現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > フェラーリF1、アメリカGPでの”直線スピード欠如”の理由を説明

ここから本文です

フェラーリF1、アメリカGPでの”直線スピード欠如”の理由を説明

掲載
フェラーリF1、アメリカGPでの”直線スピード欠如”の理由を説明

 今シーズンの特に後半戦、圧倒的な直線スピードを武器に強さを発揮してきたフェラーリ。しかしアメリカGPでは一転苦戦することとなり、シャルル・ルクレールが4位に入るのがやっとだった。

 このアメリカGPの直前には、レッドブルからの問い合わせに応じる形で、FIAから技術指令が出された。これにより、燃料流量計の隙を突く形で、規定されている以上の流量の燃料を消費することは違法であると明確化された。

■「不正をやめたからだ」フェルスタッペン、フェラーリ勢の失速にチクり口撃

 フェラーリは、ライバルチームが”燃料流量のトリック”を疑っていることに憤慨していたが、アメリカGPでパフォーマンスが劣ったのもまた事実である。

 フェラーリのチーム代表であるマッティア・ビノットは、パワーユニットには何の変更もしていないと主張。その一方で、高ダウンフォースのセッティングをテストし、それがライバルに対するペースにどんな影響を及ぼすのかを確認していたことを明かした。

「過去のレースほど、ストレートで速さを得られなかったのは事実だ。しかし少なくとも予選では、コーナリングでライバルに匹敵する速さを発揮することができた」

 ビノット代表はそうmotorsport.comに対して語った。

「グリップとパワーのバランスは、今週末には変更された。我々の側でのテストケースとしてね。我々はコーナリングに合わせようとしたんだ。それはシンプルなことだと思う」

「予選ではまだ競争力があったと思う。しかしレースではまだ理解すべきことがあった。そしてバランスの観点から言えば、次のレースに向けて最適なモノを理解する必要がある」

 アメリカGPでフェラーリが苦しんだもうひとつの理由。それは、ルクレールがスペック2のパワーユニットを使っていたということだ。

 ルクレールはフリー走行3回目でオイル漏れに見舞われたため、パワーユニット交換を実施。パワーアップを果たした現行モデルの前、スペック2を搭載することになった。

 パワーユニットのパフォーマンスがかなり低下したのかと尋ねられたビノット代表は、次のように説明する。

「それほど大きく下がったわけではない。少し下がっていたのは事実だ。ただこれはエンジンのスペック間の差として考えられていたもの。今回使ったのはスペック2のパワーユニットであり、モンツァで投入したスペック3ではない」

 ライバル勢は、フェラーリの直線スピードの優位性は、以前ほど大きくないことをすぐに理解した。ある情報筋によれば、これまでは0.7~0.8秒の優位性があったが、アメリカではこれが0.5秒程度にまで短縮されたという。

 フェラーリの直線スピードが衰えたことは、今回のグランプリで2位となり、2019年のワールドチャンピオンとなったルイス・ハミルトン(メルセデス)の言葉でも確認できる。

「パフォーマンスの面では、ノーだ。驚きはないよ」

 そうハミルトンは語った。

「彼らが今シーズンを通じて、アドバンテージを持っているのを見た。しかし昨年でさえ、彼らは大きなパワーを持っていたんだ」

「しかし今年は、どこからともなくさらなるパワーを手にした。本当に思いのまま、彼らは望む時にはいつでも、もっと引き出してくるように見えた」

「今週末、どうやって我々のモノと比べればいいのかは分からないけど、間違いなく以前の状態ではなかった。以前はストレートで0.7秒も遅れていたんだから」

 しかしビノット代表はレース後、今回フェラーリのパフォーマンスが劣ったのは、技術指令があったためだとライバルチームが指摘していることに失望したと語った。ビノット代表曰く、技術指令はフェラーリには全く影響を与えず、その評価にもほとんど時間を費やさなかったという。

「正直に言って、技術指令についてはこれから目を通すことになる」

 そうビノット代表は語った。

「今週末は詳しく見ることがなかった」

「今シーズン35回目のモノだと思う。これはチームがFIAに説明を求め、FIAが回答するという通常のプロセスだ。そして予選に影響があったのだろうか? 私はそれについては分からないし、答えられることもない」

関連タグ

こんな記事も読まれています

【ポイントランキング】2024年F1第22戦ラスベガスGP終了時点
【ポイントランキング】2024年F1第22戦ラスベガスGP終了時点
AUTOSPORT web
カワサキ新型「レトロスポーツモデル」に反響多数!「古き佳き」スタイリングが“現代”に刺さる!? 玄人も注目する“バイクらしさ”を味わえる「W230」とは?
カワサキ新型「レトロスポーツモデル」に反響多数!「古き佳き」スタイリングが“現代”に刺さる!? 玄人も注目する“バイクらしさ”を味わえる「W230」とは?
くるまのニュース
「ジャガー」のブランドロゴが大胆に変更! 英国の名門ブランドはどこに向かう? まもなく登場する“新たなコンセプトカー”とは
「ジャガー」のブランドロゴが大胆に変更! 英国の名門ブランドはどこに向かう? まもなく登場する“新たなコンセプトカー”とは
VAGUE
村民の力で蘇った昭和のボンネットバス! 熊本県・山江村の宝物マロン号がロマンの塊だった
村民の力で蘇った昭和のボンネットバス! 熊本県・山江村の宝物マロン号がロマンの塊だった
WEB CARTOP
本物の贅沢──新型ロールス・ロイス ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズII試乗記
本物の贅沢──新型ロールス・ロイス ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズII試乗記
GQ JAPAN
道東道直結の“新道”がついに完成! 高速道路開通と同時に国道「8.8kmバイパス」の残り区間が拡幅
道東道直結の“新道”がついに完成! 高速道路開通と同時に国道「8.8kmバイパス」の残り区間が拡幅
乗りものニュース
[サウンドユニット・選択のキモ]メインユニット編…交換する意義を考える!
[サウンドユニット・選択のキモ]メインユニット編…交換する意義を考える!
レスポンス
【F1分析】速いチームがコロコロ変わる。実に難解だったラスベガスGP。鍵はもちろん”タイヤの使い方”だけど……
【F1分析】速いチームがコロコロ変わる。実に難解だったラスベガスGP。鍵はもちろん”タイヤの使い方”だけど……
motorsport.com 日本版
フェルスタッペンが4年連続F1チャンピオンに輝く。メルセデスがワンツー飾る【第22戦決勝レポート】
フェルスタッペンが4年連続F1チャンピオンに輝く。メルセデスがワンツー飾る【第22戦決勝レポート】
AUTOSPORT web
“3、4番手”のマシンでもタイトル獲得。フェルスタッペンの底知れぬ才能にマルコ博士も絶賛「彼の実力だけで勝ったレースが4つほどあった」
“3、4番手”のマシンでもタイトル獲得。フェルスタッペンの底知れぬ才能にマルコ博士も絶賛「彼の実力だけで勝ったレースが4つほどあった」
motorsport.com 日本版
日産「“タフ顔”SUV」がスゴイ! 唯一無二の「ターボエンジン」×センターマフラーが超カッコイイ! めちゃゴツゴツ仕様の「“最新版”エクストレイル」米国カスタムモデルとは
日産「“タフ顔”SUV」がスゴイ! 唯一無二の「ターボエンジン」×センターマフラーが超カッコイイ! めちゃゴツゴツ仕様の「“最新版”エクストレイル」米国カスタムモデルとは
くるまのニュース
ランドローバーから美しいセドナレッドをボディカラーに採用した限定モデル「ディフェンダー110 セドナエディション」が登場
ランドローバーから美しいセドナレッドをボディカラーに採用した限定モデル「ディフェンダー110 セドナエディション」が登場
@DIME
ラリージャパンで完走できなければ、2025年WRC参戦はなかった……勝田貴元が明かす厳命「来年は”勝ちに行っていい”と言われるように」
ラリージャパンで完走できなければ、2025年WRC参戦はなかった……勝田貴元が明かす厳命「来年は”勝ちに行っていい”と言われるように」
motorsport.com 日本版
ブリッツ、『GRヤリス』専用キャンバー調整機能付きフロントピロアッパーマウント発売
ブリッツ、『GRヤリス』専用キャンバー調整機能付きフロントピロアッパーマウント発売
レスポンス
トヨタ、最終日に大逆転で4連覇。ヌービルは悲願の初戴冠【ラリージャパン 最終日レポート】
トヨタ、最終日に大逆転で4連覇。ヌービルは悲願の初戴冠【ラリージャパン 最終日レポート】
AUTOSPORT web
『頭文字D』カラーで日本の峠最速に。グリアジンがWRC2完勝「しげの先生にありがとうと伝えたい」
『頭文字D』カラーで日本の峠最速に。グリアジンがWRC2完勝「しげの先生にありがとうと伝えたい」
AUTOSPORT web
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
くるまのニュース
高性能な「ディフェンダーOCTA」初の一般公開! 盛況のランドローバー公式イベントに“秘密兵器”あり!! 大都市の真ん中で「悪路走行」を満喫
高性能な「ディフェンダーOCTA」初の一般公開! 盛況のランドローバー公式イベントに“秘密兵器”あり!! 大都市の真ん中で「悪路走行」を満喫
VAGUE

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村