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高級版トヨタなんて言わせない!! 新型車続々投入で大攻勢をかけるレクサスの今

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高級版トヨタなんて言わせない!! 新型車続々投入で大攻勢をかけるレクサスの今

 一時期はニューモデルの話がご無沙汰だったレクサスが、ここに来て大攻勢をかけてきた! 時代が平成から令和に変わり、日本で18年目を迎えたレクサスは成功したと言えるのか!? 改めて評価する。

※本稿は2023年6月のものです
文/ベストカー編集部、写真/LEXUS、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年7月26日号

高級版トヨタなんて言わせない!! 新型車続々投入で大攻勢をかけるレクサスの今

■日本での販売も好調! レクサスの今

4月にはLMが、さらに6月にはGX、TX、そして写真のLBXも公開された。2023年のレクサスは元気だ!

 北米で開業してから約34年、欧州プレミアムブランドに対抗すべく、トヨタがレクサスブランドを日本でも開業したのが2005年。

 開設当初の約1年間は取り扱い車種がGS、IS、SCなど4車種のみだったが、いまや10車種まで増加。すでに日本投入が確定しているNEWモデルも含めれば13車種で、コンパクトSUVからラージサイズミニバンまでカバーする盤石な体制が整うことになる。

 売れゆきが伸び悩んだ時期もあったが、最近は好調を維持。経営状況もモデルも妙に元気なレクサスだが、現在の評価はどうなのか? さまざまな角度から、レクサスの「今」を検証していく!

(文/ベストカー編集部)

■新型車目白押し! 存在感は依然上昇中

旧型は海外市場でのみの販売だったフラッグシップMPV「LM」。新型は日本でも発売されるとあって、その注目度が高い

 スピンドルグリルを大々的に採用するようになった2010年代半ば頃から、レクサスのデザインは飛躍的によくなったように思っている。

 SUVについて、日本国内向けは長らくRXのみだったが、ちょうどその頃にNXが加わるとともに、ほどなくフェイスリフトしたLXが日本に導入されて話題となった。さらにはUXも加わった。

 2021年秋にNX、2022年初にLX、同年秋にRXがモデルチェンジし、今年春には完全BEVのRZも加わった。なかにはバックオーダーでえらいことになっている車種もあるのはご存知のことだろう。

 かくしてレクサスはSUVが充実しているというイメージがつくようになった。人気カテゴリーであるSUVに強いことで、レクサス全体にも勢いがあるように見えるようになってきた。

 特に2023年になってから、SUVを中心に、SUV以外でもレクサスはニュースが目白押しだ。4月にはLMが、さらに6月にLBX、GX、TXが相次いで公開された。

■新型車の中でも特に注目は「LBX」

レクサス GX。武骨さを前面に押し出しつつ、レクサスらしい高級感もしっかりまとう。人気が出そうなスタイリング

 GXはプラドとの関連性が深く、これまでもずっと海外向けにはあったが、LXのような高価なクロカン車がこれほどまでにもてはやされている日本ならば充分に勝算があると見込んでGXも導入しようというのはなんら不思議ではない。

 かたやTXは、先代の後期型RXにあった3列シート車が新型にはないと思っていたら、ちゃんと別に3列シートのSUVの用意を進めていたということだ。3列シートのクロスオーバーSUVのニーズが高いことはいうまでもない。

 一方で、UXよりもさらに小さなクラスに名乗りを上げる、新たな試みとして注目したいのが、LBXだ。

 コンパクトSUVのヤリスクロスをベースに、“プレミアム・カジュアル”をデザインコンセプトに仕立てた外観は、グリルのフレームを廃し、造形自体でスピンドルを演出した“ユニファイドスピンドル”を新たに採用するフロントマスクが印象的だ。

 なお、ボディサイズはヤリスクロスよりもやや大きくなり、全幅は1800mmを超える。

 インテリアもエントリーSUVとはいえレクサスの一員らしくクォリティ感満点に仕立てられるという。

 これまで“小さな高級車”は売れないと言われがちだったが、今の時代は状況も変わった。レクサスの渾身の作であるLBXなら、きっと目にもの見せてくれることだろう。

 一方で、これまた日本への導入が楽しみなのが、「ラグジュアリームーバー」のLMだ。初代の情報が知られた時にも、どうしてミニバン王国の日本でも売らないのかという声が小さくなかったが、新型はついに導入を果たす。

 パワートレーンはクラウンなどと共通の2.5Lのハイブリッド、高性能版の2.4L直4ターボハイブリッドとなる見込みで、V6の設定はないようだ。

 走りについても、特に後席乗員にとってより快適な乗り心地を実現するため、車体剛性の向上や足まわりのチューニングが施されたり、専用の凝ったシートが与えられるという。いずれも秋のモビリティショーの頃には、日本でも何らかの動きがあるはずだ。

■いまだ欧州プレミアムの後塵を拝している

まだまだ欧州プレミアムと肩を並べるまでには至っていないというのが国沢氏の見解。今後に期待だ!

 本当にクルマのことを知っている人からはLC500を除き依然として評価されていないと思う。実際、同じクラスのメルセデスやBMW、アウディなどと乗り比べをすると優劣明らか。乗り心地やボディの剛性感、エンジンフィールなど、プレミアムブランドに勝っているレクサスはないと言い切れる。

 そのわりには同じクラスのトヨタと比べ高価。ただクルマ通であっても地方在住の“お堅い仕事”(医師など)をしている方は輸入車に乗りにくいらしく、レクサスを選んでいるケースも多いと聞く。

 また、輸入車勢にないような過剰と思われる接客にハマるユーザーが多いようだ。

 いずれにしろハードでプレミアムブランドに勝つという目標を立てたレクサス(初代LS400などは勝っていたと思う)の狙いは達成されておらず。新体制に期待したい。

・ブランドの成熟度:5
・クルマの魅力度:5
・今後の期待度:8

(TEXT/国沢光宏)

■欧州勢と戦えるブランドに育ちつつある

車種は限定されるが、欧州ブランドと競い合えるだけの実力はついてきていると松田氏。特にISとRXを評価

 欧州ブランドに対抗する国産ブランドは生まれるのだろうか? という疑問が昔からあった。日本には欧州車信仰が根強く、性能のいいクルマが出現しても重箱の隅をつつくように粗探しをする風潮があったものだ。

 その対象はレクサスとて例外ではなかった。特にレクサスはトヨタ車とプラットフォームなどを共用する車種も多く、プレミアムブランドとして疑問を持たれる車種も多かった。

 変化が生まれたのはISやGS、そしてLSといったトヨタブランドから消えていくFR車に力を入れ始めたあたりからだ。個人的に感心するのは、マイナーチェンジによって見違えるほど生まれ変わったISと、新開発のRX。走りの質が欧州ブランドを超えるといっても過言ではない。

 車種は限定されるが、レクサスは欧州ブランドと戦えるブランドに育ちつつある。

・ブランドの成熟度:8
・クルマの魅力度:8
・今後の期待度:9

(TEXT/松田秀士)

■もう「高価なだけのトヨタ車」とは言わせない!

レクサスの今までの努力が報われ始めていると岡本氏。ハイブリッド車の充実は圧倒的に優位と見る

 いろいろ努力してきたことが報われている。もはや価格が高いだけのトヨタ車なんて言うのは全然適切じゃない。いまや立派にドイツの御三家と肩を並べられる日本で唯一のブランドになった。

 クルマのほうは、これから導入が予定されているニューモデルも含め、SUVに強いというイメージがどんどん高まってきている。また、登場から時間のたった車種も放置せず、折をみてアップデートしているイメージもある。だから長寿モデルでもあまり古くさくなっていない。

 ハイブリッドが充実しているのもこれまでどおり強みで、その点では世界のどのメーカーよりも圧倒的に優位だ。

 一方で、いまや世界的にも貴重な大排気量の自然吸気V8エンジンの選択肢がある点もポイントだ。それが肝心のLSやLXにも積まれる日が来るよう期待している。

・ブランドの成熟度:7
・クルマの魅力度:8
・今後の期待度:9

(TEXT/岡本幸一郎)

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  • 国沢氏はスピンドルグリルになってからデザインが良くなったと思っているのか。ボディデザインは好きだがスピンドルグリルはエグくてどうしても良いデザインとは思えない。最近の大きくなり過ぎたBMWのキドニーグリルも苦手。高級車イコールデカいグリルっていつまで続くのかな。
  • 新車発表も結構だけど、きちんと生産体制を整えてからにしてよ。
    発売はするけど受注はしないでは全く意味がない。
    円安の影響や購買の違いから、限られた半導体を海外優先にするのも分かるが、国内ユーザー向けに新車発表をするなら、国内の生産体制もきちんと整えるのが筋だと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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