チップ・ガナッシ・レーシングのWEC世界耐久選手権チームは、1月28~29日に開催されるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦デイトナ24時間レースを、本番に向けた「24時間テスト」として捉えていると、ドライバーのリチャード・ウエストブルックは語った。
02号車キャデラックV-LMDh陣営のウエストブルック/アレックス・リン/アール・バンバーは、IMSA開幕戦に出場した後、3月に開幕するWECのハイパーカークラスへと2号車としてフル参戦する予定となっている。
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デイトナ24時間には、IMSAにフル参戦する同チームの01号車、そしてアクション・エクスプレス・レーシングの31号車と、計3台のキャデラックV-LMDhが参戦する。
ウエストブルックは「ヨーロッパでの実施をチームは模索しているが、いまのところテストをするのは非常に難しい」と語っている。
「僕らはこれ(デイトナ24時間)を、24時間のテストとみなしている。もちろんレースだから勝つチャンスは常にあるけれど、もっと大きな視点で見なければならない」
「このテストは、チームやメカニックと一緒に、マシンをより理解するための機会だ。このクルマで、より多くの時間を費やすことができる。正直なところ、誰もがもっと時間を必要としている。もっと時間があればと、誰もが思っているんだ」
「僕らにとっては、クルーとして一緒に働き、WECのシーズンに向けて準備する素晴らしい機会なんだ」
ウエストブルック、リン、バンバーの3人は、11月上旬にセブリングで行われた24時間耐久テストの後半でキャデラックをシェアしたが、そのときの目的と来週末のレースは両極端だとウエストブルックは説明する。
「WECのチームがまとまりつつあり、今週末はそのメンバーのほとんどが僕らのマシンに関わっているんだ」
「あの(11月の)テストはIMSAのクルーが中心で、マシンの耐久性をテストするためものだった。それは、大成功に終わったと言える。だが、以前にもそんな状況は経験している。とくにフォードGTのプログラムでは1年半のテストを行い、そこでは規則正しく走っていたものの、デイトナではすべてがうまくいかなかったんだよね」
「なぜなら、レースの状況を反映したテストができていなかったからだ。たとえばセーフティカーの背後で1時間の走行をすると、ギヤボックスに振動が発生する可能性がある。それは、テストでシミュレーションするのは難しいことなんだ」
「デイトナ24時間では、そういったことをすべてあぶり出すことができる。正直なところ、僕らの誰もがこのレースをテストセッションとして捉えていると思う」
「そして最後までそこに残っていれば、総合優勝のチャンスもあるというものだ」
デイトナで02号車に問題が発生したとしても、「世界の終わりということにはならない」とウエストブルックは述べている。WECシーズンを前に、ガナッシ・チームが特定の状況についてさらに知識を得るチャンスになり得るからだ。
ガナッシはキャデラック1台でWECに参戦する予定だ。一方、トヨタ、フェラーリ、プジョー、ポルシェら、マニュファクチャラーのファクトリーチームは、2台体制で臨む。万が一大きなトラブルが発生した場合、キャデラックにはバックアップする車両がないため、信頼性の高いマシンを用意することの重要性はより高くなる。
なお、IMSA GTPクラスでは、ハイパーカー・チームがWECで使用するのと同じミシュラン製タイヤが使用される。だがウエストブルックは、デイトナへの出走がより一般的な意味において有益であると考えている。
「僕にとっては、単純にクルマを走らせること、そしてピットストップといった当たり前のことがすべてなんだ」と彼は言う。
「もし、このレースに参加しなければ、(WEC開幕戦の)セブリングにはかなり未熟な状態で臨むことになっていただろう」
「クルーの側でいえば、どれくらい迅速にトラブルを解決できるかを理解することにもなる。GTカーと接触した場合、その修復にはどれくらいの時間がかかるだろう?」
「DPi時代の終わりには、誰もがマシンを理解していた。例えばノーズ(フロントカウル)を交換するのには、15秒はかかると分かっていたはずだ。いま、LMDhでは、レースの状況ではで誰も何もしていない。それは誰にとっても同じことだ。レースが待ち遠しいよ」
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