L'Art De L'Automobile
『L’Art De L’Automobile(ラート・ド・ロトモビル)』(以下、ラート)はパリを拠点に活動するファッションレーベルで、直訳すると『自動車の芸術』。
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ラートが他のレーベルと異なる点は、その名前のとおりクルマやカーカルチャーとの密接な関係にあるところだ。代表は熱狂的なカーコレクターであるArthur Kar(アルチュール・カー)氏。
ベイルートに生まれ、パリで育った彼はクルマへの情熱を抑えきれず、16歳から20歳まではポルシェセンターで技術者として働いていたという。だが彼は、クルマだけの専門家にはならなかった。アートやファッション、音楽に至るまで、様々な分野に関心を向け、2017年には、彼の世界観を体現したヴィンテージカーショップ兼ファッションレーベルでもあるラートを設立した。
Porsche 968 L’Art
そんな彼の活動は次第に大きくなってく。そしてついには、ポルシェ本社とのコラボレーションを果たすのであった。それこそが、今回の主題でもある『ポルシェ968ラート』なのだ。
ポルシェ968ラートのコンセプトは『レトロとモダンの融合』。
カー氏の主導のもと、パリの工房にて18ヵ月の歳月をかけて作られたというボディは、そのほとんどを一新。ベースとなった968カブリオレの面影を残しつつもフューチャーリスティックなロードスターへと変貌を遂げていた。
「ポルシェ純正のシグナル・グリーンのように見えるボディカラーも、全く新しいオリジナルカラーなんだ」と、カー氏は得意げに語って見せた。
色の名前はあるのか? という質問には「うーん、ポルシェ968ラート・グリーンさ」と笑いながら答えた。
シンプルかつモダンに仕立て直されたインテリアも見どころ満載。特注レザーにより覆われたバケットシートはレカロのオリジナル、ダッシュボードのストップウォッチもタグホイヤーの協賛によるワンオフ品。極めつけはBOSE(ボーズ)とのコラボにより実現したエレガントなカスタムデザインのオリジナルオーディオシステム。そのスピーカーから発せられるヒップホップが会場を盛り上げていた。
これまで存在した、オリジナルのバイナルやペイントを纏っただけのアートカーとは一線を画すラートの986は、展示会場である原宿のキャットストリートを歩く人たちの足を止めるだけのパワーを持っていた。
クルマに興味があろうがなかろうが、引き寄せられてしまう魅力、まさしくPorsche 968 L’Artは正真正銘の走るアートなのである。
In Tokyo
そんなPorsche 968 L’Artが完成したのはポルシェ968のデビューから30年の節目となる2021年のことであった。
それから3年かかったものの、東京で実車を前にして、カー氏と直接話せる機会がやってくるというのは幸運なことである。東京でのお披露目に際して、新たにアパレルラインが展開された。ポルシェ・ジャパンのオフィシャルYouTubeにもアップされているティザー動画には、俳優の松田翔太がメインビジュアルとして起用されていることもあり、非常に話題を博した。
実車の展示は2024年10月24日から10月27日の4日間と短かったものの、アパレルラインはオフィシャルサイトで現在も販売中。早期に在庫切れになる可能性が高いのでこちらは早めに入手したいところ。
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