現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 好バランスなBEV アウディeトロンGT 長期テスト(2) コンチGTやM8との比較

ここから本文です

好バランスなBEV アウディeトロンGT 長期テスト(2) コンチGTやM8との比較

掲載 2
好バランスなBEV アウディeトロンGT 長期テスト(2) コンチGTやM8との比較

積算4585km かなりお高い現在の電気代

これまで4000km以上を走破したが、アウディeトロンGTはかなり快適。スムーズで気持ちが良い。ただし、現在の電気代はかなり高い。レシートを確認すると、北部のエディンバラまでの往復、約1280kmで202ポンド(約3万5000円)も充電に支払った。

【画像】好バランスなBEV アウディeトロンGT 技術を共有するタイカン Q8 eトロンも 全128枚

筆者が利用したのは、アイオニティ社が展開する充電ステーション。短時間で完了できるのが強みだが、1kWh当たりの料金は0.74ポンド(約130円)と、かなり高額。BMW M5 コンペティションに必要なハイオクと、同じくらいの金額がかかる。

積算6064km 扱いやすさと操縦性の精度へ感心

この2週間ほどで、様々なモデルへ試乗させてもらった。ベーシックなトヨタ・ヤリスから英国価格25万ポンド(約4375万円)超のベントレー、ランチア・インテグラーレ、後輪駆動のテスラ・モデルY、BMW M8 コンペティションと、ラインナップは幅広い。

中国からやってきた、オラ・ファンキーキャットのステアリングホイールも握った。アウディeトロンGTと距離が空いたことで、改めて新しい発見を得ることができた。今まで見逃していた、ともいえるだろう。

一般的なコンパクト・ハッチバックと乗り比べれば、eトロンGTはボートのように大きい。しかし、ベントレー・コンチネンタルGTの後に運転してみると、扱いやすさや操縦性の精度に改めて感心させられた。

同時に、低速域ではW型12気筒エンジンで走るベントレーと同じくらい穏やかでもある。高速道路では、荘厳な風格のようなものは薄いかもしれないが、スポーティなアウディとして悩ましいポイントではない。

eトロンGTへ潤沢に投じられた技術と、優れた操縦性という組み合わせが気に入っている。とてもバランスが良いと思う。

快適な乗り心地とニュートラルなバランス

BMW M8 コンペティションは、恐らく最近試乗したなかではeトロンGTへ一番近いモデルだといえる。もし筆者が自身の予算でこの2台から選ぶなら、eトロンGTにするだろう。深く悩むことなく。

M8 コンペティションには、最高出力625psを発揮する、素晴らしいM5譲りのドライブトレインが搭載されている。最近では珍しい、滑らかなルーフラインを描くビッグクーペのシルエットを備えている。クルマ好きの多くへ響くレシピだといえる。

eトロンGTのように、充電スタンドを探す必要もない。1度ガソリンタンクを満たせば、600km以上余裕で走ることもできる。それでも、自ら選ぶならアウディの方だ。

その理由の1つといえるのが、非常に快適な乗り心地にある。それでいて、姿勢制御も素晴らしい。

加えて、ステアリングホイールの感触はクリア。BMWのようにアクセルペダルの加減でコーナリングラインを調整することは難しくても、ニュートラルなバランスで、それを補っている。

M8 コンペティションは、シリアスな高性能クーペとラグジュアリーなグランドツアラーという組み合わせで、苦労している印象がある。他方、eトロンGTはまとまりがイイ。

一般道でドライバーを楽しませるBEV

前回のエディンバラからの帰り道では、A701号線からそれてワインディングへ足を伸ばした。eトロンGTは非常に素晴らしい相棒だった。重心位置が低く、安定した四輪駆動システムで、シャシーは常に落ち着いている。

車重が2.3tもあるバッテリーEVは、クルマ数の少ない一般道でドライバーを楽しませてくれた。究極的な速さでは、M8 コンペティションが上回るとしても。

気になる点といえるのが、現在履いているタイヤ。エネルギー効率重視のピレリ・チントゥラートP7なのだが、よりスポーティなコンパウンドの方が、シャシーとの相性は良好なはず。

技術を共有するポルシェ・タイカンは、ピレリPゼロを履いている。アウディも、長期テスト車とは異なり、グッドイヤー・イーグルF1も提供しているようだ。航続距離は若干短くなると考えられるが、違う銘柄を試してみたいと考えている。

その航続距離は、気温の上昇とともに若干伸びている。それでも現在までの最長は、駆動用バッテリーを100%まで回復させた時で370kmほど。ただし、100%までの充電はバッテリーの寿命に影響を与える可能性があるため、オススメはしない。

便利なア・ベター・ルート・プランナー

さて、eトロンGTのグランドツアラーとしての能力を確かめるべく、イタリア・ヴェローナへの自動車旅行を計画中。バッテリーEVでの長旅だから、しっかりした準備が必要だと考えている。

それに先立って、ア・ベター・ルート・プランナーという便利なアプリを発見した。目的地を設定すると、望ましいルートと必要な充電回数、途中にある充電器が表示されるというものだ。

ロンドンからヴェローナまでは、片道1359km。途中6回の充電が必要で、所要時間は2時間だと教えてくれた。悪くない旅になりそうだ。

テストデータ

気に入っているトコロ

正確な航続距離:実際に走れる距離はさほど長くないが、丁寧に運転すれば当初の表示通りの航続距離を得られる。しかし、簡単に放たれる475psへ我慢することが難しい。

気に入らないトコロ

不意のパンク:リアタイヤの片方がパンクしてしまった。サスペンションとアンダーボディの構造を観察する機会にはなった。

テスト車について

モデル名:アウディeトロンGT フォアシュプルング・クワトロ(英国仕様)
新車価格:11万2850ポンド(1974万円)
テスト車の価格:11万6315ポンド(約2035万円)

テストの記録

航続距離:363km
電費:4.1km/kWh
故障:なし
出費:なし

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
ベストカーWeb
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

2件
  • アウディeトロンGTはなかなかかっこいいBEVだと思うのですが、なぜか世界のどこでも売り上げが伸びないのは、なぜなのか不思議です。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2695.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1880.03258.0万円

中古車を検索
GTの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2695.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1880.03258.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村