ランボルギーニがレースカーのウラカン・スーパートロフェオEVOをバージョンアップ。エアロダイナミクスの改善や新ブレーキシステムの採用などでパフォーマンスを向上
伊アウトモビリ・ランボルギーニおよびモータースポーツ活動を担うスクアドラ・コルセは2021年5月26日(現地時間)、世界3大陸(欧州、北米、アジア)で競うワンメイクレース・シリーズのスーパートロフェオで使用するウラカン・スーパートロフェオEVO(Huracán Super Trofeo EVO)のバージョンアップモデル「ウラカン・スーパートロフェオEVO2(Huracán Super Trofeo EVO2)」を発表した。レースへの投入は2022年シーズンからを予定。車両価格は税抜きで25万ユーロ(約3350万円)に設定する。なお、現行のウラカン・スーパートロフェオEVOをアップグレードできる専用キットを2022年初旬に発売する予定だ。
レースカー直系の公道仕様スーパースポーツ「ランボルギーニ・ウラカンSTO」が登場。日本での車両価格は3750万円
今回のバージョンアップは、デザイン部門のチェントロ・スティーレによるエアロダイナミクス性能の改善やボディワークの変更、そして制動性能の引き上げなどを図ったことが特徴である。
まずエアロダイナミクスの面では、フロントセクションの造形を緻密に改良した点が目を引く。ヘッドライトには六角形モチーフをかたどる新しい高輝度LEDライトクラスターを装備。また、ウラカンSTOのCofango(コファンゴ)スタイルを着実に受け継いだオメガ形状のリップスポイラーを組み込む。さらに、エアフローを最適化するエアインテークのエアカーテンも新たに採用した。
次にリア部については、調整が可能な大型のカーボンファイバー製ウィングを配備するとともに、同ブランドのアイコンであるカウンタックのデザインをモチーフとした新造形のLEDリアコンビネーションランプを装着。また、ホイール後部のエアロパーツをカーボンファイバー材の新デザインで仕立てたうえで、アーチ型カーボンファイバー製バンパー内のディフューザーのフィンと滑らかにつないだ。
そしてサイドビューでは、サイドシルパネルを従来のプラスチック材からカーボンファイバー材に刷新したことがトピック。さらに、サイドスポイラーとリアフェンダーを一体造形とし、ボディ表面の連続性を最適化させた。
制動機構に関しては、スクアドラ・コルセが設計を見直した新ブレーキシステムを採用する。スチール製のフロントディスクは従来のΦ380mmからΦ390mmへとアップ。新しいキャリパーには新アレンジのブレーキパッドを装着し、表面積を広げるなどして制動性能を向上させる。12ポジションのレーシングABSも標準で装備した。
縦置き搭載のパワーユニットは基本的に従来と共通の5204cc・V型10気筒DOHCエンジンで、最高出力は620hp/8250rpm、最大トルクは570Nm/6500rpmを発生。トランスミッションには“X-Trac”シーケンシャル6速ギアボックスおよび3ディスクレーシングクラッチ+軽量フライホイールを組み合わせ、後輪を駆動する。また、基本骨格も従来を踏襲し、軽量アルミニウムとカーボンファイバー材で構成したハイブリッドシャシーに、リジッドブッシング付ダブルウィッシュボーン式サスペションを組み込んだ。
ちなみに、ウラカン・スーパートロフェオEVO2に新採用された空力性能アップのためのデザイン要素は、今後のランボルギーニの市販モデルに鋭意導入していく予定だという。
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