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【スーパーカー年代記 041】イタルデザイン ナツカは少量ながら生産されてカロッツェリアの面目躍如

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【スーパーカー年代記 041】イタルデザイン ナツカは少量ながら生産されてカロッツェリアの面目躍如

クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第41回は「イタルデザイン ナツカ M12」だ。

イタルデザイン ナツカ M12(1991年)
この連載ではフェラーリやランボルギーニを紹介する機会が多いため、カロッツェリアといえばピニンファリーナやベルトーネ、そしてデザイナーといえばマルチェロ・ガンディーニが登場する機会が多いのだが、今もなおメジャーな存在となっているカロッツェリアとデザイナーを忘れてはいけない。そう、ジョルジョ・ジウジアーロが率いる「イタルデザイン」だ。

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今回紹介するナツカ M12は、イタルデザインが1991年のジュネーブ モーターショーで送り出したスーパースポーツだ。流麗なボディにミッドシップ搭載されたエンジンは、当時BMWのフラッグシップ クーペであった850iに搭載されていた5LのV12 SOHC。ここで重要なポイントは、このモデルがBMWへデザインスタディとしてアプローチしたモデルというわけではなく、イタルデザインの本来の姿であるカロッツェリアとして、きわめてぜいたくな少量生産車として発表されたことだった。

デザインを手がけたのは、総帥ジョルジョ・ジウジアーロの長男であったファブリツィオ・ジウジアーロ。カロッツェリアの総帥として、また父親として後継者たるファブリツィオをこの世界に紹介するという、重要な役割をナツカ M12は果たしていた。単なるショーモデルではなかったのだ。

ボディはカーボンケブラー製のモノコック。サスペンション形式は前後ともダブルウイッシュボーンで、しかもリアにはプッシュロッドタイプの横置きダンパーを採用し、それ自体を電子制御で可変させるというもの。さらに当時のF1マシンにも採用されていたブレンボ製のブレーキキャリパー&フローティングディスクに18インチのアロイホイールなど、当時全盛を誇っていたグループCのレーシングカーを彷彿とさせるような基本構成には、多くの人が驚かされた。

このスペックに対して、ナツァレノ・ガブリエッリのフィニッシュのよる本革フルトリムのインテリアは、BMW 850iから譲り受けたメーターパネルや各種エレクトリックモニターなどによって、きわめて高い快適性をもたらしているのが、ナツカ M12の最大の特徴といえるだろう。

公称の最高速度は300km/h以上、0→100km/h加速は4.2秒。サーキットへ行けばレーシングカー並みのパフォーマンスを味わうことができ、普段はいかにもイタルデザインと思わせるエレガントなスタイルを楽しむ。ナツカ M12は、そんなスーパースポーツだったのだ。

イタルデザイン ナツカ M12 主要諸元
●全長×全幅×全高:4365×1990×1105mm
●ホイールベース:2600mm
●重量:1100kg
●エンジン種類:60度V12 SOHC
●排気量:4988cc
●最高出力:300ps/5200rpm
●最大トルク:45.9kgm/5100rpm
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:前235/40ZR18、後295/35ZR18

[ アルバム : イタルデザイン ナツカ M12 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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