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新車で買えるの!? “44年も刷新なし”の超絶「レトロ顔・商用モデル」がスゴかった! なぜ長年ラインナップされ続けている?

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新車で買えるの!? “44年も刷新なし”の超絶「レトロ顔・商用モデル」がスゴかった! なぜ長年ラインナップされ続けている?

■44年も新車販売中! おそるべしロングセラーモデルとは

 1979年登場の三菱「デリカ」が、海外ではほぼ当時の姿で販売されているのをご存知ですか。
 
 その名は「L300」。1986年生まれのデリカ=L300も同様に新車で買うことができます。今回は、そんなL300を中心に、デリカの世界戦略をまとめてみました。

【画像】「えっ…!」 これが「40年販売中の商用バン」です! (44枚)

 三菱「デリカ」といえば、現在ではSUV+ミニバン両方の良さを併せ持った「デリカD:5」と、大人気を博している軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」などが販売されています。

 一方で忘れてはならないのが商用バンの「デリカバン」です。1968年にデリカが誕生した際、デリカにはこの商用モデルからスタートしており、以来商用バンのデリカバン(もしくは「デリカカーゴ」)が用意されてきました。

 ところが1999年以降は自社生産ではなく、マツダ「ボンゴ」のOEM車となり、2011年からは日産「NV200バネット」のOEMとなりました。しかしそのデリカバンも2019年に販売が終わっています。

 そのため2023年12月現在、日本でデリカを名乗るクルマはデリカD:5とデリカミニ、そしてスズキからのOEMモデルである小型ハイトワゴン「デリカD:2」のみとなっています。

 しかし、デリカは国外で現在もなお、販売が続いています。

 デリカが海外で販売された歴史は古く、初代デリカまでさかのぼります。

 海外では、初代デリカは「コルトT100/T120」、2代目・3代目デリカは「L300」、4代目デリカは「L400」を名乗りました。

 この「L○○○」という車名は、かつて三菱が商用車もしくは商用車をベースにした乗用モデルに与えていたもので、軽バン・トラックの3代目「ミニキャブ」を「L100」、かつて日本でも販売していたピックアップトラック「フォルテ」を「L200」と名付けていました。

 フォルテはその後「ストラーダ」「トライトン」と名前を変えていきましたが、これらはいずれも、販売国によっては「L200」と呼ばれています。

 スクエアなボディが特徴の2代目デリカ=初代L300は、1979年の登場。初代では「デリカコーチ」と称していた乗用モデルは、「デリカスターワゴン」に改名し、より快適に進化しました。1982年には、ジープ並みの悪路走破性を与えた4WDモデルを日本で初設定しています。

 L300は日本以外でもフィリピン、韓国のヒュンダイ、インドネシア、中国、インドなどで生産されましたが、フィリピンで「L300バーサ」、インドネシアでは「コルト L300」が、ほとんど姿を変えずに未だに販売を継続しています。

 なお現在では、コルトL300に搭載される2.5リッター「4D56型」ディーゼルエンジンがユーロ4の排気ガス規制をクリアできなかったため、エンジンを2.2リッター「4N14型」ディーゼルエンジンに換装して、それをくぐり抜けたL300バーサがインドネシア市場にも提供されているようです。

 さらにインドネシアにはコルトL300にいすゞのエンブレムをつけたいすゞ「バイソン」なるモデルも存在します。

■30年前の「全面刷新モデル」もまさかの現役

 1986年登場の3代目デリカ=2代目L300は、傾斜したスタイリッシュなフロントデザインが特徴です。

 日本ではデリカスターワゴン4WDが大ヒットを飛ばしたのを覚えている人も多いのではないでしょうか。

 3代目デリカ=2代目L300は、中国、韓国、フィリピンのほかに、台湾、ベネズエラなどでも作られました。

 韓国ではヒュンダイがこの代のデリカをベースに「グレース/ポーター/H100」を開発しました。

 台湾の中華汽車(CMC)では、幾度かの車名変更とフェイスリフトを行いながら(なんと最新モデルではダイナミックシールドデザインに発展)、現在も「D260/D270」として販売を続けています。

 なお中華汽車では、南米向けに「ダッジ1000」として輸出を行なっていました。

 一方、日本のデリカは、1994年に「スペースギア」のサブネームを持った4代目デリカ=L400にバトンタッチしています。

 この代でも中国・台湾・フィリピンなどで生産が行われたほか、日本でも海外向けを2014年まで生産していました。

 なお韓国ではヒュンダイ「スタレックス(初代)」のベースとなっています。中国では現在も東風柳州汽車において、フロントマスクを大幅に改変したうえ、「霊芝」「菱智」などと名付けて販売しているもようです。

※ ※ ※

 海外にて販売されていた三菱デリカを追いかけてみましたが、実際の遷移や経緯を追うと、さらに詳細に記述する必要があります。

 そのため、すべて網羅するとたいへん複雑になってしまうので、駆け足にてのご紹介としました。

 アジアや南米などでは、堅実な設計を保つ古めのモデルが愛用される傾向があり、1979年にデビューした2代目デリカや、1986年登場の3代目デリカが、海外では時代に応じたエンジンや外観のアップデートを行いながら、いまだに生産が続いているのはとても興味深いところです。

 各国で活躍するデリカは、それぞれの国の発展を支えてきました。今後もL300をベースにしたクルマたちの躍進に期待したいと思います。

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みんなのコメント

8件
  • t25********
    1981年10月登録の二代目デリカ(L035PW エンジン1.8ℓ G62B)を現役で乗っています。(42年と三カ月)さすがに純正部品は底をつき、キャンター用を代用したりで凌いでいます。L300の部品が流用できるようなら、是非とも情報が欲しいところです。
  • BIKE!BIKE!BIKE!
    コラムMTがたまらなくイイ!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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