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ホンダ「アクティ」終了後も軽トラは安泰か? EV化が波及し得ない事情とは

■社会インフラとして定着している軽トラック

 2021年にホンダの「アクティ・トラック」が、44年の歴史に幕を下ろします。これで、ホンダのラインアップから軽トラックが姿を消すことになります。

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 そもそも二輪車メーカーだったホンダが四輪事業に最初に参入したのは、1963年の軽トラック「T360」です。そのため、ホンダとしては58年間続けてきた軽トラックがなくなることを意味します。

 後継車の開発と市場導入について、筆者(桃田健史)は東京・青山のホンダ本社で関係者に直接取材したのですが、「現状では未定」という答えにとどまりました。

 取材時に確認できたホンダのデータ(1986年以降)によると、販売のピークは1993年の7万1343台でしたが、2000年代以降に販売は下降して最近では1万5000台程度で推移しています。

 軽トラック市場全体が年産18万台規模なので、ホンダのシェアは1割弱にとどまります。

 軽スーパーハイトワゴンの「N-BOX」でダイハツとスズキを巻き返したように、ホンダには軽トラックでも新たなる風を起こして欲しいものですが、軽トラック市場全体が縮小傾向にあるなか、新規開発の可能性は低いというのが実情です。

 一方、ダイハツとスズキの本社関係者に話を聞くと、「ハイゼット」と「キャリィ」について、新規投資を抑えて現状維持を続けるという姿勢です。

 そこには、軽トラックは農業を中心としてさまざまな産業向けの「働くクルマ」であり、そうした社会インフラを安定供給するのは、自動車メーカーにとしての社会的責任との意識があります。

 ホンダもそうした意識は当然あるものの、シェア1割という実状と、軽自動車のNシリーズへの移行という商品戦略のなかで、今回の経営判断に至ったといえます。

■軽トラックの電動化はどう進展する?

 では、軽トラックの電動化は今度、どのように進むのでしょうか。

 電動化とひとことでいっても、マイルドハイブリッドやストロングハイブリッド、ピュアEVなどさまざまなものがありますが、経済産業省が2020年12月25日に発表した「グリーン成長戦略」によると、「遅くとも2030年代半ばまでに、乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう包括的な措置を講じる」としています。

 そのなかに「軽自動車・商用車の電動化」が盛り込まれるとの記載があります。つまり、近未来の軽トラックにとって電動化は必須です。

 もっとも現実的なのは、スズキが「ワゴンR」などで採用している、発電機を兼用するモーターによる、いわゆるマイルドハイブリッドでしょう。

 軽トラックの商品価値は、価格の安さ、耐久性、軽量、取り回しやすさ、そして地域に密着した販売協力店でも対処できる整備のしやすさです。

 そうして需要性に対して、EVモードでの走行が可能となるなどシステムが複雑化する、いわゆるストロングハイブリッド車は適さない印象があります。

 そうした社会実状を踏まえたうえで、軽トラックのEV(電気自動車)化という議論や構想があることは理解できます。

「働くクルマ」であるからこそ、たとえ燃費モードでのCO2排出量が少なくても、継続的な利用によってCO2排出総量が増えるので、EV化が有効です。また、クリーンな農業を目指すためには、積極的にEV化するべきなのです。

 さらに、シェアリングサービスも考慮した、超小型モビリティの活用も視野に入れるべきだ、といったさまざまな考え方が出てくることも、当然だと思います。

 ただし、そのためには農業従事者を中心とした「行動変容」が求められます。

 価格はもちろん、軽さや取り回しという意味での機動性を担保するためには、軽トラックに搭載できる電池容量はあまり大きくできません。

 そうした限られた使用条件のなかで、自宅や事業所のみでの充電を徹底する「計画的な生活」へのシフトが本当にできるのでしょうか。

 筆者は現在、福井県永平寺町で、将来のまちづくりや交通環境などに対する政策を協議する、永平寺町エボリューション大使として、地域の住民や事業者とさまざまな案件で膝詰めの議論をしています。

 実際に、地域の人と筆者が一緒に軽トラックを使用する機会もあります。

 そうした実体験のなかで、軽トラックを日常的に活用している人たちの生活を、電動化という観点だけで大きく変えることは極めて難しいと感じます。

 近い将来、「軽トラックEV化の一例」として日本各所で実証試験などがおこなわれる可能性はありますが、単なる技術的な実証ではなく、社会を変えるために住民の意識を大きく変えるには、地道な努力が必要不可避だと考えます。

 繰り返しますが、当面は軽トラックの電動化はマイルドハイブリッドというのが、ユーザー、国、自治体、メーカー、ディーラー、整備工場など各方面にとって腹落ちする現実解だと思います。

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