BMWでよく聞く基本用語を解説
新しい愛車にBMWというブランドを選んでも、最初はそれに使われるさまざまな言葉の意味が分からずに苦労した、というオーナーもきっと多いはずだろう。そこでここではBMWオーナーとなるなら一応知ってきたい用語集をまとめておくことにしたい。まずは5つのワードに絞ってその意味を紹介しよう。
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BMWとは
その正式な社名は、「Bayerische Motoren Werke AG」。このドイツ語を日本語に訳せば、バイエルン発動機製造工場という意味になる。そのエンブレムも最初にBMWが手がけた飛行機エンジンを象徴するプロペラや、青い空と白い雲を意識したものと考えられがちなのだが、実際にはもともと青と白のカラーリングは、バイエルン州の州旗をモチーフにしたものだという。BMWは2020年にエンブレムを改定する際、それが航空機のプロペラによる塗り分けであることを否定するが、市場ではいまだに1世紀を超えたBMWの歴史に敬意を表し、そのエンブレムが飛行機のプロペラだとする説にあえて反論するものは少ない。
キドニーグリル
自動車の顔、あるいは表現を決定づける最も大きな要素は、やはりグリルを中心としたフロントマスクのデザインだろう。BMWのグリルは、「Kidney grille」(キドニーグリル)と呼ばれる、左右二分割構造のものが伝統。キドニーとは英語で腎臓の意味であり、BMWが最初にそれを市販車に採用したのは1933年に発表された「303」が初めてのことだった。
以後1950年代に瀕死の経営状態だったBMWを救ったイソのライセンス生産車「イセッタ」など、一部の例を除けば、BMWはつねにこのキドニー・グリルを歴代のモデルに採用。モデルによっての大小はあるが、現在も全車で使われており、やはりデザイン面でのアイコンとしての存在感は強い。また最新モデルでは「アクティブエアストリーム」と呼ばれる開閉式のグリルも開発されており、グリルとはいえその技術レベルは自動車の性能向上とともに確実にあがっている。
ホフマイスターキンク
これもBMWが伝統的に使うデザインの手法のひとつ。1960年にBMWのデザイナーだったヴィルヘイム・ホフマイスター氏によって発案された、Cピラーの付け根を斜めに跳ね上げるラインのこと。それによってリアのサイドウインドウはより引き締まった造形を得て、全体的なサイドビューも流れるかのような美しさを生み出してくれる。
シルキーシックス
ライバルメーカーが、エンジンの重量やそのコンパクトな設計で次々に直列6気筒エンジンを廃止し、V型6気筒エンジンを新開発する中、BMWはかたくなに直列6気筒エンジンの開発や熟成を続けていった。そもそも直列6気筒は、振動面ではV型12気筒とならんで最も有利なシリンダー形式なのだが、BMWはその振動特性が生み出す高回転域でのパワーフィールを重視。直列6気筒を現在でもスポーツモデルのエンジンルームに収めているのだ。
シルキーシックスとは、その低振動性を例えた言葉で、排気量が3L以上の直列6気筒エンジンに対して使われる。対してそれ未満のエンジンはスモールシックスとされるが、BMWがチューニングした直列6気筒エンジン群は、やはりどのモデルで試しても、その満足感は大きい。電動化の時代が刻々と近づく中、BMWははたして次の一手としてどのような策を考えているのだろうか。
BMW Mのコーポレートカラー
1972年、BMWのモータースポーツ関連のプロダクトを開発、生産する部門として、BMWモータースポーツ社が設立。この新会社のロゴとシンボルカラーはこの時に決定したのだが、それにはBMWモータースポーツ社の共同責任者であった、ヨッヘン・ネアパッシュ、BMWインテリア・デザイナーのウォルフガング・ゼーハウス、そしてBMWエクステリア・デザイナーのマンフレッド・レンネンの3名が関わったとされる。
ブルー、パープル、レッドのMストライプはゼーハウスのアイデアによるもので、ブルーはBMW、レッドは当時レースの世界で提携契約が進んでいたTexaco社のイメージカラー、そしてパープルは両社の融合を表すものとされていたという。実際にBMWとTexacoの交渉は成功には至らなかったが、いわゆるMストライプは、1973年には早くもBMW 3.0CSLに施され、サーキットでその姿を見るようになった。
このストライプに「M」のエンブレムが組み合わせられるようになったのは1978年、あの「M1」からのこと。時が流れるにつれ、このエンブレムにも何回かのマイナーチェンジが施され、2020年に採用された最新のものは、3次元デザインから2次元デザインとなり、ブルー、ネイビー、レッド、そしてホワイトの「M」によって構成されるものとなっている。もちろん究極のパフォーマンスを求めるMのアイデンテティに、何ら変わるところはない。
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