地は完全にビッグスクーター、快適そのもの。
車重がある分ちょっとした段差で跳ねるようなこともなく、ホイールベースも長いので直進安定性も抜群。
ライディングポジションはゆとりがあって窮屈感はないし、大型のスクリーンも十分な防風性能を発揮してくれるし、一度車速を上げてしまえばまさに「大船に乗ったような気分」だ。
それでいて、ハンドリングは車体の長さをわずらわしく感じることはなく、自然体。Uターンなどもコンパクトに決められる。
ただし、低速時は慣れるまでやや注意が必要かもしれない。
「25km/hくらいまでの発進加速が鈍い」と先に述べたが、たとえば交差点などをその速度域で曲がる際、車体を傾けると自重でイン側に切れ込んでいく傾向があるのだ。
スロットルオンで車体を起き上がらせるには駆動力が少々足りないのかなぁ。
といっても対処方法はあって、駆動力を絶やさないようスロットルは開けたままにし、速度調整はリヤブレーキレバーの握り込みの加減で……というスクーターならではの操作を丁寧にすればOKだ。
まるでクルマのようなトランクを備えるダウンタウン125i
さて、収納スペースも125ccクラスとは思えないスゴさ。
フルフェイスヘルメット2個を収納できてまだ荷物が入るというシート下収納は、トランク内にLEDの「ルームランプ」があるほか、ガス圧ダンパーで開けたシートはしっかり保持される。クルマかッ!
ちなみに取材時は猛暑日で、走行シーン以外の撮影は暑くてたまらずライディングジャケットを脱いでいたが、その際、脱いだジャケット、ヘルメット、リュックを一式しまえたので、目的地についたら完全に手ぶらでお出かけするのもOKである。
さらに、ハンドル下にはグローブボックスを2つ備え、左側にはUSB給電のジャックもある(施錠はできないので、貴重品は入れっぱなしにしないように)。
と、さまざまな点で125ccクラスとは思えないデカを感じさせるダウンタウン125iだが、そのデカさがネックになる場面も……。
駐車スペース問題である。
都市部の駅前や商業施設には125ccまでなら駐車可という「駐輪場」があるが、その駐車スペースは「あくまで一般的な原付二種が収まるスペース」で区切られているものが多い。
つまり、ビッグスクーター並のダウンタウン125i、メッチャはみ出る(笑)。
狭いスロープを経て入っていく地下駐輪場などは、そもそも入場するのに困難することもあるかもしれない(特にベルトコンベアーに乗せて登り下りをするタイプなどは厳しそう)。
ダウンタウン125iを駐車する場合は、自動二輪クラスが停められる駐車場を選んだほうが間違いない。
とはいっても、こんな「枠にハマらない」個性を持った125ccスクーター、他にないのも事実。
実際、輸入元のキムコジャパンによれば「家族の理解や維持費の面で125ccにしたいが、迫力ある車両が欲しい」というユーザーから支持されているほか、高速道路が少なくあまり乗る必要がない&駐車スペースで不自由しないという背景もあってか北海道でよく売れているのだとか。
輸入車ということで、地域によっては販売店が少なく、実車を見る機会もあまりないという事情はあるにせよ、一度実物を見てこのサイズ感にぜひとも驚いてほしい。
キムコ・ダウンタウン125i ABS諸元
[エンジン・性能]
種類:水冷4サイクルOHC単気筒4バルブ ボア・ストローク:54.0mm×54.3mm 最高出力:10.5kW<14.3PS>/9000rpm 最大トルク:10.8Nm<1.1kgm>/7000rpm 変速機:CVT(無段変速式)
[寸法・重量]
全長:2250 全幅:780 全高:1345 ホイールベース:1553 シート高:810(各mm) タイヤサイズ:F120/80-14 R150/70-13 車両重量:178kg 燃料タンク容量:12.5L
レポート●上野茂岐 写真●沖 勇吾
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