スーパーGT第7戦公式練習はARTA大湯が最終アタックでクラッシュ。総合トップはDeloitte笹原

　10月14日、大分県のオートポリスで2023スーパーGT第7戦『AUTOPOLIS GT 450km RACE』の走行がスタートした。初日午前に行われた公式練習では、GT500クラスは37号車Deloitte TOM’S GR Supra（笹原右京／ジュリアーノ・アレジ）、GT300クラスは2号車muta Racing GR86 GT（堤優威／平良響／加藤寛規）がトップタイムを記録している。

　2023年のスーパーGTも残すところあと2戦。シリーズを争ううえで天王山となる今回の第7戦は九州オートポリスを舞台に、同コース初の450kmレースで争われる。レースウイーク金曜搬入日は晴天で昼間は上着が不要な天候に恵まれたものの、走行初日となる土曜日は早朝に雨が降る。

　しかし、公式練習が開始される9時25分時点では雨は降っておらず、雲の切れ間から太陽が顔を出すなかでセッションがスタート。完全に乾ききっていないダンプ路面、そして気温16度、路面温度18度、湿度85％という肌寒いコンディションで各マシンがコースに出ていく。

　セッションの序盤はクラスによって走行状況が分かれ、GT500は1周のチェック走行完了後にピットに戻るマシンが多数を占める。一方GT300は多くのマシンが周回を重ねていく状況に。そんななか開始から10分ほど、最終セクターのさよりんブリッジ後の左コーナーで52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTがグラベルにストップしてしまい赤旗が提示。52号車にダメージなどはなく、車両回収のための一時中断を挟んだ後、9時41分にセッションが再開された。

　その後は路面がほぼ乾いたことで大きなアクシデントなくセッションが進む。開始から1時間経過時点のGT500は16号車ARTA MUGEN NSX-GTが1分32秒658でトップ、2番手に37号車Deloitte TOM’S GR Supra、3番手に36号車au TOM’S GR Supra、4番手に100号車STANLEY NSX-GTが続く。その100号車は、今戦が本格的なGT500デビューとなる木村偉織が多くの時間をドライブしており、ピットに戻ってきた際にはパートナーの牧野任祐がコックピットに座る木村に対して熱心にアドバイスを行うシーンも見られた。

　GT300のクラストップは1分43秒475を記録した2号車muta Racing GR86 GTとなり、2番手に61号車SUBARU BRZ R&D SPORT、3番手に序盤グラベルストップがあった52号車が続き、GTA-GT300規定車両がトップ3に。両クラスともブリヂストンタイヤ装着マシンが上位を占める展開で公式練習は後半へと突入していく。

　10時50分からは10分間のGT300専有走行がスタート。すると、2号車の平良響がそれまでのトップタイムを更新する1分43秒361をマーク。これにはパートナーの堤優威も思わずピットで拍手を送る。そのほかには88号車JLOC ランボルギーニ GT3、31号車apr LC500h GTなどが自己ベストタイムを記録するもトップには届かず。終盤には65号車LEON PYRAMID AMGがスピンするシーンもあったが、11時ちょうどに首位2号車、61号車2番手、52号車3番手というトップ3でGT300専有走行は終了を迎えた。

　GT300に続いてGT500の専有走行が開始され、まずは笹原右京の37号車が1分32秒548でトップタイムを更新。続いて1号車MARELLI IMPUL Zの平峰一貴が1分33秒350で4番手に上がってくるなか、その後方でセクター2全体ベストを記録していた8号車ARTA MUGEN NSX-GTの大湯都史樹がさよりんブリッジ下で縁石に乗り上げて姿勢を乱し、続く左コーナーのアウトサイドにクラッシュを喫してしまう。

　ドライブしていた大湯はマシンを降りたものの、マシンは右フロントからタイヤバリアに突っ込むかたちでクラッシュしてしまったことで大きなダメージを負ってしまった。このアクシデントにより2度目の赤旗が提示され、公式練習トップは37号車、2番手16号車、3番手19号車という順で、そのまま終了となった。

　GT500は最終アタックを完遂することができなかった車両も多く、これが午後の予選にどう影響するか、そして8号車の修復が予選までに間に合うかどうかも含めて気になるところだ。2023スーパーGT第7戦の予選は15時に開始される予定になっている。