SF90スパイダー そのデザインは?
伊フェラーリが、PHEVクーペ「SF90ストラダーレ」のオープン仕様となる「SF90スパイダー」を発表した。
【画像】SF90スパイダー、SF90ストラダーレ【比べる】 全146枚
同社は、「跳ね馬初の量産プラグイン・ハイブリッド・スパイダーとして、フェラーリのラインナップはもとより、スポーツカー全体に、高い性能とイノベーションの新たなベンチマークを打ち立てました」と紹介している。
SF90スパイダーのリトラクタブル・ハードトップ(RHT)は、閉じたときには、ノイズを遮断して風雨から守り、高速走行中も変形することなく車内の快適性を確保する。
わずか14秒でオープンまたはクローズができ、走行中もその操作を行えるものだ。
一般的なシステムでは、格納のために150~200Lのスペースを必要とするが、フェラーリの最新RHTは100Lで済むコンパクトなものになっている。
重量面でもアドバンテージを有しており、アルミニウム製構造のため、一般的なシステムより約40kg軽量。また、電動リア・ウインドウによって、ハイスピードのオープンエア・ドライブも快適に楽しむことができる。
車体構造は、ストラダーレ同等のシャシー剛性を確保すべく、車両の表面を造形し直し、トノカバーをクーペのBピラーと滑らかに融合。
ヘッドレスト後方のバットレスは、ボディパネルの下から隆起してきたかのように調和させ、その姿は、デザイン面の妥協を感じさせない。
スパイダー仕様のコクピットは前方に移動し、ルーフは20mm下がり、Aピラーはスレンダーに、フロント・ウインドウの傾斜角度は大きくなっているという。
リアビューで際立つのは、ハイ・エグゾーストパイプと低いテール・セクション。引き伸ばされた光のリングは、テールライトの横方向のつながりを意識させ、伝統の丸形と大胆な決別を果たしている。
SF90スパイダー エアロダイナミクス
ストラダーレではルーフの直後に排気口を備えていたが、RHTを積むSF90スパイダーでは、リアスクリーンに水平のルーバーを加えている。
その配置は、高速走行中のエアロダイナミクスを妨げずに、効率的に「煙突」の役割を果たすよう、精密に決められたものだという。
また、SF90スパイダーが発生するダウンフォースを決めるのが、車両のテールに装備される特許取得の空力デバイス「シャットオフ・ガーニー」だ。
クーペと同等のパフォーマンスを確保するため、開発陣はテールに向かう空力的フローをマネージメントする必要があった。
シャットオフ・ガーニーは、2つのパーツから構成されるつり下げ式エレメントで、1つは固定パーツ、もう1つは前方部分がくさび形になっている。
このシステムをコントロールするのは、速度、加速度、ステアリング・ホイールの角度、ブレーキペダルの圧力といったパラメーター。1秒間に数百回も確認し、ダウンフォースを増やす必要のあるシチュエーションで、即座にシステムを稼働する。
ロー・ドラッグ時には、気流にはほとんど影響を与えず、ハイ・ダウンフォース時にはロー・ドラッグの状態では空気が通過するエリアを、可動エレメントが下がってふさぐ。
これにより、可動パーツと固定パーツが空力的な形状を作り出し、そこに突き当たる気流をそらすことで、ダウンフォースの発生量を大幅に増加させるのだ。
これ以外にも、車両前方のボルテックス・ジェネレーターの最適化、空力を追及した鍛造ホイールの形状変更などが行われている。
SF90スパイダー 内装
SF90スパイダーには、車内にも2つの空力エレメントが特別に備わる。
ドライバーと同乗者のシートの間にあるトリムは、頭と肩から気流を引き離す。そしてセンタートンネル上部の2層構造によってトリム内部に送り込む仕掛けだ。
いずれも実質的にドラッグに影響をおよぼさず、フェラーリの他のミド・エンジン・スパイダーと同じレベルの快適性を保証した。
インターフェイスは、SF90ストラダーレで飛躍を遂げた新世代のものを採用。
計器類は大部分がデジタルとなり、パワーオフ時はスクリーンが黒一色に。ひとたびエンジン・スタートボタンが押されると、一種の“セレモニー”が始まり、ドライバー側のデジタル・コンポーネントが徐々に点灯して、ついには全体が輝く。
中央のインストゥルメント・クラスターは、1枚の16インチHDスクリーンで構成。ドライバーに向かって湾曲しているので読み取りやすい。デフォルトの表示は、大きな円形のレブ・カウンターが中央を占め、これをバッテリーの充電インジケーターが縁取る。
その横は、片方がカーナビ機能、もう片方がオーディオの操作画面。ナビゲーションの地図をフルスクリーン・バージョンに切り換えることも可能だ。
従来モデルの特徴であったF1ブリッジが、センタートンネルから姿を消したのもニュース。代わってマニュアル・シフトゲートの現代版が配されている。
新シフトゲートはATにふさわしいデジタル式。
センタートンネルには、新しいイグニッション・キーを収めるコンパートメントも備わる。このキーは、キーレス・モードで機能することに加え、ボンネットを飾る跳ね馬のバッジの正確なレプリカになっている。
SF90スパイダー パワートレイン
SF90スパイダーのパワートレインは、エンジンと3基のモーターで構成されるプラグイン・ハイブリッド・システムだ。
フロントには、RAC-e(コーナリング・アングル・レギュレーター-エレクトリック)システムの一部である2基のモーターを装備。
リア・モーターは、跳ね馬のF1マシンから名付けられたMGUK(モーター・ジェネレーター・ユニット・キネティック)を搭載。
具体的には、V8ターボ・エンジン、E-diffを備える8速DCT、電気のみの走行も可能な2基のモーターを備えるRAC-e電動フロントアクスル、エンジンとギアボックスの間に搭載されたMGUKモーター、高電圧バッテリー、電気モーター制御システム(インバーター)という構成だ。
V8エンジンは最高出力780ps。内燃エンジンと電気モーターの合計最高出力は1000psに達する。
パワーデリバリーは、アクセルペダルのインプットを、エンジン制御/ハイブリッド制御システムが処理。次のようなモードで出力を発揮する。
・電動:フロントアクスルが駆動(FWD)
・ハイブリッド:エンジンとMGUKが駆動(RWD)
・4WDハイブリッド:フロントはオンデマンドで稼働。コーナー立ち上がりで必要に応じてトラクションを発生、リフトオフとブレーキング時にはエネルギーを回生。
一方でバッテリーの充電(エネルギー回生)は3つのストラテジーで機能する。
・回生ブレーキ:ABSオンのブレーキング時、前後アクスルで稼働
・オーバーブレーキ:アクセルオフ時に前後アクスルで稼働。フロントは左右個別に管理
・ICEリチャージ:リアのMGUKモーターとICEとの負荷点シフトによってバッテリーを充電
通常のブレーキングでは、モーターを使用したエネルギー回生が優先され、急激な減速では、油圧ブレーキ・システムが介入して電気による制動をサポートする。
SF90スパイダー eマネッティーノ/シャシー
SF90スパイダーでは、ハイブリッド・システムがドライビングの中心的な役割を果たすことから、従来のマネッティーノに加えて、eマネッティーノと名付けられたセレクターがステアリング・ホイールに装備された。
ドライバーは「eドライブ」「ハイブリッド」「パフォーマンス」「クオリファイ」という4つのモードを選択できる。
「eドライブ」は、内燃エンジンを停止し、電動フロントアクスルによって最長25kmを走行可能。最高速度は135km/hとなる。
「ハイブリッド」はシステム全体の効率を最適化するセッティング。
「パフォーマンス」はエンジンが稼働し続け、効率よりバッテリーの充電を優先。これによって必要なときに瞬時にフルパワーを発揮できる。
「クオリファイ」は、電気モーターを最大能力(220ps)で稼働させて、最高出力をすべて解き放つ。
シャシーは、新パワーユニットとAWDの導入により、完全な新設計に。SF90スパイダーでは、従来のプラットフォームより30%高いねじれ剛性を、重量の増加なしで実現している。
また、サーキット性能を極限にまで高めたいオーナーには、追加のオプション仕様「アセット・フィオラーノ」パックを用意。
こちらは、マルチマティック・ショックアブゾーバー、カーボン製リアスポイラー、公道走行も可能なミシュラン製パイロット・スポーツ・カップ2を装備し、車重は21kgダウンという、特別仕様になっている。
SF90スパイダー 主要諸元
全長:4704mm
全幅:1973mm
全高:1191mm
ホイールベース:2649mm
乾燥重量:1670kg
エンジン:3990ccV8ターボ
トランスミッション:8速DCT
最高出力(エンジン):780ps7500rpm
最大トルク(エンジン):81.6kg-m/6000rpm
最高許容回転数:8000rpm
圧縮比 9.4:1
最高出力(eドライブ・モード):220ps
航続距離(eドライブ・モード):25km
バッテリー容量:7.9kWh
システム合計最高出力:1000ps
0-100km/h加速:2.5秒
0-200km/h加速:7.0秒
100-0km/h減速:29.5m
最高速度:340km/h
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